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サバイバルと契約

大成の作戦で、競技バルーンは優勝と2位を独占したジャンヌ達。

次は、いよいよ問題の競技サバイバルが始まる。

【ラーバス学園付近・林】


会場から離れた林に、包帯を巻いたドトールとミシナと他に黒装束の格好をしている30人が集まっていた。


「お前達、酷い目に会ったみたいだな。ククク…」

ドトールとミシナの格好を見て、黒装束のモルスは嘲笑う。


「チッ、ああ…。予期せぬ人物、魔王修羅が現れてな。お前達も気を付けた方が良い。モルス」

ドトールは、舌打ちしながら状況の説明をした。


ドトールとミシナは、大成のファイヤー・エンペラ・ジャッジメント・ソードで氷塊が蒸気爆発した時、ドトールは氷魔法アイス・アーマー、ミシナは風魔法エア・アーマーで身を守ったが大火傷の重症を負った。


魔法を唱えてなければ、即死していたと思わせられる威力だったので重症で済んで助かったとドトールとミシナは思っている。


あの後、ダビルドから精神干渉魔法レゾナンスで大丈夫かと聞かれたドトールとミシナは重症だと判明したので、今回の任務から外されそうになったがドトールとミシナは任務続行を懇願して任務続行になったのだ。



「ククク…お前達、腕が落ちたな。ヌルい依頼ばかりをこなしていたからじゃないのか?相手があの魔王修羅だとしても、たかが人間の子供だろ?」

「モルス、忠告だ。魔王修羅を人間の子供だからと思い、甘くみない方が良い。現に禁術を2発連続で放っている」

ドトールは、殺気は出していないが鋭い眼光でモルスを睨みつけながら忠告する。


「確かに、それは評価するが禁術を2発撃ってすぐに姿を眩ましたとお前達から聞いた。おそらくだが、魔力配分を考えずに魔力枯渇するようなペース配分もできない魔王なんぞ。恐るに足らん」

モルスは、小さく鼻で笑った。


「モルス!あんたねぇ、私達が…」

ミシナが言い返そうとした時、全員に精神干渉魔法レゾナンスが発動したのでミシナは黙った。


「皆、揃っているな。今回の指揮は、重症を負っても任務続行をしたいと言うドトールとミシナの執念を評価して任せることにした。異論はないか?」

皆、ダビルドの声が頭の中で響いた。


「お待ち下さい、ボス!なぜ、任務に失敗したドトールとミシナが指揮をとるのですか?」

モルスは、納得できないで反論する。


「あれは、ドトールとミシナが考えた作戦ではない。依頼主の作戦を、そのまま実行しただけだ。それに、魔王修羅が現れるという予想外の展開にもなった。だから、2人に落ち度がないと判断した。それでも納得できないか?モルスよ」

ダビルドが最後にモルスの名を呼んだ時、言葉に殺気が込められた様に黒装束達は感じて背筋に寒気がした。


「い、いえ、何も不服はありません。申し訳ありませんでした。ボス」

冷や汗をかきながらモルスは謝罪し、黒装束達も緊張が走る。


「そうか、わかってくれたなら良い。期待しているぞ、お前達。俺を失望させるなよ」

「「ハッ!」」

ドトール達は、一斉に返事をした。



「で、これから、どうするんだ隊長さんよ」

ドトールが指揮をとるのが気に入らないモルスは、嫌味たらしく聞く。

黒装束達は、ドトールに視線を向けた。


「フン、心配するな。既に作戦は考えてある」

「フフフ…大丈夫よ。私達2人で考えた作戦なのだから。貴方達も知っているでしょう?私達の作戦は、今まで失敗したことがないでしょう?ねぇ、モルス」

ドトールとミシナは、自信満々な面持ちで不敵に笑みを浮かべてモルスに視線を向ける。


「チッ。ああ、悔しいが確かにな」

ミシナの言う通りで、モルスは今まで自分や他の仲間が考えた作戦よりもドトールとミシナが考えた作戦の方が1番確実で成功率も高かったので舌打ちしながら認めざる得なかった。


「フッ、異論はなさそうだな。それでは、俺達が考えた作戦を話す…」

黒装束達は、ドトールとミシナの作戦を聞いた後にランドニーと待ち合わせの場所へと向かった。




【西会場】


大成とマキネは、サバイバルの受付がある西会場へと向かっていた時にバルーン競技を終えたジャンヌ達に遭遇した。


「優勝と準優勝おめでとう」

「おめでとう」

大成とマキネが、笑顔でジャンヌ達を祝の言葉を掛けた。


「「ありがとう」」

「「ありがとうございます」」

ジャンヌ、ウルミラ、ルネルは笑顔だったが、イシリアは少し不服そうな顔だった。


「今度は大成。あなたが頑張る番よ」

「頑張って下さい、大成さん」

「ダーリンなら確実に皆殺しにできるよ」

「流石に皆殺しは駄目よ。マキネ」

マキネの発言に、イシリアは呆れた。


そんな、マキネの言葉を聞いたルネルは、冗談だと思いクスクスと笑った。


「フフフ…。マキネさんって、明るくって楽しい人ですね」

「マキネで良いよ。ルネルさん」

「なら、私もルネルで構いません」

「うん、わかった。ルネル」

それから、雑談をしながら受付会場に着いた。



「では、そろそろ選手の皆様、くじを引いて下さい」

教師が箱を持って来て、生徒達は順番にくじを引いていく。


最後、大成の番がきた。

「……1番だ」

大成は、箱から取ったボールを前に出し皆に見えるようにした。


(最後に引いて1番って、罠くさいな…)

大成はジャンヌ達に視線を向けると、ジャンヌ達も深刻そうに頷いた。



「では、1番を引いた大和君から、この水晶玉に魔力を込めて下さい。込めると【創られし森】に転送されます。場所はランダムです。そして、皆の転送が終わると開始のブザーが鳴ります。ブザーが鳴りましたら競技開始です。それまでは、移動禁止にしてますのでご注意下さい。では、1番の大和君、前へ」

教師が説明を終えて、大成は呼ばれたので前へと出て水晶玉向かった。


水晶玉の前にはランドニーが座っており、うっすらと笑みを浮かばせいた。


大成は立ち止まったまま、ランドニーの目を見ていた。


「さっさとしろ!」

イカサマがバレると思ったランドニーは、キレ気味になって急がせる。


「まぁまぁ、ランドニー先生。落ち着いて下さい。ん?大和君、1つ尋ねるが何だ?その持っている袋は?」

教師のマイクは、ランドニーを落ち着かせながら大成が持っている袋が気になった。


「すみません。これは、魔法書と制服の着替えです。サバイバルなので、制服がボロボロになった場合は着替えようと思いまして。この制服には、魔法耐性があるので少しでもと…」

大成は苦笑いしながら、袋からグリモアと制服を出した。


「なるほど。やはり、君は俺のクラスに来るべきだ!少しでも勝率を上げる努力、実に素晴らしい!」

マイクは感動して涙を流しながら大成に抱きつこうとしたので、大成は左に移動して難なく避けた。


「アハハハ…。どうもです。では、皆を待たせているので転移します」

「ああ、クラスは違うが応援しているからな。頑張れよ」

涙と鼻水を流しながら、マイクは親指を立て歯を見せた。

大成は苦笑いしながら水晶玉に魔力を込めて転移した。



マイクは、ランドニーの水晶をジーっと見て首を傾げて水晶玉が違うことに気付く。

「ん?あっ!ランドニー先生。水晶玉が違いますよ」

「おっと、私としたことが、うっかりミスをしてしまった。すまない。だが、運よく転移先はサバイバル競技の舞台となる【創られし森】で良かった、良かった」

笑いながら謝罪をするランドニー。


「これって、大成君が言っていた通りだよね」

「ええ…」

「そうですね…」

前もって大成が予想を何通りか話していたが、それでも、ジャンヌ達は心配だった。

ただ、大成の無事を祈るしかできなかった。


「……」

マミューラは、ただ一人静かにランドニーを睨みつけていた。




【創られし森】


「ハァ~、やはりか…」

辺りを見渡して、大成は溜め息をした。


大成の周りには、30人ぐらいに囲まれており、皆、生徒ではなく黒装束に身を纏った大人達だった。


「流石に気付くのは当たり前か…。だが、気付いていながら、なぜ競技に出場した?」

ドトールは、怪訝な表情して大成に尋ねた。


「理由は4つあった。1つ目は、参加しなければ関係のない人達も巻き込まれるだろ?2つ目は、ランドニーの依頼なのかの確認がしたかった。3つ目は、俺の堪忍袋がそろそろ限界ということ。4つ目は、お前達ぐらいの相手なら逃げる必要ないからだ」

大成は、競技サバイバル開始のブザーと共に威圧感と魔力を解き放った。



「「~っ!?」」

ドトールやミシナだけでなく黒装束達は、余裕の表情から混乱と絶望の表情へと変わった。


「ど、どういうことだ!?おい!話が違うぞ!ドトール!ミシナ!」

モルスは、顔を引き攣りながらドトールに怒鳴りながら問いかける。


「い、入れ替わっていたのか?魔王修羅!」

「で、でも声は変わらないわよ」

ドトールの問いにミシナは疑問に思った。


「ま、まさか…」

真相に辿り着いたドトール。

ドトールに少し遅れて、黒装束達全員が理解した。


「その、まさかだよ。ペア戦の時、お前達は魔王のローブ羽織った人物の顔を確認したか?してないだろ?もう理解できたと思うが、魔王のローブを羽織った人物は影武者だ。そして、俺が魔王修羅で弱い学生の演技をしていたのさ。そして、おそらくお前達は魔王修羅は直ぐに立ち去ったから禁術を唱えて魔力枯渇していると思ったんじゃないのか?」

大成は、説明しながらドトール達の反応を見る。


(どこからどこまでが魔王の思惑通りなんだ?いや、俺達の考えをどこまで読んでいるのが問題か)

ミシナ達が驚愕している中、ドトールは冷静に考えていた。


「そろそろ、化かし合いも終わりにしようか。俺はクラスマッチで忙しい身なんでね。グリモア・ブック」

身体強化した大成は、自身の前にグリモアを召喚した。



「ば、馬鹿め!俺達、日常から暗殺を生業としているベテランの魔人32人相手に勝てると思っているのか?」

モルスは、体が震えながら武器を構えて強がる。


「そうよ」

「「そうだ!」」

ミシナも賛同して黒装束達全員が武器を構え、大成を囲んでいた陣形を少し変えて前衛と後衛に分かれた。


「なら、是非とも証明をして貰おうか。せめて、俺を楽しませてくれよ」

「チッ!」

大成は不敵な笑みを浮かべながら言い、ドトールは己のミスに舌打ちをした。


大成を逃がさないで、かつ、周りに気付かれない様に隠密に始末しなければならないので魔法を使用したら周りに気付かれる可能性があるから接近戦に持ち込むために近づいていたのだ。


その代償に、前衛と後衛に分かれたが、それでも、魔法を唱えるには距離が近過ぎていた。




先陣をきるモルス。

「魔力が凄いのは認めるが、接近戦はどうだ?くたばりやがれ!」

モルスは、両手で剣を握って剣に魔力を込めて振り下ろす。


「遅い!」

大成はモルスが振り下ろす瞬間、右手に魔力を集束させて魔力剣・村雨を発動させてモルスの両腕を切断した。


「ぐぁっ!?ぐっ…。お、俺の腕が~っ!」

「さっきから、お前うるさいぞ」

「ヴ…」

あまりの激痛に悲鳴をあげるモルスを、大成は容赦なくモルスの首をはねた。


モルスが倒れると同時に黒装束達が冷静さを取り戻して、次々に黒装束達が大成に襲い掛かるが大成は笑みを浮かべていた。



前衛の黒装束達はナイフを投擲し、後衛の黒装束達は魔法を唱える。

ナイフを投擲した黒装束達は、腰に掛けてある剣を抜いて大成に接近して斬り掛かろうとする。


しかし、身体強化した大成はその場で回転しながらナイフを受け止めて投げ返したり、飛んできたナイフを避けて手の甲で弾いて方向を変えながら更に超加速させた。

大成が投擲したナイフや弾いたナイフは、超加速して空気の摩擦熱で紅く染まり、大成に接近しようとした黒装束達の額、心臓、首等に当たり貫通して絶命していく。



「「ウォォ…ぐぁっ…」」

大成に接近できたのは黒装束3人だったが瀕死の状態で渾身の一撃を放とうとしたが、一瞬で大成の村雨で複数の肉塊に切断された。


あっという間に、前衛の黒装束達は全滅した。


しかし、後衛の黒装束達は既に魔法を唱え終わっており氷の矢や空気を圧縮した空気弾、土の槍など様々な魔法が黒装束達の周りに浮かんでいた。


「この数なら、相手が魔王修羅でもただではすまないはずよ」

大成の圧倒的な強さを目の当たりにしたミシナは、恐怖で冷や汗を流しながら通用するのかを窺う様に大成の表情を見る。


「そう思うなら試すと良いさ。俺はここから動かないでいてやる」

「は、放ってぇ~っ!」

立ち止まった大成を見たミシナは、怯みながら指示を出した。


「「くたばりやがれ!化け物!」」

「「死ねぇ!」」

大成を囲んでいる黒装束達は、大声を発しながら一斉に魔法を放つ。


様々な攻撃魔法は、まるで雨が降り注ぐ様に数が多く大成に迫る。


辺り一面が土煙が舞上がり、一時の間、轟音が鳴り響いた。


魔法を放ち終えた黒装束達は、再び新たに魔法を唱えて攻撃を繰り返した。


「「はぁはぁ…」」

黒装束達は、魔力が切れて魔力枯渇に陥ってしまい呼吸が荒くなり肩が上下する。


「ハァハァ、やったか?」

「あ、当たり前だろ…。大魔法を唱える時間はなかったが、これだけの中級魔法攻撃をくらって生きている奴はいないさ…」

「だな…。今回の任務は、ヤバかった。全滅するかと思った」

「ああ…。でもよ、俺達はあの魔王修羅を倒したんだぜ!【ヘル・レウス】よりも強い奴をさ」

「そうだな!そう思うと凄えな俺達!ハハハ…」

恐怖から解放された黒装束達は、喜び合った。


しかし、誰もが聞きたくない声が砂埃が舞う中から聞こえて来る。

「喜んでいる中で悪いが、もう気は済んだか?」

「「ひっ…」」

土煙の中から大成の声を聞いた黒装束達は、恐怖で時が止まったかの様に動きが止まった。


「お前達は馬鹿か?自分達で隙を作ってどうする?」

大成は、土煙の中から飛び出して両手に村雨を発動させると動きが止まっている黒装束達に襲い掛かる。



黒装束達は、普段なら応戦しようとするのだが大成の強さを目の当たりにして完全に戦意を喪失しており逃げようにする。


だが、一瞬で大成に接近されて次々に大成の村雨で斬られて倒されていく。


「くそが!」

恐怖を乗り越えた黒装束の5人は、ほぼ同時に大成に襲い掛かった。



正面と背後から2人ずつが剣を振りかぶり、1人が高く跳んで剣を逆さに持ち上から串刺しにしようとしていた。


大成は体を横に向いて背後の攻撃を避けながら左手で避けた黒装束の剣を握っている手首を掴んで軌道を変えて、正面の黒装束の首を刺して倒した。


それと同時に頭を下げると背後のもう1人の攻撃を避けながら右肘を鳩尾に入れて気絶させて持っていた剣を奪いとって右足で左横腹を蹴りげてうえから飛びかかった黒装束に重なった瞬間に、剣奪った剣を投擲して空中にいる2人を串刺しにした。


そして、正面にいる最後の1人の黒装束の攻撃を左手で手首を掴んでいる黒装束を自分の前に引っ張り出して盾にした大成。


盾にされた黒装束は息絶え、持っていた剣を右手で奪いとって死体を蹴り飛ばして正面の黒装束にぶつけて体勢を崩した隙に奪った剣で死体ごと心臓に刺した。




大成を逃さないために隠れていた黒装束達は、周りは大成の動きが鮮やか過ぎて何が起きたのか理解できなかった。


「な、何が起きた?」

「う、嘘だろ…」

「た、確か5人同時に攻撃を仕掛けたはず…。そ、それなのに魔法を使わず、無傷で一瞬で5人を倒しただと…」

闇組織で生きてきた黒装束達はたまに生死の掛かった任務もあり、それを乗り越えてきた強者だと自負している。


そんな黒装束達の本能が訴えていた。

目の前の自分達より年下の少年には勝てない。

そして、このままだと確実に殺されると…。



「か、勝てるわけない…」

「「に、逃げろ!」」

蜘蛛の子を散らすように、一斉に逃げ回る黒装束達。


「何だ?コイツらも腰抜けか…」

大成は、溜め息をしながら魔力と威圧感を高めて殺気を放った。


「「ば、化け物!」」

「た、助けてくれ!」

「アース・スピア」

「「ぎゃ~っ!」」

黒装束達は、大成の殺気で腰を抜かす者が続出し、大成は戦意がなくなった黒装束達を土魔法アース・スピアで土の槍を飛ばしたり、接近して村雨で斬って倒していく。



大成は、制服は無傷だったが砂埃と返り血が付いて血塗れになっていた。

そして、最後に残ったドトールとミシナの2人に大成は振り向く。


「ん?お前達は、向かってきたり、逃げたりしないのか?」

「フッ、よく言う。俺達が逃げようとしても、すぐに追いつかれて殺される」

「そうね…。残念だけど、私達では貴方を倒すことも逃げることもできないわ」

吹っ切れたドトールとミシナは観念した様に苦笑いを浮かべた。



「そうか。確か、お前達だったよな?ペア戦で俺を襲ったのは?わかりやすかったが、依頼人はランドニーだな?」

「ああ、そうだ」

「そうよ」

もう隠し通せないので、ドトールとミシナは肯定した。


「ねぇ、答えてあげたのだから楽に殺してくれないかしら修羅様」

ミシナは苦笑いしながら大成に頼んだ。



「……。俺と契約しないか?」

大成は、暫く考え込んで提案した。


「えっ!?」

「契約だと?」

驚くミシナと怪訝な表情したドトールは、大成を見る。



「ああ、そんなに身構えなくて良い。契約のために、お前達のボスと話をしたいのだが」

「信用できないわよ」

大成は殺気を納めて身体強化も解いたが、ミシナは大成を疑った。


「魔王修羅として、でもか?俺は、今まで一度も約束は破ったことないが」

「それと、これは違うわ。当たり前じゃない!信じられないわ!」

「フフフ…」

「な、何が可笑しいのよ」

怪訝な表情でミシナは、笑っている大成を睨みつけた。


「いや、すまない。そこまで、慕われているボスと是非一度は会ってみたいと思っただけだ。この会場に来ているはずだ。お前達が喋らなくても会場を封鎖して捜索すれば見つかるはずだ」

「……。わかった。直接会わせるのは無理だが、レゾナンスでの話だけなら良いだろう」

「え!?ドトール!」

「話だけだ」

ドトールは溜め息をつき条件を出したが、ミシナは納得できないでいた。



「レゾナンス。ボス、申し訳ありません。任務は失敗に終わりました。俺達は、ボスの期待に応えられず…」

「ああ、仕方あるまい。まさか、獲物ターゲットが魔王修羅だったとはな…。とんだ、ジョーカーを引いてしまった。俺の方こそ、すまないな。報酬に目が眩んでいた。お前達まで危険な目に合わせてしまった」

他の観客達は競技に釘付けになっていたが、ダビルドは魔力感知しており大成が魔王修羅だと知った。

これから自分達の組織ノルダンが滅ぼされると思って組織のボスとしての責任をとるために覚悟して逃げずに会場に残っていた。



「それとは別に、もう1つ報告があります。魔王修羅本人がボスと契約がしたいとのことです」

「何!?」

驚いた声を出したダビルド。


「俺は魔王修羅だ。急だが、俺と契約しないか?無論、断ってくれても構わない。断っても、この2人の命は奪わないと約束しよう」

「普通は、脅しとして断ったら2人の命を奪うだろ?なぜ、そうしないのだ?」

ダビルドは、理解に苦しんだ。


「お前の部下はユニゾン魔法が使えるし、主を裏切らない。そして、俺に対しても極度に怯えたり、命乞いはしなかったからな。敵でも、殺すには惜しい逸材だ」

「……わかった。話だけでも聞こうか、魔王修羅」

「ふっ。なら、話そう。まず…」

大成は、契約の内容を話した。


1つ目は、闇組織としての活動をやめること。

2つ目は、組織の名前はそのまま継続で構わないが、大成の専属部隊になること。

3つ目は、こちらは、それ相応の報酬額を用意、支払いをする。


「どうだ?」

「正気なのか!?魔王修羅、俺達は闇組織だぞ」

「お前達が良いのならな」

「……わかった。契約成立だ」

「では、競技が終わり次第落ち合おう」

「俺の名前はダビルドだ」

「宜しくダビルド。すぐに、この競技を終わらせる」

「フッ、だな」

こうしてダビルド達と無事に契約が成立し、ドトールはレゾナンスを解除した。



「そういうことになった。これからは宜しくな、ドトール、ミシナ」

「魔王修羅。やはり、お前は強さもだが思考も規格外だな」

「え、えっと、宜しくお願いしますわ修羅様」

ドトールとミシナは、大成とダビルドの会話を聞いていたので内容を知って驚いていた。



大成は予備の着替えを持ってきていたので、血塗れの制服を脱いで着替え始めた。


「早く、競技に戻らないとな。あっ、しまった…。ジャンヌの約束破って、相手を殺ってしまった…」

着替え終わり、ジャンヌから説教されると思った大成は落ち込んだ。


「と、とりあえず、競技を終わらせよう」

大成は、競技に参加しに向かった。

次回、クラスマッチの話は終わります。

残業になり、投稿遅れました。

大変申し訳ありません。

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