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ゲームは簡単すぎても、難しすぎてもつまらない。

 と、それから絶対何かあるだろと思っていたが、なんと、何もなく普通に最終日を終えた。

 

 やはり現実とアニメは違うみたいだ。


「ほう、全員生き残ったか」


 そんな声と共にビノラが木の間から登場した。


「ふう、これで本当に終わりだね……」


 セリウスはビノラの顔を見て、やっと肩の力を抜いた。


「それでは私についてこい」


 ビノラは表情一つ変えることなく、無機質で淡々としていた。


「労いの言葉もないのね」

 

 ヒュブリスは不愉快そうに小さく呟いた。

 

 イロイダはと言うと、ずっと1人で考え込んでいるようだった。



*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*



 そんな過酷な生活が終わってすぐ、僕たちはシャワーも浴びれず、体育館のような場所に集められた。


 他クラスの生徒だろうか。まず他クラスがあったなんて知らないんだけど。怪我だらけのやつもいれば、無傷のやつもいる。


 前には、校長先生的な奴もいる。て言っても30代位かな。

 

「まずはおめでとう」


 すると、校長的なやつは魔力で声の大きさを調整し、話し始めた。 


「今回出た死者はたったの1人だ。これはとても素晴らしいことだ」


 男はゲームでもやっているかのように、楽しげに笑って見せた。


「ひ、1人死んだの…?」


 ヒュブリスが大きく目を開け、怯えたように呟いた。

 もし他クラスの奴らも、僕たちと同じような状況にあったなら、死人が出るのは必然だ。


「今回のゲームで、君らの実力を測らせてもらった。これからは実力が均等になるよう、クラスを変更することになる」


 男は手を2回叩いた。


 すると、3人の生徒が足を1歩前に出した。


「各クラスに、この学校の教師を混ぜておいた」


「は!? 意味わかんないんだけど!」


 うちのクラスで足を前に出したのはーーカルテリコス。通称カルコスだ。

 こいつはこの歳にしては明らかに巨体だったが、まあ異世界だし、こういう人もいるかと思っていた。


「カルコスくん…」


「さてさて、時間を無駄にしても意味は無い。クラスの発表だ。あ、ついでに言っておくが、今日からは寮に泊まれ。外出は自由だが、授業に遅れるなどがあればペナルティは覚悟しろ」


 授業にさえ送れなければ、寮に泊まる必要もないと言うことか。

 つまり寮は、学校が善意で用意してくれた生活スペースなんだね。


「クラスはファースト、セカンド、サード、の3つに分ける。実力は均等になるよう調整する、学校は戦場だと思え」


 まじか。クラス変えるのかよ。

 これイロイダと別になる可能性あるよな? いや、ヒロインが別クラスになるわけないか。


「まずはファーストーー」


*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*


「よろしく…」


 思いっきり別になった。

 嘘だろ!? なんでイロイダと別クラスなんだよ!

 しかも隣の席がヒュブリスだよ。


「ふん」


 ヒュブリスは僕と目が合うと、慌てて照れを隠すようにそっぽを向いた。

 前のクラスでいる人は、僕、ヒュブリス、フェアロにミュトだ。


「はいはい、みんな席に着こうね。

 ってもう着いてるか!」


 突然教室に入ってきた茶髪の男、少し小柄でおそらく成人しているだろう。


「早速だけど、皆さん残念。担任は私です。この世界最強の私が担任になっちゃった訳です。教師を殺すことによるメリットは大きい、そして殺しやすいのが担任です。でもでもぉ! 私は最強すぎて死にませぇーん! 実に不運なことです」


 きっも!


 なにこいつ。ナルシストか? 動作もやかましいし、世界最強とか言っちゃってるし、イタいイタい。


「あ、そういえば、これを配らないといけないんだった」


 男は少し真剣な顔をすると、カード束のようなを持つと、上にばら撒いた。


 だが、カードは重力に逆らうようにバラバラに飛んでゆき、それぞれの机に1枚ずつ配られた。

 

「生徒手帳?」


 知らない女子生徒が呟く。


「ああ、それは絶対になくさないように! あとあと、そのカード星が書いてあるでしょ? それが今の自分の評価さ」


 僕のカードにある星の数は3つ。


 それプラス、成績向上のためのアドバイスまで書いてある。一人ひとりの生徒に目を向けているようだ。


 僕のは「ある程度のリーダーシップに、今回の活躍。それは評価に値する。が、まるで戦闘をしない。それは何よりの問題であると自覚せよ」


 と、書いてあった。


 確かに学校の方針とは、戦略が合わなかったか。


 だが、これで良い。いいやこれが良い。


 僕はこれからもこの成績キープするぜ!


「はあ? なんで私が星3つなわけ!?」


 ヒュブリスは目を丸くした。

 

 自己評価が高いんだね。


「君は協調性のなさが目立つ。例えば今とかね」


 先生は冷静に子供の指導をするように言った。的確だ。会って初日でそこまで理解しているとは……。

 

 男は楽しげにニヤリと笑って言った。


「みんな、私を殺せるよう、頑張りたまえ」


 この学校、底の知れない奴が多いな。

 

 もしかしするとこれは、ただただ無双ってわけにはいかないかもしれないぞ。

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