第23話 高山頂という男
高山頂は、幼い頃からひときわ目立っていた。
周囲の人間よりもかなり身長が高く、顔ではなく頭で人を判別していたという逸話もあるくらい、とにかくでかかった。
そのため、高山はスポーツに興味が無かった。いつもその身長で他者を圧倒してしまうので、退屈だったからだ。
そんな彼がバレーボールを始めたのは、小学校3年生の頃だった。理由は簡単
自分の可能性を試してみたくなったから
なので、自分の可能性を最も発揮できるスポーツをしたいと思った。では、どのスポーツかと考えてみたときに、バレーボールが思いついた。
でかいやつが特に有利だから
地元のバレーボールクラブに加入した高山は、1ヶ月でレギュラーを掴み取った。相手ブロッカーの上からボールを放り込んでやるだけで、点が簡単に取れてしまう。そのため、技術はほとんど無いにも関わらず、チームの得点の半分を毎セット稼いでいたのである。
バレーボールを始めて半年程経つと、チーム内はおろか市内で高山を止められる者はいなくなってしまった。制空権を手中に収めるということは、バレーボールでは試合を支配したも同然のことである。
決して上を越されないブロック、決してブロックされないアタックを持つ高山は、何度か全国大会を経験することができた。というのも、高山を避け、高山以外の者と勝負すれば勝てると考えたチームが後を絶たず、高山としては納得のいかない敗北が何度かあり、全国大会の遠さを感じていた。
中学生になる頃には、彼は有名人であった。彼の入学した公立中学校では、即スタメンに抜擢され、早速チームを全国大会に導いたのである。
また、斎藤道二とは何度か対戦し、数々の名勝負を繰り広げている。
ただ、斎藤道二は全国大会へは行けなかった。いつもなぜか負けてしまっていたのである。
中学校3年生のときに愛知県選抜に選ばれ、斎藤と共闘したときの無双っぷりは、愛知県ではかなり有名である。
高校生になってからも、その身長は圧倒的だった。越されないし防がれないため、制空権を支配していた。
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そして現在、高山は制空権を支配できないでいた。
熊力山雄という『力』の権化とも言える存在がおり、ブロックを突破されてしまうためだ。
そして高山は感じていた。
『身長』の限界、自分の可能性の果てを




