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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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足りない設備を次々と生やす勇者

『益田。今の状況を説明しろ!』


「局地的な豪雨に備えて避難所の設置といまからその説明をするところですが」


ちなみにグランディオーラ城下にも大雨が降っているが今のところ僕が何か手を下すような事態には至ってない。


ここの山は岩山が殆どで雨が降ると即座に鉄砲水となるのだが、その辺の治水対策はされているようなので。


問題は鉱山自体に大雨が降った時の備えが薄かった事。


過去、ここまでの大雨が降ったという記録が無いらしく、現場は混乱する一方だったと。


今までなかった…。もしかすると犯人は僕なのか?


タングラートでの大量魔力放出で海洋生物の生態系が崩れるほどのダメージを与えたばかり。


もしかすると今回の局所的な爆弾低気圧の発生も僕の魔力のせいなのか?


ちょっと気になってドローンに雨雲を解析させたが、僕の魔力は検出されなかった。


単なる自然現象なら良いのですが。


---


佐々木社長に今回作った避難所の説明をしている間にみなさんの避難が完了。


地球でも再現できないか?と無茶ぶりをされましたが…。


そもそもエーテルが存在しない地球にリアクターを置いても動かないので。


山間部特有の冷え込みに対応するため暖房は強めに入れてある。


後はずぶぬれの方々を乾かすためにとりあえずのおせんたく魔導を掛けるゲートも設置。


ゲートは5つ設定し、順番にくぐっていただくことで濡れた服と体を乾かすことが可能。


冷え切ってしまった体温は戻らないので何か温かいものをお出ししないと。


インベントリに用意してあるお弁当はさすがにこの人数を想定して入れてないので、タングラートにあるバイオプラントから取り寄せないとならない。


アヒルちゃんを飛ばすのは危険なので深緑の慈悲をバイオプラントに移動させ、インベントリに格納した上で持ち込むことにした。


どこから出てきたかは言わなければ大丈夫だろう。


---


避難した方々、立ちっぱなしも疲れるだろうと思い空港のラウンジのようなソファのセットを大量に生やすことにした。


この格納庫、どうも宇宙船用のドッグらしくそれに付帯する設備は自由に追加できる様子。


官舎のような殺風景すぎる個室だったり、10人ほどが寝られる大部屋なども生やせるようなので先に人数分を出しておくことに。


「デュアリスさん、これから食べ物や飲み物を配ろうと思うのですが」


まさかそんなものが出てくるとは予想もしていなかったのか、デュアリスさんが一瞬固まった。


「これだけの人数に配れるだけの食糧をご用意していただけるのですか?」


「はい。元々災害備蓄として持ち歩いている物でして。収納方法については秘匿させてください」


まぁ、収納方法なんて言ってる時点でどうかと思うのですが。


こんな時は古代遺物だと言い張れば大体解決するのですが、そのような便利な魔導具が出現したのはつい最近。


姫さまが豪運で出し続けた虹色箱から時間経過ありのアイテムボックスが出たのが世界初らしい。


もしかすると高ランクの冒険者が報告をせずに秘匿していた可能性もあるのですが。


そんなお宝の発見報告をしたら没収されるに決まってますし。


姫さまのお手柄もあって、にばいつめるくんは日の目を見ることが出来るようになったのですが。


量産体制の確立まであともう少し。サンプルとして冒険者ギルド、商業ギルドの荷馬車に設置してしばらくはレンタル業をやろうと思う。


まだ手放しで販売できるようなものでもないですし…。物流の有り方が根本から覆るような鮮度維持機能もつけちゃった関係で。


いかにもこの施設の保管庫から出しましたと印象付ける為、扉を一つ増設して仮倉庫とした。


---


鉱山関係者が手分けをしてお弁当の配布を手伝ってくれることに。


メニューは一つだけ。あたたかいシチューとやわらかパン、そして色の悪いゼリー付きの一般保存食。


物足りないという人にはお代わりも許可してある。


ひとまずは10万食を格納庫の倉庫内に保管し、僕が居ない時でも自由に取り出せるようにしておく。


明日の朝、街に帰れる保証はどこにもない。


鉱山から街に至る山道が大雨で崩落していれば当分は帰れなくなるだろうし。


食事については格納庫内で食べてもらっても良いし、用意した個室や大部屋に移動してもらっても構わないと伝達済みだ。


被害に遭われたみなさん。何故か落ち込んでいる雰囲気も無いんですよね。


それとなく皆さんの雑談を拾ってみるとここを古代遺跡か何かと勘違いしている様子。


古代遺跡マニアってどこにでもいるんですよね。


ユークレス王妃のお孫さんたちも古代遺跡や遺物には興味津々と言った感じですし。


とりあえずの避難誘導は終わったので、僕はドローンを取り出して鉱山内部の被害状況を確認することにした。


---


坑道の入り口は雨水の侵入などが起こらないよう入ってすぐに昇り勾配がつけられている。


今回の大雨は想定をはるかに超える降水量となっており、その堤防を越えて内部へと水が侵入しているようだ。


避難がもう少し遅かったら入口が水没して坑道内に人が閉じ込められていたかもしれない。



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