恋人短歌
幸せになりたいから
愛したの
だからお願い傍にいさせて
*恋人のぼく
たとえば今
家まで会いに行けたなら
泣きやむまでずっと抱きしめるのに
傷ついてる君を
助けてあげられない
頼りにならない恋人でごめん
何回もきみを
不幸にしてしまった
僕を恨んでもいいんだよ
これ以上
傷ついてほしくなんかない
俺の為になんて泣かないでいて
きみの望む
理想の彼氏になるための
仮面の重さに動けなくなる
きみの背負う
悲しみを消してやれるなら
ぼくは悪魔にだってなろう
「会いたい」と
一言いってくれたなら
どこへだって迎えにいくよ
君となら
死ぬのも怖くないけれど
それよりもっと一緒にいたいな
まんまるの
うつくしい月眺めれば
「綺麗だね」の声きみを想うよ
嗚呼たとえ
すべて捨てなきゃならなくても
きみだけは絶対手放さないよ
「会いたい」と
涙声でいうきみに
何も言えない自分に苛立つ
泣くときは
せめて俺の前にして
絶対迷惑なんかじゃないから
きみのいない明日へ
繋ぐ夜が明け
残酷な朝日にすこしだけ泣く
そんな急に
強くなんてならないで
少しぐらい俺に背預けてよ
「行かないで」と
泣き疲れて深く眠る
やさしい寝顔にさよなら告げる
かんたんに
「あたしなんて」と言わないで?
それでもキミが大好きだけど。
*恋人じゃないぼく
お星さま
卑屈な彼女にもうすこし
自信を与えてあげてください
眠れない夜は
空を見てください
同じ星を僕も見るから
今まで出会った
誰より愛してた
きみの残した後遺症に泣く
延々と
フラッシュバックを繰り返す
きみの微笑に殺されそうだよ
執拗に検閲を
幾度も繰り返し
きみへの思いはぜんぶ伏字に
冗談と一緒じゃなけりゃ
「好きだよ」と
言えない自分に嫌気がさす
恋人になれば
いつか別れるから
ずっといちばんの友だちでいよう
恋でなく
そんな一時の熱でなく
呼吸するよにきみを想うよ
*その他
神さまを愛するような
神聖な気持で
あなたを愛しています
昨日まで
恋人だったその人の
横顔をそっと盗み見る
だいじょうぶ
淋しくなんてありません
じゃ、また。と手あげ約束したもの
踊れない
わたしの手をとって
ほほえんだあなたに恋をした
思い出す
落ちる木の葉と木漏れ日と
そっと繋いだ手のぬくもりを
憎めない
悪戯なあなたにキスをして
ふとため息をひとつこぼす
胸に秘め
鉱物化してくこの愛が
いつかダイヤとなればいいのに
霜月のひとりきりの夜
蹲り
切に願うよ「幸せになって」と
よいのです
あなたが笑ってられるなら
妾いくらだって微笑みましょう
あたたかな
心臓の真上にキスをして
出会えた奇跡に感謝する
あと何回
こんなことをくり返せば
俺ら幸せになれるのかな
病になる
きみに恋してしまうという
死に到る病で僕は死ぬのだ
あと何度
だいすきとあなたに伝えたら
信じてくれる気になるのかな
会いたいと
いえば一緒にいられるの?
あなたはとてもうそつきなのに
兄さんに
ほんとの本気で恋をして
あたしの心に魔物が生まれた
ゼロ、ハチ、ゼロ……
最後の数字がどうしても
押せずに電源オトして黙る
思いがけず
見つけてしまった元彼の
ブログにこっそり通う毎日
あたしのこと
子どもみたいに頭撫でる
掌の熱にほっとするよ
きみのもつ
数えきれない恋人のなかで
俺は何番目なの?
つまらない女に
相槌打つキミに
こっち向いてと念じて見つめる
あなたの名……?
どうしてかしら、ねえあなた
言おうとすると悲しくなるの
廻りめぐる
運命とやらがあるならば
神さまどうか、あの子に逢わせて




