第37話 - 死を望む俳優
第4巻 - 第1話 - [閲覧注意: MA17+]
[ナレーター:喝采のために演じる者がいる。自分自身から逃げるために演じる者がいる。そして、手遅れになるまで誰も内側で死にかけていることに気づかないほど、見事に演じきる者がいる。ジョウユウ・カナシイに会おう。才能ある俳優であり、転校生であり、自分への死の脅迫を朝の誓いのように読み上げる学生だ。今日、彼はジェレミー高校にやってくる。今日、リユラ・シコは――今も悲しみ、今も壊れ、自分以外の全員を救おうと必死な彼が――その虚ろな瞳に、ある既視感を覚える。今日、介入は始まる前に失敗する。第4巻へようこそ。最終章へようこそ。生存そのものが最も過酷な演技となる戦いへようこそ。]
第一部:リユラが息をするのを忘れた朝
春学期。3年生の初日。ジェレミー高校の桜が早くも咲き誇っていた。花びらは雪のように舞い、美しく、どこか憂鬱だ。自然界そのものが、何も感じていないのに希望を演じているかのようだった。
リユラ・シコは門の前に立ち、兄がかつて歩いた場所、父の罪が暴かれた場所を見つめていた。すべてが終わった場所であり、何らかの形で再び始めなければならない場所。
ヤカミラが死んでから2ヶ月。悲しみと、癒やしは直線的ではないという学習の2ヶ月。歩けない時は友人が運び、立てない時は抱きかかえ、生きることが不可能に思える時はただ隣にいてくれた2ヶ月。
今の彼の見た目は変わっていた。紫色の髪は今も乱れているが、それは意図的なものだ。黄色の星のヘアクリップはあるが、位置は自然だ。赤い蝶ネクタイは消え、シンプルな黒いネクタイに変わっていた。役を演じるのではなく、自分自身であろうとしているかのように。
[リユラの独白:3年生。最終章。学生としてこの門をくぐるのも最後だ。ヤカミラがいれば……。ヤカミラは死んだ。僕は生きている。罪悪感が酸素より重く感じられて、息をするのを忘れる朝がある。]
「リユラ!」ミヤカの声が彼を現実に引き戻す。スバラシイと二人で近づいてきた。彼らはリユラを読み取る術を身につけていた。沈黙が悲しみなのか、ただの思索なのかを。
彼らは仲間として門をくぐる。腐敗したネットワークや殺人未遂、積み重なったトラウマを生き抜いたグループ。壊れ、癒やされている最中だが、生きている。
始業式は平凡だった。ジェレミー校長が「前学期の不幸な出来事」を外交的で曖昧な言葉で言及し、真実を知る者は気まずい視線を交わした。
「今学期から転校生が数名加わります。ジェレミー高校の……ユニークな環境に馴染めるよう、温かく迎え入れてください」
最初の転校生。長身で細身。特徴的な顔立ちにかかる黒髪。俳優のような完璧さで制服を着こなしている。
「ジョウユウ・カナシイ」校長が告げた。「大阪の芸術アカデミーからの転校だ」
ジョウユウは流麗な足取りでステージへ上がった。プロのような温かい笑顔。正確な丁寧さでの礼。「歓迎してくれてありがとう。皆さんと学べることを楽しみにしています」
声は完璧だ。感情を自在に操れる声。だが、その瞳――リユラは即座に気づいた――瞳が、完全に死んでいる。
悲しみでもなく、疲れでもない。死んでいるのだ。命を演じながら、本質的にはそこに存在していない者の瞳。
[リユラの独白:あの目を知っている。鏡の中で見た。和解前のヤカミラ。父が死んだ後の僕の瞳。もう決断してしまった者の目だ。]
始業式が終わり、ジョウユウが人混みに消えるのをリユラは見た。その動きはまるで振り付けられたダンスのようだった。
「見たか?」ジミコが隣に現れた。「新しい転校生。瞳」
「見たよ」リユラが言った。「気づいたか?」
「死んでいる」ジミコが断言した。「もういないんだ。ただ、動くのをやめるのを忘れているだけだ」
第二部:すべてが沈黙の中で語られた昼食
昼食時。リユラは食堂の隅で、機械的な精密さで食事をしながらスマホを見つめるジョウユウを見つけた。表情は一切変わらない。プロフェッショナルで、死んでいる。
リユラは深く考えずに近づいた。「座ってもいいかな?」
ジョウユウが見上げた。死んだ瞳にほんの一瞬、驚きか苛立ちのようなものが揺れたが、すぐプロの笑顔に戻った。「もちろん。リユラ・シコだね? 君のことは聞いているよ」
「いい話だといいんだけど」リユラが軽さを装って言った。空回りする。
「いや、いい話をたくさん聞いたよ」ジョウユウが答えた。その役者の声は、瞳にまでは届かない温もりを帯びている。「腐敗を暴いた生徒。家族の悲劇を生き抜いた生徒。自分の痛みを抱えながら全員を助ける生徒。君はここでは有名人だ」
「『有名』というより『皆が僕のトラウマを知っている』だろ」リユラが座った。「紫の髪、死んだ兄弟、殺された父、今のセラピーでは足りない僕だよ。君は?」
ジョウユウの笑顔は揺らがない。「転校生。俳優。新しい学校でリスタートしたいだけ。何も面白くないよ」
「なぜ転校を?」リユラが優しく問い詰める。「大阪のアカデミーは名門だろう。なぜジェレミー高校に?」
ジョウユウの顔に暗い影がよぎったが、すぐプロの平穏さで覆い隠された。「個人的な理由さ。環境を変えるのがいいと家族が考えてね」
「君にとっていいのか、彼らにとっていいのか」リユラが押した。
「それが重要かな?」ジョウユウの声は快適なままだ。「ベストを尽くすだけさ」
ジョウユウがスマホに戻り、リユラは彼が隠す前に画面を垣間見た。SNSだ。何百もの通知。一瞬見えた言葉。「価値がない」「最悪」「〜すべき」。789件の未読メッセージ。Compose(冷静)な顔の裏で、ジョウユウの手がわずかに震えていた。
「ジョウユウ」リユラは静かに言った。「話したいなら。何でも。演劇、学校、家族、ネットでの嫌がらせ、消えてしまいたいと思う気持ち――僕はここにいるよ。判断もしない。演技もいらない。ただ……僕はここにいる」
ジョウユウの死んだ瞳がリユラの星型の瞳と合った。そして一瞬――壊滅的な一瞬だけ――仮面が割れた。リユラには痛みが見えた。絶望が見えた。
だが、すぐ仮面が戻った。「ありがとう。親切だね。でも大丈夫だよ。新しい環境に慣れようとしているだけさ」彼は立ち上がった。「早めに教室へ行くよ。道がまだわからなくて。会えてよかった、リユラ・シコ。友達になれるといいな」
言葉は完璧。演技は非の打ち所がない。だが感情は皆無だった。彼が歩き去るのを、リユラは食卓で一人眺めていた。ゆっくりとした自殺を遂げようとしながら、道順を尋ねている者を見送ったような気分だった。
ミヤカが現れた。「ひどいありさまだね」
「彼は死にかけている」リユラが平坦に言った。「物理的にはまだだ。でも内面で死にかけている。誰も気づかない。演技がうますぎるからだ」
第三部:真実が住んでいた教室
放課後。2階のあまり人気のない教室から、静かな泣き声が聞こえた。必死に音を消そうとしながら泣く、壊れたような小さな声。
リユラは慎重にドアを押し開けた。「ハロー? 大丈夫?」
泣き声は止んだ。カーテンが開く。ジョウユウが現れた。顔は完璧に整っている。目はわずかに赤いが、何も隠しきれてはいない。
「リユラ」プロの笑顔。完璧な声。死んだ瞳。「ごめん、ただ……アレルギーなんだ。春の花粉でね」
「アレルギーでそんなに必死にスマホをチェックしないよ」リユラが、ジョウユウが握りしめるスマホを指差した。画面にはあのSNSのアプリ。何百もの通知。
ジョウユウの笑顔が引きつった。「行くよ。僕は――」
「見せてくれ」リユラが遮った。「何と言われているか」
「イヤだ」
「ジョウユウ――」
「NOと言っただろ!」怒りと絶望と恥辱が混ざった、初めての感情。「見せる必要はない! 誰にも見せられない。僕の重荷だ。僕の失敗だ。僕の――」
彼は仮面を落としたことに気づき、必死に拾い上げようとした。「ごめん、不適切だった。ストレスなんだ。新しい学校。大丈夫、本当に」
だが今や、彼の手は激しく震えていた。スマホが床に落ち、画面が光った。リユラはそれを見た。何百もの悪意あるコメント。
「史上最低の俳優」「早くやめれば?」「皆のために自殺しろよ」「才能のない愚か者」「君がいない方が世界は良くなる」「存在自体が恥」「死ね」
リユラはスマホを拾い、読んだ。吐き気がした。「ジョウユウ。これは……拷問だ。標的型嫌がらせだ。通報しろ。ブロックして。こんなの読む必要はない」
「関係ない」ジョウユウの声が、ついに完全に割れた。「ブロックしても無駄だ。次々と新しいアカウントを作られる。……たぶん、彼らが正しいんだ。僕は価値がない。僕は――」
彼は教室の壁を滑り落ち、床に座り込んだ。「死に方すらわからない。死ねば、彼らの勝ちだから。認めさせたくない。でも、このまま生きることもできない。メッセージを読むのも、平気なふりをするのも、生きているふりをするのも、もう限界なんだ」
リユラは彼の隣に座った。触れもしない。ただそこにいた。証人として。
「僕も誰かを助けようとしたことがある」リユラは静かに言った。「兄弟のヤカミラだ。何年も壁を築いていた彼と、ついに本物の兄弟になれた。その直後、彼は父のナイフから僕を守って死んだ」
彼はジョウユウを見た。「だから、努力が報われない気分はわかる。助けるのが無意味に思える気分も。でも、なぜここにいるか? 君は助けなんて望んでいないかもしれない。でも、君には証人が必要だ。溺れていることに気づく誰かが必要なんだ」
リユラは立ち上がり、手を差し出した。「僕が君を直すことはできない。誰も他人を直すことはできない。でも、僕はここにいられる。君が突き放しても、何度でも現れる。僕がそうしてもらったようにね」
ジョウユウはその手を見つめた。
彼はその手を取らなかった。だが、拒絶もしなかった。
「時間が欲しい」ジョウユウが囁いた。「自分が救われたいのか、生き続けたいのか、それさえわからないんだ」
「いいよ」リユラは言った。「ゆっくり考えて。僕はここにいる。僕が去るか、君が助けを受け入れるまで」
エピローグ:すべてを見ていた影
ジェレミー高校の屋上。一人の人物が夕日を見つめていた。
ジサツ・バラ(死の薔薇)。白い髪。死の美学のような服。死んだ瞳で、リユラが救おうとして失敗した建物を追っている。
「興味深い」ジサツは独りごちた。「生き残りが、溺れる人間を救おうとしている。高潔で、無意味で、悲劇的だ」
彼は自分のスマホを取り出した。ヤカミラの何年も前の写真。「お前は彼を守って死んだ。生き残った弟のために。その弟が今、他人を救おうとしている。センチメンタルだな」
影が彼の指に巻きつく。「彼が新しい友人を一人ずつ壊していく時、その希望がどれほど持つか見ものだ。彼に、死を望みながら生きる呪いを味わわせてやる」
彼は微笑んだ――邪悪で、残酷で、自己嫌悪の奥深くに埋もれた親切な心を隠して。
「3学期へようこそ、リユラ・シコ。お前の破滅へようこそ。救えない人間もいることを思い知れ」
影が光を飲み込んだ。47回死に損なったティーンエイジャーは、リユラの破滅を計画し始めた。
第4巻が始まった。ジェレミー高校の戦いが。
[ナレーター:終わりが始まる。リユラは壊れながらも助けようとし、ジョウユウは嫌がらせと自己嫌悪に溺れ、ジサツは影から破滅を画策する。全員が死を望みながら生を演じている。第4巻は痛みを伴うだろう。諦めるか、しがみつくか。死か、生か。次回:パン・キッサーが登場する。悲しみの味がするパン。そしてジョウユウへの介入は失敗し続ける。読者諸君、ついてきてくれ。最も過酷な部分は始まったばかりだ。しかし、癒やしへの道もまた。いずれは。]
TO BE CONTINUED...




