会議は思ったよりめんどくさいらしい
虫の声もない静かな夜。僕らは狭い部屋に集まって会議を始めた。
「お久しぶりです。デウス様」
そう言って跪くのはまっちゃんと同じエルフ族のシュナ。綺麗な緑髪に大きなたわわが特徴だ。幹部の中では1番礼儀正しく、頭が良い。
「久しぶり」
落ち着いた声の彼は、イノ。不気味な奴でペルソナに教育されたため、あまりよく知らないけど控えめで殺しが好きなやばい奴だ。さすがペルソナの弟子!
まあ後3人は知っての通り、まっちゃんにスキロス、そしてペルソナだ。でもまっちゃんは今日は不在のようだ。
「この学校、思った以上にやばいね」
「だから倒すって言ったのに!」
スキロスは僕のベッドで、自分の家のようにくつろぎながら言った。毛が落ちるからやめろ。
「そんな単純な話じゃないんだよ」
「ふーむ、まあ私はいらないかな?」
深刻な雰囲気の中、ペルソナがそれをぶち壊すみたいに言った。
「まあ、お前はどうせ手を貸してくれないんだろ?」
「ああ」
ペルソナは頷くとそのまま闇に消えるように、どこかへ行ってしまった。
まあいつものことだ。こういう重大な事はいつも自分でやれと、ペルソナはそう言う。それが成長になると何とか。
「ちっ」
シュナは顔を背けて、いかにも不愉快そうに舌打ちをした。まあ無理もない。ペルソナとシュナのやり方は全く持って合わない。シュナがとにかく真面目なのに対し、ペルソナはマイペースで道化のような奴だからな。ペルソナの方が圧倒的に強いとは言え、立場は同じ幹部。それにシュナはペルソナが自分より強いと認めていない。
「ま、まあ、とりあえず、みんな狙われているという自覚を持ってくれ」
「問題ありません。今すぐにでもここを殲滅しましょう」
シュナは顔を上げ、決意の固い強い瞳で僕を見つめた。いや、それはちょっと色々問題が……。
「賛成賛成! 今すぐぶっ壊そう!!」
スキロスは嬉しそうにベッドから飛び上がると、何もないところに拳を打ち始めた。あー、もうごちゃごちゃだ。 僕は呆れながらもイノの方に視線を向ける。
「イノはどう思う?」
「…」
「って、いないじゃん!?」
イノはペルソナを見習って、いつの間にかご帰宅していたらしい。こいつらマイペースすぎるんだよ。
「この学校自体は必要なものなんだ。だから卒業生だけ対処しとけばいいよ」
「それでは永遠に増えていくばかりでキリがありません」
シュナは探るような鋭い瞳を向ける。めちゃくちゃ正論だ。
「ま、まあ、こっちにも色々あるんだよ。とりあえず学校に手出しはするな」
「しかし…ッ」
シュナはバッと立ち上がる。
「大丈夫だって」
僕はそんなシュナを宥めるように肩に手を置いて、座らせた。このままだと論破されちまう。
「何も、何も教えてはくれないんですね……」
シュナは肩を落として、悲しげに下を向いた。別にそんな感じではないんだけど…まあ勘違いしてくれてるならいいや。
「主人は頭が悪い!」
スキロスは拗ねた様子で僕に悪口を言ってきた。
「あなた、デウス様に向かってなんてこと言ってるの!?」
「うるさいうるさい!!」
「ちょ、もう〜、シュナ。スキロス連れて帰ってくれ!」
収集がつかなくなってきたので、とりあえずもう帰らせることにした。隣の部屋に聞こえたら大変だ。
「承知しました…」
シュナは少し残念そうな顔をすると、スキロスを掴み窓から飛び降りて行った。全く、吠える犬は困るよ。
その後、僕は彼女に浮気がバレたという、変な噂が広まった。




