表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/32

第22話 力と高さ

試合を終え、特にやることがなくなった斎藤道二は、とある試合会場へと足を運んでいた。


そう、高坂農林水産高校の初戦を観に行くためである。


(たしか、アイツ(高山)の初戦の相手は剋谷高校だったよな……)


身長234cmの巨人で、斎藤とは中学愛知県選抜でともに戦った男、高山(たかやま)(いただき)


初戦は軽く突破するだろうと、斎藤は考えていた。


そう、剋谷高校との試合が決まるまでは


初戦の相手が剋谷高校だとわかった時点で、斎藤は思った。


高山にとっては分の悪い戦いになると


そしてその予想は的中する。


ーーーー


ドオォォォン


斎藤が会場に到着した時には、既に試合が始まっていた。そして、ある男が床に仰向けになって倒れていた。先程の音は、ある男の倒れた音である。


(あれは高山か……こうなるとはわかっていたが……)


高坂16−20剋谷


高山は立ち上がり、相手コートを一瞥した。正確には、高山を倒した男を一瞥したのである。


その男の名は


熊力(くまぢから)山雄(やまお)


彼の特長を一言で表現するならば、『筋肉の塊』である。


ズドォォォン


高坂17−20剋谷


高山のスパイクが決まる。いくら『筋肉の塊』と言えども、高山の高度4mから放たれるスパイクには触れることはできないようだ。


ドガァァァン


高坂17−21剋谷


熊力が高山のブロックをぶち破る。


今まで、その高さから圧倒的存在感を発揮し、マウンテンブロッカーとも称され、スパイクをためらわせてきた(高山)にとって、ブロックをぶち破られるということは、屈辱であった。


今まで、そのパワーから圧倒的存在感をし、ベアーパワーとも称され、ブロックをためらわせてきた(熊力)にとって、一歩も引かずに勝負してきた男は、高山が初めてだった。


そして、圧倒的な高さもしくは力を武器に、アタックとブロックを行って場を制圧してきたがために、アタックしか決まらない両者は、互いをこう思うようになった。


好敵手(ライバル)だと


それをチームメイトもわかってか、トスを2人にしか上げないようになっていた。


高さと力の真っ向勝負。しかし、高坂農林水産高校にはこの状況は致命的であった。


なぜなら、高山の後ろには決してボールが飛ばないという考えが染み付いていたからだ。


剋谷高校にとっては、特に問題はなかった。


なぜなら、熊力の後ろにボールが飛ぶという考えがあったからだ。


『熊力の上は越されることがある』という考えを剋谷高校は持っていたからだ。


それはまさに、経験の差であった。


高山の後ろにボールが飛んだことがない高坂と、熊力の後ろにボールが飛ぶことがある剋谷の、決定的な差であった。


故に、剋谷は高山のスパイクを何本か拾い、熊力のスパイクに繋げ、それが点差となって現れている。


逆に、高山の後ろにボールが飛んだことがない高坂は、熊力の高山をぶち抜くスパイクを、拾えないでいた。


ーーーー


第1セット


高坂21−25剋谷


第1セットは、剋谷の勝利であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ