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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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とある映画のセリフをつぶやく勇者

「ぎゃあああああああ!」


突然の悲鳴に何事かと空を見上げると1対の真っ白な翼を生やした人型の物体らしきものが見えた。


服装は真っ白なワンピースっぽいものを身に着けている。


降下速度は比較的緩やかだが、そのまま落ちれば多分怪我をするのではという感じで。


「来たれ!」


深緑の慈悲を装着し、アンチグラビティを展開。


僕の上空に無重量エリアを作りだし、落ちてきた物体の速度を落とす。


「よっと…」


これがうわさに聞く「空から女の子が!」というセリフを使う時なのだろうか。


それにしても何処から?


背中から生えた純白の翼、頭には幾何学模様じみた虹色のヘイローが浮かんでいる。


天使か?と思ったがそもそもこの世界に天使族は存在しないと思われる。


もしやお屋敷の上空を飛んでいたところを誤って撃ち落としてしまったのかと少女のなだらかな体を観察するもそういった兆候はない。


「ここどこ…わたしなんでこんなところに…」


僕と目が合い「ひっ!」と短い悲鳴が上がる。深緑の慈悲のままでしたね。


少女は僕の腕から逃れようと藻掻いているが、どうも体に力が入らないようでもぞもぞするばかり。


「元の場所にもどして…」


元の場所?


「つかぬことをおたずねしますがあなたはどこから?」


「わたしを召喚したのはあなたでしょ!魔力の痕跡を見ればすぐにわかるわ!用事がないなら早く天界に返して!」


召喚?もしかしてさっき試し撃ちしたアレで召喚されたのか?


先程の銃を確認するとリリースボタンらしきものが見えた。


「これを押せば良いのかな?」


「待って!まだ対価をもらっていないわ!何か献上しなさい!」


献上…何を献上すれば。お金?それともアイテム?


「天使を召喚したのならそれにふさわしいお菓子を用意するものよ!そんなことも知らずに…」


「すいません。偶発的な事故みたいなもので。まさか天界?から天使を呼び寄せるものだとは知らずに使ってしまったようで」


「ちょっとそれを見せなさい。なにこれ重すぎ!」


先程召喚に使った銃を渡したのだが重すぎて持てないらしい。


「こんな無茶苦茶な召喚方陣、見たことないわ。どうやったら天界につながるの?」


僕も知りたいです。


「勇者さまー!何かありましたか!」


自称天使に一方的に責め立てられていると姫さまが庭先に顔を出す。


「勇者さま、そちらの女性は?」


「ちょっとした間違いがあって、天界という場所から呼び出してしまった天使さんらしいです」


「私は第1級天使、ルシフェルよ。さっさと対価を寄こしなさい」


ちなみにまだ抱きかかえたままである。


---


「とりあえずショートケーキとお茶をお出ししますので」


屋敷の客間にルシフェルさんを通し、僕はコンビニ自販機に行ってコンビニスイーツを買い求めることに。


例のコンビニ自販機、スイーツ類も充実しておりいくつか良さげなものを見繕って客間へと戻るとルシフェルさんの回りにうちの子たちが群がっていた。


まぁ、初めて見る種族ですし。


元火炎鳥の方なんかがいますけれど、彼女達の背中には羽は生えていないんですよね。


メイド服の集団に囲まれたルシフェルさんの腰がちょっと引けている。


「今はこの程度しかお出しできませんが…少し時間を頂ければもっと本格的な甘味を用意しますけれど」


カップケーキなどをお出しすると彼女の目の色が変わった。


「なにこれ!こんなかわいらしいお菓子は初めてだわ!」


ローテーブルに並んだスイーツに見とれているだけで一向に手を付けようとしないので、パッケージを開けてフォークを持たせるとまるで壊れモノを扱うかのようにゆっくりとフォークをさしてクリームをひとくち。


「なんて上品な甘味なのかしら!天界にもこんなお菓子無いわ!」


一人でいくつも甘味を平らげ、用意された紅茶も一気に飲み干した。


「気に入ったわ。このお菓子を食べられるのならいつでも呼び出しに応じるわ!むしろ呼んで!」


というか天界ってどこにあるんでしょうね…。


散々スイーツを堪能したルシフェルさんは高さ2mほどの光の柱に包まれ、あっという間に姿を消してしまった。


「勇者さま…いまの方はもうお帰りに?」


「そうみたいですね…また呼んでも良いと言ってましたがトラブルの原因になりそうな気がして仕方ないのですけれど」


「今の様子はすまほーちゃんで記録済みですので一応おかあさまに報告しておきます」


どこの世界の天界かは不明だが、天使を呼び出してしまったのは要報告案件ですよね。


滞在時間30分程度でしたがまるで暴風雨が過ぎ去った後のような惨状に。


「姫さま、お茶の時間にしますか?」


ローテーブルの上を一度片づけ、改めてお茶の用意をすることに。


---


「勇者さま、このいちごまるごとケーキとってもおいしいです」


カップケーキの体積のほとんどを占めている巨大ないちご。


その大きさは赤ん坊の握りこぶしほどとでも言えばよいか。


どうやったらこんなに大きないちごが出来るのか不思議で仕方ないですが。


サバンナさんが見たら多分飛びつくのでは?という感じで。


宮廷魔導士の皆さんもお呼びしてお茶会を開きたいのですが彼女達も随分とお忙しいご様子で。


研究所に自販機を生やす許可を貰おうかな。そうすれば休憩時間に甘味を堪能できるでしょうし。


オパール王妃に相談するとして…。


『ちょっと、聞こえているかしら?』


どこからか声がするんですが。それも先程帰られたルシフェルさんの声が。

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