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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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グランディオーラ鉱山に避難所を設置する勇者

ところ変わってグランディオーラ王宮。


「今の状況は?」


国営鉱山を管理する鉱山長に様子を尋ねるゴードン国王。


「全工区に避難指示を発令、あと1/4ニールほどで避難が完了する見通しです」


「ぎりぎりか…」


ゴードン国王の手元には勇者が納品した天気予報ガジェットが置かれていた。


大きさは30シン四方。


そこに映し出された巨大な影が刻一刻とグランディオーラに向けて移動を。


予報ではあと半ニールで雨雲の本体が到着すると表示。


「ゴードン様。一つ問題が…」


「問題とは?」


「鉱山と街をつなぐ道に水があふれ、鉱夫たちが取り残される事態に」


一応鉱山周辺には管理用の建物がいくつか存在するが、坑道にいる全ての鉱夫を受け入れられるだけの余裕はない。


彼らの待機場所は鉱山内部にあり、水没の危機があるため地上へと避難している最中だ。


街に戻るための道は既に川のようになっていると先程連絡があったばかり。


勇者が作った簡易通信用魔導具はここグランディオーラでも有効活用されていた。


「スズ、聞こえるか?」


『はい、父上』


グランディオーラから馬車で半月ほどかかる場所にいる娘に話しかけるゴードン国王。


「そこに勇者どのはおられるか?」


『はい。すぐ近くに』


「勇者どのにお力添えを頂きたい。すこし代わってもらえるか」


『えーにー!父上が話をしたいと』


---


「はい、サブローです」


『ゴードンだ。夜分遅くに済まない。坑道からの避難は順調に進んでいるが問題が…』


そういえば御夕飯の時間がそろそろなんですよね。


今日は先にお風呂へ入っているので食べたら寝るだけなんですが、どうもそういう訳にはいかないようで。


「どんな問題が?」


『避難させた鉱夫を収容する場所がないのだ。そのまま街に降りてもらうつもりが道に水があふれて通れなくなってしまい…』


グランディオーラの鉱山は街から少し離れた高台にあり、そこに至る道は割と険しい。


大雨が降ることを想定して作られてはいないようで、排水路を溢れた水が道を流れているとの話。


暗闇の中、足元をすくわれかねない道は危険極まりないだろう。


「分かりました。人員を一時的に収容できる施設を作りましょうか?」


『そのような事が…鉱山前の広場は既に人で埋まっていてこれから天幕を張るにしてもかなり難しいかと』


「大丈夫です。既存の建物に扉さえ設置出来れば」


日の出荘タイプよりも扉型が良いだろう。なんなら扉だけ建てても問題ない。


後は現地まで行くのに30分ほどかかるという問題が。


ああ、そういえば…。


「僕一人だけならすぐにでもそちらへ行けますが」


---


ということで、深緑の慈悲の出番である。


中身さえ入っていなければ空間を割って自由に行き来が可能。


グランディオーラの鉱山には何度か足を運んでいるのでマーカーも設置済み。


「顕現せよ!」


現地に深緑の慈悲を送り込み、僕はVRゴーグルをつけて深緑の慈悲とリンクを確立。


御夕飯前に扉の設置と説明まで済ませてしまうつもりだ。


ちなみにゴードンさんは王宮で全体指揮をしているというので、現場管理責任者を紹介してもらうことに。


一瞬意識が遠のき、目を開けると大雨降りしきる中、大勢の人でごった返す鉱山前広場に立っていた僕。


突如として出現した謎の甲冑に驚いている皆さん。


「預言書の勇者、サブローです。ゴードン国王より依頼がありこちらに参りました。現場責任者はどちらに?」


人垣がかぱっと開き、明かりの灯る小屋のような場所への道が出来る。


たぶんあそこにいるんだろうか。


---


「国営鉱山の副鉱山長、デュアリスと申します」


「預言書の勇者、サブローです。大勢の人員を収容できる広い場所を確保されたいという話を聞き、設置に伺った次第で」


「みなずぶぬれで震えております。私だけこのように屋根の下にいるのは心苦しく」


「ちなみに避難させたい人員は?」


「約一千人ほどとなります」


「分かりました。まずは全員が集まって話が出来る場所を作りましょう」


今回用意する扉は10m四方の星海を渡る民仕様とした。


イメージ的には大型航空機の格納庫、そして付帯する宿泊施設。


まずは一千人を集めて説明を聞いてもらい、順次個室なり大部屋に移動してもらう予定だ。


作戦指令室となっている小屋を出て、すこし広くなった場所に用意してきたキューブを設置。


「リブート!巨大格納庫!」


外観は一辺が10mの立方体。


そこに赤く縁どられたスライド式のドアがついている。


扉が開くと、暗かった内部の天井から白い光が降り注ぎ、広大な空間が広がった。


---


「みなさん、順番に奥の方へ詰めてください」


突如として出現した謎の物体に腰が引けていたみなさんだが、先にデュアリスさんが入って外に立っている人たちを招き入れる。


ちなみに床はグレーチングとなっており、ずぶぬれの人が入ってきても大丈夫なようなつくりにした。


ちなみに格納庫だけでも300m四方ほどあり、十分すぎるほどの広さがある。


格納庫を設置したことで地下にサブリアクターが生えたが、問題になるようならあとで回収をしましょうか。まぁ、僕以外に使える人はいないんですけれど。


ちなみにこの様子は深緑の慈悲のヘルメットカメラでブロードキャスト中。


『益田、何をしておる!』


社長から直電がかかってきた。地球から問合せが来るとは。

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