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ドラゴン空挺団のお嬢様  作者: 桃巴


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おまけ1

 私は隣国第三王子である。

 名前はまだない。


 いや、あったが『呪い』で消された。それ以降、私はいつでも隣国第三王子で通っている。おかしいかな、隣国でない国にいようが隣国第三王子なのだ。

 そういう呪いなのだから。誰も名を気にしない呪いなのだ。


 その弊害というか、影響というか、それを狙っていたのだろうか、私は王位継承戦から離脱を余儀なくされた。


 そりゃあ、名前がない者など王位にはつけない。


 つまり、そういう背景あっての『呪い』にかかったわけ。私を王位継承戦から排除する狙いだったのだろう。

 元より、王位になど興味がなかったからいいものの、名がないというのは不便なものである。


 名をどうして消されたかというと、名を奪う呪い箱を開けたから。

 部屋に置いてあった見慣れぬ箱に目を奪われ、パカッとさ。箱自体に魅了魔法がかかってたんだろう。


 まあ、十五歳の誕生日だったこともあって、贈り物だと思って警戒してなかった。いつもなら、見慣れぬ箱など処分行きなのに。後悔しても後の祭り。呪いは発動し、箱は消失して名も消された。


 それ以降は、大変だったさ。


 まあ、そのへんの苦労話はさておき。

 私は名を戻すために、名のある魔法使いや魔道具収集に力を入れた。……そのうち、本来の目的は忘れて、没頭してしまって。まあ、楽しくなっちゃったわけ。


 それで、魔道具収集家として有名になった。


 そしたら、ある日、コヨンテ国王太子レナードから声がかかった。

 側近の魔法使いが流した魔道具を回収したいから協力してほしいって依頼。心が踊ったね。コヨンテ国といったら、エルフの村があるじゃんってさ。

 私のかねてからの夢はエルフに会うこと。だから、エルフに会わせてくれたら協力するって手を組んだ。レナードもエルフに会って魔道具鑑定してもらうことが目的だったから利害が一致した。


 そして、何より興味があったのが『魔法の糸』って魔道具。ルデンヌ領から卸されているって情報を掴んでいたから、是非とも手に入れたいと思っていた。


 まさかまさかが重なった。


 もう、私の興奮は最高潮に達して、思わず求婚してしまって……レナードと張り合うはめに。


 なのになのに、空から降りてくるなんてズルくないか?

 レナードと一緒にその光景を指をくわえて眺めるしかなかった。二人して完全に脇役、背景の一部だった。いや、観客だったかも。


 主人公二人が去って、レナードと肩を組んだ。類友の儀式だろ、肩組むのって。


 そしたら、イシルヴェ様からお声がかかった。


「名を消されたなら、新たにつければいいだけ」


 それだけ言って……ポーン。←いつものポーンだね。


 森の入口でレナードと顔を見合わせた。

 そこでやっと自分の事情を話したさ。

 そしたら、レナードがさ。


「じゃあ、私が名付ける。『マーモット』」

「マーモット……」


 復唱して頷いた。


「なあ、マーモット。魔法使いの代わりに私の側近になってくれない?」


 思いもよらぬ提案に、胸が熱くなった。


「レナード、どうか結婚してほしい!」


 あ、興奮すると出ちゃう台詞を吐いた。これも呪いなんだけど……口外できない術が施されてる。

 魔道具収集家の性だよね、魔道具にやられちゃうのは。

 私にどれだけの呪い魔法がかかってるんだろう?


 けど、レナードの側仕えならきっと楽しいだろうなあ。


「え!? ちょ、きっしょ……さっきの提案はなしで。じゃ」


 スタスタ退散するレナードにもちろんついていったとさ。

 肩組んだら、類友だしね。





おまけ(1/2)

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