境界の地でアイドル活動をする姫さま達と勇者
宴会場の舞台上にはロイヤルグループが陣取り、とあるアニメ1期の有名なアニソンを熱唱していた。
衣装はどうやって手に入れたのか劇中のアイドルそのままで、センターを務める姫さまの瞳には星が見える。
一国の姫さま達がアイドルグループを結成して歌いまくるなんて一体どこの異世界だとちょっと考えてしまったりも。
双子は舞台下に陣取ってキレッキレのオタ芸を打っているし。そこまでリスペクトする必要ってあるの?って感じですが。
ちなみにライスリッチフィールドにはこれといった楽器類は存在しない。
直接は見たことは無いが吟遊詩人が弓に張った弦をつまびいて歌を披露するくらいの文化しかない。
おそらくは楽器類の発達を妨げるような何かしらがあったとおもうのですが。
姫様たちの歌とダンスに派遣メイドさんたちはノリノリとなって一緒に体を動かしている。
浴衣でそれはちょっとまずいのでは?
帯が緩み、胸元がきわどい感じで露わとなった方々がけっこういらっしゃるのですよね。
まぁ、男は僕一人しかいないので多分忘れ去られているのではといった感じで。
びっくりなのはスポットライトなどもいつのまにか用意され、全児童で連動している点。
一体誰がプログラムしたのだ?これも双子の仕込みなのか、それともななや旅館の特別サービスなのかちょっと謎なんですが。
そういえば最近お屋敷のカラオケセットの出番が殆ど無いんですよね。
忙しすぎるという話もあるのですが。
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「勇者さま!私たちの歌どうでしたか?」
劇中の挿入歌まで歌って舞台を降りた姫さま達。
いったいいつ練習したんだという感じで息ぴったりでしたが。
「うまくてびっくりした!アイドルデビューも夢じゃない!」
「ちきゅーに行けばでびゅー出来るでしょうか?」
姫さまは僕が地球に戻る際に一緒についてくるといつも言っている。
僕としてはひめゆぶの主人公のように異世界と地球を行き来できる力を手に入れたいと思っているが、今のところはそういった情報も得ていない。
精霊女王やシロさんが世界の間を移動していた事実があるのでどこかしらに抜け道のようなものがあるのではといろいろ探してはいるのですが。
彼女達には当時、世界間を跨いだ時の記憶がすっぱりと抜け落ちており、本人たちも困惑している状況。
一体何がトリガーとなるのか、世界の異変を収束させたら本格的に調査を行う予定ですが。
「ところで姫さま、その衣装はどこから?」
「ひなさんにお願いをして出していただきました。なんでもDSOVRでこらぼ?があるそうで」
まじか!あの作品とどういう接点があるのだ?
「えーにー。わたしのセリフをとらないでほしい」と鈴に怒られました。
鈴もノリノリで歌ってましたね。本当に健康になってよかった。
うちに来てからは体調を崩したことは一度も無いし、本人に聞いても転生後に何か病気をしたという記憶も無いと。
彼女が記憶をとりもどすきっかけとなった額に残る傷は消してあげたいんですけれど、本人がこの傷は名誉の勲章とばかりに消すのを拒否しているんですよね。
お風呂に入って体温があがるとうっすら見える程度なのでそんなに深刻なものではないのですけれど。
そういえばDSOVR、今日も顔を出せなかったのですよね。
薫先生達の迎えに行く程度でフィールドには顔を出せていないですし。
ちなみに砂漠のオアシスに築いた拠点のリフレッシュは薫先生達にお任せをしてある。
あそこも適当にプレイヤーハウスを建てただけでコンテンツ消化も出来ていないので建物の増築と農業システムの開放をしたいところですが。
いつのまにか実装されたファーミングは畑で作物を育て、酪農などの体験も出来るというVRならではのコンテンツらしい。
そこまで本格的なものではないらしいが、資材を投入してゲーム内で何日か経過するとアウトプットが得られるとか。
立ち位置的にはミニゲームと言った感じか。
占有する土地が広ければそれだけ多くのアウトプットが得られ、ゲーム内通貨やアイテムとの交換が可能になると。
ファーミングでしか得られないレアアイテムもあるというので試さないわけには行かない。
ゲーム内通貨は有り余っているのでそこまで魅力的では無いですが、貰える物はもらっておくのが信条なので。
ログインボーナスとか無駄な労力だと分かっていてもやめられないんですよね。
ボーナスと言えば十六夜さんのログインボーナスおぱんてぃらさまは脳内ストレージにスクショを撮ってあり、既に数えるのが困難なくらい溜まっている。
僕は既に人という枠から外れ、記憶領域が疑似的に拡張されて様々なデータがインストールされており、スクショもその機能の一つとなっている。
取り込んだ映像は静止画、動画共にすまほーちゃんにも転送可能となっており、僕の脳内はいったいどうなっているんだという感じで。
B級冒険者になるために必要な古代遺物取扱い免状の筆記試験も勉強不要でしたし…。
事前に読んだ法令集と過去問題は一読しただけでOK.
ただ記憶しているだけでなく合格のボーダーを設定すれば不自然にならないようその点数を取れるというサポートAIのような機能も付属。
いつになるか分からないがA級の試験対策も多分問題なかろうという。
「益田よ、先程の踊りを知人に見せても構わぬか?」と佐々木社長から声がかかった。
「僕はかまわないですが、誰に見せるんです?」
「今回のこらぼ先の関係者だ」
ああ、コラボって完全コネじゃないですか…。




