ななや旅館の新しい機能と勇者
「ますだっち!地元の温泉、来週末に行くことになったでござる」
少し前に話していた慰安旅行?の件か。
「刺身の船盛に期待して海沿いの温泉にしたぞ」と社長が。
しおっからい温泉の方ですね。あれ、目に入ると本当に大変なことになるので。
ちなみに大型のタクシーで移動する事に決定したらしく、ヤマさんはのみっぱぐれる心配がなくなった。
今宵もこちらのログイン情報を解析していると思われるが、ちゃんと寝ているのだろうか。
「先輩、どうして私を見るんですか?」
「いや、お酒の席の事が気になって」
「乾杯のビールは一口飲みますけどそれ以上は…」
どうしようもない酒乱なのだ。ひなちゃん。
からみ酒の特級とでも言おうか。普段のおとなしい雰囲気が正反対になりますし。
「個室取るので大丈夫でござる。いきなり脱いだりしても世間の目には触れないでござる」
カモネギコンビが自分たちの事を棚に上げて言いたい放題。
「ぬ、ぬがないですよ!そこまでの酒乱じゃありません!」
ひなちゃん自分の胸を隠して抗議しているが目の毒なのでやめてください。
「勇者さま、フナモリというのはひめゆぶでも出てきますがどういったものでしょう?」
タングラートのお刺身、さすがに船盛にはなっておらず普通のお皿でしたし。
「漁船のミニチュアにお刺身がたくさん乗っているんですよ。温泉ホテルの宴会メニューにたしかあったと思うのですが」
「でしたら明日は温泉ホテルでフナモリを!」
なんというかのんべいの発言ですよね。明日は七夜さんも誘って久々に温泉ホテルへ行っても良いかもしれない。
僕は僕でお一人様コンロの炊き込みご飯、もしくは白身魚のホイル焼き、はたまた蒸し焼きステーキ。ひとりで何種類も頼めるのか確認していなかった。
バーチャル世界なのでなんでもありには出来そうな気がしますが。
「おさかなおいしそうにゃ」
シロさん、お昼に大き目の魚の燻製を2尾も食べておいてまだお魚ですか。
猫耳の方々がちょっと落ち着きが無くなっている。そこまでして食べたいものなのか?
「ななや旅館でもお出しできるかと…」
隣で話を聞いていた七夜さんがちょっと不安そうな顔で。
お客を取られてしまうと思ったのでしょうか?宿泊費は払っていませんけれど。
「後で一緒に確認しましょうか?」
ビュッフェ形式の食事は取れるのでもしかしたら…。
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「大広間のメニューに宴会コースが出来てますね…いつ出来たんだろう」
配膳等は不要でそのままローテーブルに生えて来るらしい。いかにもVRといった感じではありますが。
さすがにいまから宴会という訳にはいかないので明日のお楽しみではありますが。
温泉ホテルの利用頻度ががくんと落ちましたね。まぁ、たまには行く予定なので。
あちらを使えば七夜さんの負担が減るというメリットがありますので。
皆さん、自販機でそれぞれお気に入りの飲み物を買い求め、大広間で寛いでいらっしゃる。
「勇者さま、こーひーぎゅうにゅうではないのですか?」
僕が飲んでいるのはドク〇だ。風呂上がりのコーヒー牛乳も良いがこちらもなかなか。
姫さまが飲みたそうな顔をしているので一口だけ。
うちのこたち、何故かドク〇を飲んでも拒絶しないんですよね。
僕の知り合いはにおいだけでギブアップしたと言ってましたが。彼女は元気にやっているのだろうか。
学生時代の知り合いで今は関東方面にいるらしいとの事ですが、そんなことを言っていると再会フラグが立ちそうなのですけれど。
さすがにここから連絡を取るわけにはいかないので。
うちのこ達にドク〇があると知れ渡り、みなさん急いで買いに走る。
派遣メイドさん達は一体何が起こったのかと様子を伺っていますが…彼女達に飲ませたらどんな反応をするんだろう。
ちなみにお屋敷の自販機にも入っていますが缶のデザインからしてちょっとという雰囲気のせいでメイドさんた達が買ったという情報は無いですね。
自販機の売上データを見るとスナック類、それもイモ系がダントツのトップ。
この世界ポテトチップスが無いんですよね。素揚げはあるのに。
境界の地のシネコンでイモに目覚めた方々が買い求めているようで、実家へのお土産にもしているらしい。
転売とかしなければ持ち出しは自由にしてもらっているので出来れば感想なども聞きたいのですが。
あちこちで「ぷしゅ」っとプルタブが開く音が聞こえ、部屋の中がドク〇の香りで満たされる。
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「温泉旅行、ますだっちも呼べればいいのに」と無茶を言うカモネギコンビ。
一時帰省が出来ればそれはそれでうれしいのですが。
「お楽しみの様子は中継するでござる」
地球側からの配信は例の火球騒ぎ以来か?
「勇者さま。一緒にえんかいを開きませんか?」と姫さまが乗り気である。
Web宴会ですか…なんか楽しそうですね。
双方をライブカメラでつないで一緒に盛り上がるのはアリかもしれない。
幸い、ななや旅館は何処にでもありそうな温泉の大広間なので映り込んでも不自然さは無い。と思いたい。
ただ、映るのが猫人族や犬人族、狐人族といった方々もいらっしゃいますので。
何かあれば仮装ということで乗り切ればよいか。
まずはプレ宴会を明日の夜にでも開くことに。




