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滅びるラゴゥバルサ国と白き龍

ラゴゥバルサに向かった大成。

【ラゴゥバルサ国・入口門】


大成は、ラゴゥバルサ国の門の横の城壁に居た。


派手に暴れると散り散りに逃げられる可能性があるので、なるべく魔力と魔法を控えて隠密にことを進ませて最後に周りに自分の強さを誇示するために派手に暴れることを計画していた。



気配を消している大成は、足音も消して防壁に沿って門番2人に近づく。


門番達は、まだ大成に気付かずにいる。

大成は、ゆっくりと焦らずに徐々に近づいていく。


だが、門番の1人が大成のいる側の防壁を振り向いた。

しかし、大成の姿はなかった。


大成は、門番が振り向く気配がした時に防壁の側面を走った。


大成は、左手で腰に巻いたポシェットから自分で作ったクナイを2本取り出して門番に投擲した。


「がっ」

「うっ」

クナイは、2人の門番の兜を貫通して頭に刺さり門番2人は小さく悲鳴をあげて倒れた。


このクナイは魔鉱石を使用してない、ただのクナイ。

魔鉱石で作ろうとした時、大成は思ったことがあった。

それは、そもそも他の武器ですら一度も作ったことがないので上手く作れるかが不安だった。

そこで、試しに価格の高い魔鉱石を使用せず、普通の素材で作った試作品。


大成の予想通りに強度や見た目が悪かった。だが、切れ味だけが良かった。

そして、自分が満足できるまで試行錯誤しながら練習で沢山作ったので沢山の試作品がある。



こうして、大成は上手くラゴゥバルサ国に潜入した。


ラゴゥバルサ国の中は門のすぐ近くに家や店などが建っていたが、やはり、バルダーから聞いた通りに人の気配はなく生活している雰囲気も痕跡もない完全なゴーストタウンになっていた。


そのまま、大成は奥に進む。

やがて、目の前に大きな立派なラゴゥバルサ城が見えてきた。


「あそこか…」

警戒をしながら、大成は城へと向かう。




【ラゴゥバルサ城・城門】


大成は、城の門の近くまで来たが今度は門番4人だった。


「…だったとよ」

「本当か~?」

「怪しいな」

「本当さ。なぁ?」

「ああ、本当の話しだ」

「マジかよ。アハハ…」

最近では誰も来るはずもないので、門番4人は呑気に会話をして笑っていた。


大成は、足下にあった手頃な石を拾って力強く城壁に投げつける。

城壁に石が当たり音が小さく響く。


「なぁ、何かあっちで音がしたよな?」

門番1人が皆に尋ねる。

「「あ、ああ…」」

先まで笑って会話をしていた3人は、真剣な面持ちで頷いた。


「俺が見てくる」

「仕方ない、俺も行く」

「わかった。なら、俺達は引き続き門を見張ろう」

「そうだな」

門番は2人ずつ、二手に別れた。



大成は、先に門側の方を狙うことにした。

門を引き続き見張っている門番2人は、先程の音が気になって、そちらに視線を固定していた。


死角から、気配と足音を消してたまま大成は近づいた。

近くの門番の背後に回り、左手で口を塞いで右手で持っているナイフで喉を斬り裂いて音を立てず倒す。



「何事もなければ、いいけどな」

もう一人の門番は、未だに音がした方角を向いたままで、まだ大成に気付いてない。

大成は、再び同じ様にして門番を殺した。


大成は門番を倒した後、2人が持っていた槍を拾って一瞬だけ身体強化して槍に魔力を纏わさせ地面に深く突き刺した。


そして、2人を立った状態にして、魔力で糸をイメージした魔力の糸を使って門番の体を槍に括りつけて固定した。



先に門側を狙った理由は、もし偵察に行った兵士達がなかなか戻って戻って来なかったら門側の門番達が周囲に警告する様に他の仲間達に働き掛ける可能性が高いと思ったからである。



準備が終わった頃に、偵察に向かった2人の気配がしたので大成は死体の後ろに隠れた。


「何もなかったぞ。多分、鳥かゴミが風に吹かれて当たったのだろうな」

「お前、ビビっていただろ?」

「ビビってなんかねぇよ」

2人は、笑いながら戻ってきた。


大成は、門番2人が自分の間合いに入るのを待った。

そして、入った瞬間、大成は一瞬で2人の前に出てナイフで一線し2人の喉を斬った。


「「がっ」」

2人は喉を押さえながら息絶えた。

大成は、再び死体を括りつけ城の敷地へ入った。


そうすることで、もし他の人が遠くから見ても4人が生きていると思わせるためだった。


あまりにも無用心な陣形なので、大成は魔力感知を使って探ったが特に隠れている人はいなかった。

ただ真夜中で誰も攻めて来ないと思っており、警備が手薄になっていたに過ぎなかった。


何人か敷地を巡回していたが、大成は全て背後を取って口を塞いで殺して死体を茂みに隠していき誰にも知られることなく順調に進む。


あとは、城の扉の前に居る兵士2人を倒したら城の中へと入れる所まで来た。


しかし…。

「ん?お前達何をしている!侵入者がいるぞ!気を付けろ!」

バルダーは、タバコを吸いに城の2階のベランダへ出た時、異変に気付いた。

巡回しているはずの兵士達が1人も居ないことに気付いて大きな声で皆に報せた。



「せっかく、順調だったのに…仕方ない。グリモア・ブック、アース・スピア」

大成は土魔法アース・スピアを唱えると土を凝縮した2本の槍を召喚して扉の前にいる兵士2人に向けて投擲した。


「「ぐぁっ」」

兵士2人は左手に持っていた盾を前に出して更に魔力を込めて盾を強化しながら身を守ったが、大成が投擲した槍は軽々と兵士2人の盾を貫通して胸に1本ずつを刺さって倒れた。

大成は2人の間を通り、城の扉を開けて中に入る。




【ラゴゥバルサ城】


入口にいた兵士1人が、大成を確認して仲間に報告する。

「い、居たぞ!侵入者だ!相手は1人だ!」

「アイス・ミサイル」

「アース・ニードル」

「アイス・ボール」

「アース・ショット」

次々に兵士達が現れて魔法攻撃を放つ。


「アイス・ミサイル・ニードル」

大成は魔法を避けながら、氷魔法アイス・ミサイル・ニードルを唱え発動し、反撃しながら接近して行く。


人や物がアイス・ミサイル・ニードルが当たった瞬間、針みたい氷柱が突き出る。


「な、何だと!?ぐぁっ…」

「うっ…」

「た、助けて…」

初弾の攻撃が当たらなかった者は、そのあとの針みたい突き出した氷柱に刺さって倒れていく。


「ば、化け物だ!」

「ヒィッ…」

兵士達は、体を震わせながら怯えた。

大成は、容赦なく戦意を無くした兵士達に接近して両手に魔力を集束させて魔力剣の村雨で兵士の盾や剣ごと周りを斬っていく。


「「ぎゃ~」」

「馬鹿な剣や盾ごとだと…ぐぁ…」

「「に、逃げろ~!」」

「逃がすか」

兵士達の中には扉から外に逃げようとした兵士達もいたが大成が殺気を顕にした瞬間、周りの兵士達は腰を抜かして動けなくなった。


「もう、面倒だ。フリーズ」

大成は左手を床に触れて、氷魔法フリーズを唱えて城を凍らせた。

兵士達は、大成の殺気に脅えて何も出来ず凍りついた。



凍りついた城の中を、大成は気配がする方へとゆっくりと進んで行き階段を登る。


大成は、大きな扉を蹴り破って中へ入るとバルダーとバルダーに似た兄と思える人がいた。



「こ、これは、ど、どうなっているのだ!?バルダー」

「う、嘘だろ!?」

ラゴゥバルサ国の国王とバルダーは、城が凍りつき始めたので慌てて足に魔力を集中することで氷漬けは回避に成功していた。

だが、気が付くと部屋中が凍っており2人は狼狽えた。


恐る恐る2人は、扉を蹴り破った大成に振り向いた。



「久しぶりだな総隊長さん。そちらは、ラゴゥバルサの国王か?」

大成は、睨みつけながら殺気を2人に向けた。


「ヒィッ、ば、化け物め」

その場で2人は、腰を抜かしてズボンが濡れる。


「お、お、俺達と同盟を組まないか?」

ラゴゥバルサ国の国王が、大成に話しを持ち掛けた。


「あ、兄貴、こいつには、む、無駄だ」

大成が答える前に、バルダーが怯えながら答えた。


「賢くなったな、総隊長さん。お前達は、他の国を襲ったよな?もちろん襲われる覚悟もあるよな?」

大成は、笑みを浮かべていたが目は笑っていなかった。


「誰か、助けてくれ~!」

「だ、誰か居ないのか~!?」

2人の声は城中に響いたが、誰も来る気配がない。


2人は這いつくばりながら、凍りついた窓を必死に叩いて開けようと試みたがビクともしなかった。


「仕方ない、チャンスをやる。俺は10秒間は何もしない。それで、どうだ?では、開始だ」

大成は、指を鳴らしてフリーズを解いた。

凍りついた城は、あっという間に氷が砕けて普段通りの城の姿に戻った。


「「えっ!?」」

理解できないほど追い詰められたバルダー達は、お互いの顔を見て一瞬固まった。


「10…9…」

大成のカウントダウンが聞こえた2人は、慌てて這いつくばりながら窓からベランダに飛び出した。


「「エア・ブロウ」」

あまりの恐怖で足がガクガクの2人は走れないので、後ろを向いて両手を前に出して風魔法エア・ブロウを唱える。


両手から突風を発生させて壁に当てることで反動で遠くへ飛んで逃げる。


「「エア・クッション」」

2人は落下直後に、風魔法エア・クッションを唱えて足元に空気を圧縮したクッションを作り出して着地に成功した。

その時、10秒が経った。



「時間だ。グリモア・ブック、ボルト・ライトニング・サンダー・ドラゴン」

大成は雷魔法、禁術ボルト・ライトニング・サンダー・ドラゴンを唱える。


バチバチと轟音とともに大きく稲妻が迸り、城の屋根を破壊して白く輝く巨大な雷龍が現れた。



大成は、魔王を決める大会の時よりも魔力を込めて雷龍を大きくして放った。


普段だと無駄に魔力消費の激しい禁術を使用しないが、今回は自分の強さを周りに示すためだった。

無論、全力は見せない。


(これぐらいで十分だろう。それに、嬉しいことに都合よく無能な他国の兵士達や偵察している者が近くにいるから勝手に俺の実力を広めてくれるだろう)

大成はバルダー達の方に手を向けた瞬間、雷龍は大きな口を開いて唸りながらバルダー達の方へと低空で飛行してあらゆるものを飲み込んで破壊していく。


雷龍が通った跡は大地が大きく抉れており、赤黒く熱を帯びて蒸気が出ていた。

そして、その周りは何もかも消滅していた。


「な、な、な、何だあの馬鹿でかい龍は!?」

「あ、兄貴、こ、こ、こっちに向かって来てないか?」

「「に、逃げろ!く、来るな~!ギャ~!」」

一生懸命、這いつくばりながら逃げる2人だったが雷龍に飲み込まれた。

雷龍は、轟音を鳴り響きかせながら天へ昇った。

雷龍と一緒に、2人の姿も跡形もなく消えていた。



「た、大成!」

「大成さん!」

「ダーリン!」

「大成君!」

ジャンヌ、ウルミラ、マキネ、イシリアが手を振りながら大成の傍に駆けつけた。


「あ、あの…」

「そ、その…」

ジャンヌ達は、来てしまったことを謝ろうとした。


「終わったよ…」

大成は、ジャンヌ達を見て笑顔を浮かべた。


「「お疲れさま!」」

大成の笑顔を見たジャンヌ達も微笑んだ。


雷龍が雲を突き抜けたことにより、雲で覆われていた空に大きな穴ができた。

その穴から朝日が見えて、大成達がいる屋根が壊れた城に朝日が差し込んだ。


「うっ、眩しいな…」

大成は、片手を目元に上げて日差しをカットした。


「でも、見て綺麗だよ」

「「そうね」」

「そうですね」

マキネに賛同するジャンヌ、イシリア、ウルミラ。


「確かに」

大成も頷き、皆で城から朝日を眺めた。

次回、ラーバスとニラミスが同盟を結びます。

あと、ユピアも登場します。

修正しました。

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