第44話 - 二度殺した悪魔
第4巻 - 第8話 - [閲覧注意: MA17+]
[ナレーター:邪悪な悪魔もいる。隠された悪魔もいる。そして、最悪のタイミングで能力を覚醒させ、正当防衛で犯した罪のために生涯「怪物」と非難され続ける者もいる。今日、私たちはアクマ・コドモに出会う。両親を殺した強盗を葬り去り、その惨状を見たすべての人々に「悪魔の子」と刻印された少年。今日、ジミコは自身の迫害と鏡合わせの運命を彼に見出す。今日、オワリの切実な愛の叫びは、最悪の形で打ち砕かれる。今日、ハンサムは1876年の真実――3人の創設者がいかにして死んだかを暴き始める。悪魔の子へようこそ。刻印されることが罪ではなく、その刻印を抱えて生き延びることが人を空虚にする場所へようこそ。]
第一部:血の匂いがした朝
水曜日。3年生の第5週。ハンサムの「1876年の真実を暴く」という期限まであと4日。
リユラは重圧の中で登校した。ヤカミラはハンサムの人質として利用され、エージェントたちは次々と正体を現し始めている。
[リユラの独白:兄が利用されているのに、なぜ僕は絶望に沈まないんだ? ただ、疲れ果てて、皮肉な笑みしか出てこない。これは成長か? それとも、トラウマを処理しきれなくなった末の「壊れ」か? まあいい、笑えるうちはまだ人間だ。]
SNSのトレンドは「悪魔の子、ジェレミー高校へ」という投稿で埋め尽くされていた。ハンサムが流した、9年前の凄惨な事件――アクマが両親を殺した強盗を、能力で惨殺した記録だった。
アクマは中庭のベンチで、死んだような瞳で座っていた。生徒たちは彼を避ける。「殺人鬼」「怪物」……。
リユラが近づくと、アクマは冷たく言い放った。「助けようとするな。僕は怪物だ。強盗の体からすべての水分を抜き取り、水の刃で切り刻んだ。村の人々は僕を悪魔と呼んだ。それが正しいんだ」
ジミコが隣に座る。「それは正当防衛だ。君は守ろうとしただけだ」
第二部:刻印を背負って
ジミコの部屋。ジミコは自分の過去を語った。
「僕も『刻印』を押された人間だ。従姉妹が記憶改ざん技術を僕に使い、僕の証言を『妄想』として処理させた。僕は『信頼できない壊れた人間』という刻印を押された」
「君と僕は違う」アクマが震える。「僕は実際に人を殺した。満足感さえ感じたんだ」
「それは『人間』だ」ジミコが断言する。「極限状態で生き残るために怪物にならざるを得なかった、ただのトラウマを抱えた人間だ。ここはジェレミー高校だ。刻印がすべてを定義しない場所なんだよ」
第三部:沈黙を破る集会
全校集会。ハンサムは壇上に立ち、ジェレミー校長の冷や汗を尻目に、ついに「1876年の真実」を投影した。
「1876年、初代ジェレミーが創設したこの学校。能力を持つ3人の学生、ヒカリ・シコ、ヤミ・ハキザゲ、カゲ・ポールヘッデッドサンドイッチ。彼らはこの学校を作ったが、20年後に全員自殺した」
スクリーンには遺書が映し出された。
「私たちが抱える能力の代償は高すぎる。喜びの仮面の下で溺れる絶望。私たちは20年戦ったが、救えなかった。私たちは壊れた。……許してくれ」
「これがこの学校の歴史だ!」ハンサムが叫ぶ。「自殺と隠蔽の上に成り立つ、腐った聖域だ!」
その時、会場の隅でオワリが泣き崩れた。彼女の兄・ヘイターが、冷酷な言葉を投げつける。「……泣くな、慈善事業で養われている哀れな人形が。お前はただの、壊れた悪魔の模造品だ」
オワリの泣き声が響く中、リユラのスマホが震えた。ヤカミラからのメッセージ。
『……1876年の founders(創設者)は自殺じゃない。もっと恐ろしい何かがあった。ハンサムはまだそれを知らない。真実を暴け。それはハンサムが考えているより、遥かに悪いものだ』
エピローグ:人間であることを選ぶ
夜。アクマはジミコに尋ねた。「どうすれば、人間であることを思い出せる?」
「毎日僕たちが思い出させるよ。君が刻印を定義するんじゃない、僕たちが君を定義するんだ」
リユラのもとに、アクマから短いメッセージが届いた。『……僕はまだエージェントだ。学校を破壊する任務は続いている。でも、正直に調査する。それが僕にできる唯一の償いだ』
リユラは微笑んだ。「十分だ。……それが始まりだ」
エージェントのうち2人が事実上の離反。あと3人。そしてハンサムの期限まで、あと4日。
ヤカミラの警告が、リユラの心に暗い影を落とす。「自殺」の裏に隠された「真実」とは何か。
[ナレーター:悪魔の子は、人間性が選択であることを学んだ。創設者の絶望が明かされ、オワリの心は砕かれた。ハンサムの手は、リユラの蝶ネクタイを操るように、すべてを支配しようとしている。次回:グローブ・イーターの狂気が暴走する。シューヘッドとソクシクは「悪夢の鏡」と対峙する。そしてヘダヤミが、シコ家の血筋とコメディの秘密を語る。歴史が血を流し始める。この学校の真の崩壊が、幕を開ける。]
TO BE CONTINUED...




