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優勝と生徒VS先生

サバイバルで闇組織ノルダンに待ち伏せされ、襲われた大成だったが、返り討ちした。

そして、大成はノルダンのリーダーダビルドと契約した。

契約の内容は、大成の下で働くということだった。

【クラスマッチ・創られし森・中央】


大成は魔力感知を使い、急いで競技のサバイバルに戻った。

だが、大成が着いた頃には、クラスメイトが大方他のクラスの選手を倒していた。



「くっ、援護頼む!ぐぁっ!」

「な、なぜ、落ちこぼれのはずのお前達が、こんなに強くなっているんだ?」

他クラスの選手は、マルチスに顔の位置に木の短剣を突きつけられた。



マルチスの周りには、他クラスの選手が3人気絶して倒れていた。

そして、倒れている3人は体が光り受付会場へと強制転送された。

気絶、降参で転送されてもダメージはそのままなので、保健室へと搬送された。



「師匠のおかげさ、あの人の言う通りに鍛練をしたら、強くなっていくのが実感できるぜ。それに、俺には更にルネルちゃんとの愛の力もある」

「師匠だと?まさか、あの人間か?」

「そうだ!」

「ま、まさか、あの噂は本当だったのか!?」

噂とは、大成がイシリアとマーケンスに勝ったことや、クラスメイトに練習方法を教え、皆が見違えるほど強くなったことなどだった。


「そうだ!それより、どうするんだ?」

「くっ…降参する」

短剣を突きつけられている選手は降参を宣言し、体が光だして転送された。


「ルネルちゃん見ているかい?俺達の愛の力が勝ったぜ!」

マルチスは、宙に浮いている偵察型水晶に向けて投げキッスを連発する。




【会場】


水晶を通して、マルチスの行動が見える会場は笑いの渦が巻き起こっていた。

「アハハハ…。あいつ馬鹿で面白いな!」

「確かに!それでいて、強い!」


そんな中、ただ1人だけ写し出されたマルチスをゴミを見るような目で睨んでいるルネルは小さな声で…。

「気持ち悪いわ…」

「……。」

ルネルと一緒にサバイバルを見ていたジャンヌ達は、ルネルの声が聞こえて苦笑いしかできずにいた。




【創られし森・中央付近】


大成は、魔力・気配・足音を消して木から木へと跳び移りながら移動し、自分に気が付いてない他クラスの選手の死角から近寄り、首筋に手刀をして次々に倒していく。


(ん?あれはマルチスか?何してんだ?)

大成は、マルチスの不可解な行動に首を傾げて傍に降り立った。


「何している?マルチス」

「うぉ!ゴッホゴッホ…」

何も気付かなかったマルチスは、大成に突然に声を掛けられ驚いて過呼吸になった。


「し、師匠…驚かさないで下さいよ。ハァハァ…。えっとですね。今さっきのは、行動は愛の力で倒したのでルネルちゃんに向かって投げキッスをしていたんですよ」

胸を張り、堂々とマーケンスは説明した。


「な、なるほど…」

(聞いた僕が馬鹿だった…)

呆れた顔になった大成。


「早く終わらして、さっさと優勝するぞ。マルチス」

「はい!し、師匠、危ない!」

賛同したマルチスだったが、大成の背後から狙ったアイス・ミサイルが3発と木の大剣を振りかぶり襲ってきた選手がいた。



「問題ない」

大成は、振り向きもせず身体を横に向け、アイス・ミサイルを回避し、そして、後ろに一歩下がり、裏拳を繰り出した。


「なっ!?がっ!」

裏拳は大剣をへし折り、選手の顎に決まった。

大成は、裏拳をわざと振り切らずに当てただけだが、選手は顎に当たって軽い脳震盪を起こし、糸が切れた人形のようにその場に倒れた。


「エア・インパクト」

続けて大成は、風魔法エア・インパクトを唱え発動した。

大成の掌に、大きさ直径3㎝ぐらいの空気を圧縮したボールを作り出し放った。


「な、何だ?」

空気なので、ただでさえ見えにくく、しかも小さかったので、アイス・ミサイルを放った選手は、当たる直前まで気付かず直撃した。

当たった瞬間、空気を圧縮した小さなボールは破裂し、暴風を巻き起こした。


「うぁぁ」

エア・インパクトの暴風を受けて吹っ飛び、木で背中を打ち気絶した。




大成は、何事も無かったような様子でマルチスに話しかけた。

「さてと、早く終わらせるぞ」


(さ、流石、師匠だ。恐ろしい…)

エア・インパクトを即、唱え発動したほど圧縮時間が短いのに、あれほどの威力を出すことや裏拳をもし振り抜ていたらと思ったマルチスは、背筋がゾッと凍った。


「聞いているか?マルチス」

「は、はい!了解です!師匠」

慌てて返事をするマルチス。



こうして、次々に選手を倒し、競技サバイバルは終わりを告げた。


結局、大成のクラス2組、チーム・イーターは10人全員が生き残り、他のクラスは全滅。


この瞬間アナウンスが響いた。

「これで、2組チーム・イーター以外のクラスメイトが居なくなりましたので、順位変動がなくなり、この時点で順位が決まりました。1位はマミューラ先生が率いる2組チーム・イーター!優勝おめでとう!そして、2位はランドニー先生が率いる1組の朱雀連合!3位はマイク先生が率いる5組ブラック・ジャスティスです。あと最後にイベントがありますので、後でお知らせします」

この日、優勝した2組担任のマミューラの評価が上がった。




【ラーバス学園・学園長室】


「ランドニー先生。何度も言うが、ミスは誰にでもある。しかし、今回みたいに水晶玉を使った転移ミスは、場所が悪ければ命に関わる可能性が高い。それを忘れずに… 」

ランドニーは、水晶のことで学園長に注意され、競技を見れずにいた。


そして、学園長から解放されたランドニーは、学園長室を退出し、廊下の窓から様子を窺う。

そこには、大成は無事に会場に戻り、ジャンヌ達と何か会話をしている姿が見えた。


「どういうことだ!?アイツら失敗しやがったのか?レゾナンス」

ランドニーは、怒りで身体を震わしながら精神干渉魔法レゾナンスを唱え発動して、ダビルドに連絡を取る。


「おい!ターゲット生きているぞ!どういうことだ!?」

「すまないが、今回の任務は放棄させて貰う」

ダビルドは、申し訳なさそうな声で答えた。


「はぁ?どういうことだ?詳しく説明をしろ!」

訳がわからず、ランドニーは怪訝な表情で理由を聞く。


「言った通りだ。すまないが、俺達はこの件から手を退く。契約内容を思い出せ。魔王修羅とは事を構えないとの約束だっただろう?」

ランドニーが完全に忘れていると思い、ダビルドは説明をした。


「おい!たかが、魔王1人に怯えるな!それでも、闇組織か!このヘタレ集団が!」

「貴様から、そこまで言われる筋合いはない。そんなに始末したければ、最後のイベントがあるだろう?教師と生徒でタイマンで闘うイベントが、その時に力加減をミスをしたとかで、己の手で始末すれば良かろう?」

ダビルドは断り、他の案を提案した。


「チッ、くっそ!どいつもこいつも、使えない奴らばかりだ!」

悪態をついて、ランドニーはレゾナンスを解除した。




【待機室】


大成達は、競技が終わり無事に待機室に戻った。

大成は、教室に戻るつもりだったが、マミューラが「創られし森」で何があったのかを聞きたいということで、待機室に向かったのだった。


「やはり、主犯はランドニーか…」

壁に背中を預けたマミューラは、手を顎に当たまま考え込む。


「あの、先生。僕の心配をしていたのでは?」

(あれ?大丈夫だったかの一言は?)

心配していたと思った大成は、ちょっと期待していたのだが…。


「そんなわけあるか、心配する必要ないだろう?」

「ですよね…」

「あと、この件は私が学園長に伝えて良いか?」

「お願いします」

マミューラは後ろを向き、片手を挙げて手を振りながら立ち去った。



大成は待機室から出ると、ジャンヌ達が笑顔で迎えてくれた。

「お疲れ様、大成!」

「お疲れ様です、大成さん」

「お疲れ様~ダーリン」

「お疲れ様、大成君」

「お疲れ様です、大和君」

「何とか無事に終わったよ」

笑顔で大成は答えた。



そんな時、マーケンスとマルチスがやって来た。

「ルネルちゃ~ん!俺、ルネルちゃんのために頑張って、活躍したから結婚してくれ!」

ルネルに笑顔で飛びつくマルチス。


「……。」

ルネルは静かに、そして、素早く腰にかけた木の剣を抜刀した。

大成が教えた抜刀術が、見事にマルチスの鼻に炸裂した。


「ぎゃ~っ。い、痛いっ」

その場で、涙目で倒れ転がるマルチス。

そんなマルチスを、ルネルは虫けらを見るような目で見ていた。


「アハハハ…」

マルチスの自業自得なので、大成達は心配せずに苦笑いした。



「お疲れ様、大和。おそらくだが、お前とマルチスは、先公と闘えるぞ」

マーケンスは、マルチスを見て溜め息をしながら大成に報告をした。


「何だ、それ?」

首を傾げる大成。


「そういえば、言ってなかったわね。クラスマッチで活躍した各クラスの優秀な生徒は先生を指名したり、先生から指名されたりして、先生と闘えるのよ」

ジャンヌは、人差し指を立て左右に動かしながら説明をした。


「へぇ~」

話を聞いた大成は、表情に影が射し込み悪巧みな表情を浮かべた。


「た、大成さん…。何か、悪巧みを考えていませんか?」

「ん?ウルミラ。よく、わかったね」

「いえ、皆さんもわかったと思いますよ」

大成が周りを見渡すと、皆は頷いた。


「まぁ、お楽しみということで」

「い、いったい、何をするんだ大和!?」

「さぁね」

マーケンスは気になったが、大成ははぐらかした。



そんな時に、アナウンスが流れた。

「今回、活躍されました優秀な生徒は、担任の先生から先生と闘えるバトル・チケットが貰えます。優勝したクラス2組チーム・イーターは男女2人ずつ、他のクラスは男女1名ずつで、計18名です。一時間後に学園のリングに集まって下さい」

大成達はマキネと別れ、教室に戻ることにした。




【教室】


2組の教室は、優勝して盛り上がっていた。


「「優勝おめでとう!」」

「大和君のお陰で、私達、皆、大活躍できたよ。ありがとう」

「「そうね」」

「「そうだな」」

皆は、笑顔で大成に感謝し頷いた。



マーケンスは大成の傍へ行き、片手を大成の肩に置いた。

「それよりも、ルネルとマルチスはマミューラ先生と戦うと思うけど、大和はどの先公と戦う予定だ?」

「確かに気になるよね」

「だな」

皆は、大成がどの教師と闘うか気になっていた。



「へぇ~。ルネルとマルチスは、マミューラ先生を指名するんだ」

「マミューラ先生は、接近戦のエキスパートだからね。闘って少しでも、実のある経験を積みたいから。でも、毎年勝負して全敗中…」

大成から理由を聞かれたので、ルネルは苦笑いしながら答えた。

マルチスは何度も頷いていた。


「あのさ、2つ気になったことがあるんだけど」

「答えれる質問なら答えるわよ。大成君」


「ありがとう、イシリア。じゃあ、お言葉に甘えて。1つ目は、何でこのクラスが落ちこぼれと言われているのかと。2つ目は、なぜマミューラ先生は、学園最強と言われているんだ?」

前から気になっていたので、大成は尋ねた。


「落ちこぼれと言われているのは、この学園は希望した教室を選び、成績がよければ、そこのクラスに入れるの。まぁ、落ちても成績良ければ空いたクラスに入れるわ。もちろん、嫌だったら拒否も可能よ。マミューラ先生は、やる気がないでしょう。だから、殆ど誰も自ら希望して入らないから…言いにくいのだけれど、成績が低い人が自然と集まるのよ」

イシリアは、気まずそうに説明をした。


イシリアを見て、ジャンヌは代わりに続きの説明をする。

「マミューラ先生が学園最強と言われるのは、今回みたいに先生と闘える時に、全員がマミューラ先生を指名した時があったの。理由は、先生に勝てば評価があがると思ったそうよ。そこで、やる気のないマミューラ先生は、実力も大したことがないとと思い指名したのよ。そして、指名されたマミューラ先生は、面倒だから生徒全員に纏めて掛かってこいと言って、魔力を使用しないで全員を倒したことで最強と言われているわ。それが、きっかけに今では恒例行事になっているわ」


「凄いなマミューラ先生」

大成は、闘ってみたいなと思い、自然と笑みがこぼれた。

そんな、大成を見たジャンヌ達は、溜め息をしたが2人の戦いを見てみたいと思った。



「で、大成は、どの先公と闘う予定だ?やはり、マミューラ先生か?」

先程から気になっているマーケンス。


「今の話を聞いたら、マミューラ先生と闘ってみたいけど。今回はランドニー先生と戦う予定だ」

残念そうに大成は言った。


「そうか…。俺は、大和とマミューラ先生の2人の戦いが見たかったな。だが、大和、油断するなよ。ああ見えて、ランドニー先生は魔力値7で属性も多数。堅実な戦略家で学園内では、ナンバー3と噂されているほど強いぜ。ちなみにナンバー2は学園長だ」

こういう話が好きなマーケンスは、熱く語った。



「なら、少しは楽しめそうか…」

小さな声で呟いた大成。


((期待しない方が…))

近くにいたジャンヌ、ウルミラ、イシリアは聞こえたので、心の中で意気投合した。



教室のドアが開き、マミューラが入ってきた。

なぜか、クラスマッチが終わっているのだが、今はやる気に満ち溢れていた。


「今回のバトル・チケットの獲得したのは、大和、ルネル、マルチス、ユニの4名だ」

マミューラは、それぞれにバトル・チケットを渡した。



「先生がやる気があるって、珍しいですね。やはり、優勝したから機嫌が良いのですか?」

マルチスは笑顔で尋ねた。


「ん?違うぞマルチス。今年は思い切っし、楽しめそうだからな」

好奇心満ち溢れている表情でマミューラは、大成を見て口元が笑った。


「「アハハハ…」」

クラスメイト達は、苦笑いしながら大成に同情した。


「でも、まぁ。そ、そのだな…。お前達のお陰で、私の評価も上がったからな。そ、その、か、感謝しているぞ」

頬を少し染めながら頭を掻き、そっぽ向いて感謝するマミューラ。

そんな、マミューラを見て、大成達は微笑んだ。



「おっと、そろそろ時間だな。外に行くぞ、お前達」

マミューラは、誤魔化すように指示し、教室から出て行った。

「「はい!」」

皆もリングに向かった。




【リング】


リングには、各教師達が立っていた。

選ばれた生徒はリングに上がり、他は興味ある者は、観客と一緒に観客席で静観した。


選ばれた生徒18名、教師30名が出揃った。



「全員、集まりましたね。いよいよクラスマッチ最後の大イベントです。優勝が決まり、最後は私、放送部のミクが仕切らさせて頂きます。では、皆さん。先生と生徒の闘い特とご覧あれ!」


「うぉぉぉ」

アナウンスが流れ、会場は盛り上がった。

生徒、教師はリングから降りた。



「では、まず優勝したマミューラ先生のクラス2組チームイーターから誰と闘いたいか指名して頂きましょう。なお、生徒、先生からの指名は、先ほどチケットに書いて頂き、お預かりしてます」


「僕から行って良いかな?」

大成は、アナウンスを聞いてルネル達に聞いた。


「「良いよ」」

「構いません師匠」

「ありがとう。さっさと終わらしてくる」

ルネル達は頷き賛同し、大成は感謝して、両手に木のナイフを持って、リングの中央へと向かった。


大成の言葉を聞いたルネル達は、苦笑いを浮かべた。



「おっ、ペア戦、サバイバルで活躍した今、話題の大和大成君が一番手だ~!。相手は何と!ランドニー先生!しかも、ランドニー先生も大和君を指名していた~っ!これは、お互いに因縁でもあるのか~っ!」

アナウンスを聞き、さらに盛り上がった。



大成とランドニーの両者は、リングの中央に着き睨みあった。


「へぇ~、意外だったな。てっきり影でコソコソするだけの臆病者だと思っていた」

「チッ、口の聞き方がなってないな小僧。私は臆病ではない。ただ雑魚の血で、自分の手を汚したくはなかっただけだ」

ランドニーは、威圧感を出し殺気を放った。



「では、そろそろ始めましょうか!試合開始!」

「アイス・ミサイル」

アナウンスの試合開始の合図とともに、ランドニーは身体強化し離れながら、氷魔法アイス・ミサイルを唱え発動した。


ランドニーの周囲に氷の矢が22本宙に浮いている。

「ハハハ、見て驚いたか?普通の奴だと、せいぜい10~15本が限界だが、私は22本だ。凄いだろ、驚いただろ?ハハハ…」

ランドニーは勝利を確信しており、手で顔を覆い盛大に笑いながら自慢した。


「それが、どうした?それを見てわかった。やはり、お前は3流だな」

期待していた大成は、やれやれといった感じでやる気が失せた。


「フン、口だけは達者だな。では、死ね!」

ランドニーは、大成の態度に苛立ちを覚えたが、冷静に狙いを定めて氷の矢を放った。


22本の氷の矢は、大成に襲いかかる。


大成は、未だ開始の位置から動かず、しかも、構えてもおらず身体強化もしていなかった。


襲いかかる氷の矢を、大成は首を傾け避けたり、両手に持っている木のナイフで弾いたり、叩き落としたりして、その場から一歩も動かずやり過ごした。



「な、なんだと…。ば、馬鹿な。こんなことが…」

ランドニーは、信じられないという表情で大成を見た。


大成が魔王修羅と知っているジャンヌ達以外、観客も教師も皆は驚愕し、どよめきが起きた。


「なぜ、俺を襲わした?」

「ふ、フン、魔力値が低い奴、身分が低い奴が私より強いだと?そんなの許せるはずがなかろう。低い奴は低いままでいろ!」

驚きから怒りに変わったランドニー。



「なるほどな。あと、今さっきの悪かった点を教えてやる。数に意識し過ぎて、一つ一つに魔力が通ってない。その証拠に、落ちた氷の矢を見てみろよ。砕けて脆いだろう。それに矢のスピードも遅い。お前の才能だと16本が限界だ。そのことに、気付かず使用すること自体が3流の証だ。何か間違っているか?3流のランドニー先生?」

大成は、観客に聞こえるように大きな声で貶した。


「お、おのれ~っ!落ちこぼれ風情が、貴族の中の上位貴族の私に楯突くとは許さん。死ねぇ!アース・ショット」

ランドニーは怒りで顔を真っ赤にし、今度は土魔法アース・ショットを唱え発動し、土の塊20発が大成に向けて放った。


大成は1本のナイフを投擲し、土の塊に当てた。

そして、ナイフに当たった土の塊が軌道を変え、別の土の塊に当たり軌道を変え、軌道を変えたナイフも同じように続けて軌道を変え連鎖していく。


連鎖したことで、大成は一度だけ体を傾けただけで、全てをやり過ごした。


再び、会場はどよめき出した。


「ど、どうなっているのだ?き、貴様は何なんだ。な、何者だ~っ!?」

得たいの知れない大成の実力に、ランドニーは恐怖し取り乱した。


大成がダッシュし接近してきているが、ランドニーは恐怖で体が動かせずにいた。



「エ、エ、エア・カッ…」

ランドニーは、風魔法エア・カッターを唱えようとしたが、その時には、もう間近まで大成が接近していた。


「寝ろ」

大成は、ランドニーの顔を鷲掴みして勢いよく後頭部を地面に叩きつけた。


「がはっ」

ランドニーは、白目を向き気絶した。



「最後に、お前は魔法に頼り過ぎている。相手が接近してきたのなら、武器もしくは武術で応戦できる様に備えろよ3流。ってか、もう、聞こえてないか…」

最後に溜め息をした大成は、つまらなかったという感じの態度をとり、リングから降りようとした。



会場は、皆呆然となり静寂が訪れていた。


少し間を置いて、ミクのアナウンスが会場に響く。

「しょ、勝者、大和大成!」


「おいおい、ランドニー先生相手に魔法どころか身体強化すら使ってなかったぞ…」

「す、すげぇ~!」

「もしかして、体術だけなら修羅様を越えているかも知れねぇぞ」

「そうだな!」

「いい試合だったぞ」

会場は拍手と喝采が響き、盛り上がった。


ジャンヌ、ウルミラ、イシリア以外のクラスメイト達も、驚きを隠せないでいた。


ランドニーに勝つとは思っていたが、流石に魔法や身体強化なしで、何の苦もなく簡単にランドニーを倒すとは予想できなかった。


「大和に魔力さえあれば、魔王修羅様にも勝てるかもしれないな…」

マーケンスが呟き、クラスの皆は頷き肯定した。

次回、大成VSマミューラでクラスマッチが終わります。


予定より話が進まなく、大変申し訳ありません。

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