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私は魔法使いなんかじゃない!  作者: いと・うさぎ
アムステール王国再建物語Ⅰ
42/235

火災の後

 外に出ると、すぐさま周りの従者や侍女たちが集まってきた。


「アルフォード様!! ご無事ですか?!」


 イリヤがオロオロしながら、背負われたままの王子の無事を確認している。

 リチェはゆっくり王子を降ろし、イリヤに彼を託した。

 彼は王子を受け取りながら、周りの従者や兵士に向かって、


「医者を早く呼べ!! 犯人はまだすぐ近くにいるはず、怪しい者がいたら牢へ入れろ!」


と次々命令した。


 そんな彼の姿をみて里奈は、


「なんで側近なのにすぐ王子を助けに行かないのよ――!? 皆死んじゃうとこだったんだから!」


と、むっとしながら言ってみた。

 

「申し訳ございません……肝心な時に怖気づいてしまって……王子が無事なのは、リナ様のおかげです。本当にありがとうございます」


 と里奈に向かって何度も頭を下げた。

 

「まぁ、無事だからいいけど、今度こんなことあったらちゃんと助けに行ってあげてよ?」


 あまりにも感謝されるので、照れくさくなった里奈は、それを隠すために、腕を組みながら地面の石ころを蹴る。


「ええ……次回こそは」


(え……? イリヤさん……?)


 その時、里奈の目に映ったイリヤは不思議な笑みを浮かべていた。

 しかし、それはほんの一瞬で、リチェと状況確認の話をし始めたときには、いつもの真面目な表情に戻っていた。

 侍従が担架をもってきてアルフォードを乗せ、温室には兵士が完全消火されているか確認するために中へと入っていく。



(見間違えね……。あれ……? なんだろう……体に力が……)


 

 里奈が、体の異変に気が付いたついた時には、すでに前に倒れ両手をついていた。

 

(なんだろう――力が入らない――)


 急に、全身から力が抜けていく。

 まるで、風船から空気が抜けていくように――


「リナ様!?」


 遠くでリチェが叫ぶ声がする。

 里奈の意識はそこで途絶えてしまった――







 



 


 


  






 





 





 

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