ゲームは簡単すぎても、難しすぎてもつまらない。
と、それから絶対何かあるだろと思っていたが、なんと、何もなく普通に最終日を終えた。
やはり現実とアニメは違うみたいだ。
「ほう、全員生き残ったか」
そんな声と共にビノラが木の間から登場した。
「ふう、これで本当に終わりだね……」
セリウスはビノラの顔を見て、やっと肩の力を抜いた。
「それでは私についてこい」
ビノラは表情一つ変えることなく、無機質で淡々としていた。
「労いの言葉もないのね」
ヒュブリスは不愉快そうに小さく呟いた。
イロイダはと言うと、ずっと1人で考え込んでいるようだった。
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そんな過酷な生活が終わってすぐ、僕たちはシャワーも浴びれず、体育館のような場所に集められた。
他クラスの生徒だろうか。まず他クラスがあったなんて知らないんだけど。怪我だらけのやつもいれば、無傷のやつもいる。
前には、校長先生的な奴もいる。て言っても30代位かな。
「まずはおめでとう」
すると、校長的なやつは魔力で声の大きさを調整し、話し始めた。
「今回出た死者はたったの1人だ。これはとても素晴らしいことだ」
男はゲームでもやっているかのように、楽しげに笑って見せた。
「ひ、1人死んだの…?」
ヒュブリスが大きく目を開け、怯えたように呟いた。
もし他クラスの奴らも、僕たちと同じような状況にあったなら、死人が出るのは必然だ。
「今回のゲームで、君らの実力を測らせてもらった。これからは実力が均等になるよう、クラスを変更することになる」
男は手を2回叩いた。
すると、3人の生徒が足を1歩前に出した。
「各クラスに、この学校の教師を混ぜておいた」
「は!? 意味わかんないんだけど!」
うちのクラスで足を前に出したのはーーカルテリコス。通称カルコスだ。
こいつはこの歳にしては明らかに巨体だったが、まあ異世界だし、こういう人もいるかと思っていた。
「カルコスくん…」
「さてさて、時間を無駄にしても意味は無い。クラスの発表だ。あ、ついでに言っておくが、今日からは寮に泊まれ。外出は自由だが、授業に遅れるなどがあればペナルティは覚悟しろ」
授業にさえ送れなければ、寮に泊まる必要もないと言うことか。
つまり寮は、学校が善意で用意してくれた生活スペースなんだね。
「クラスはファースト、セカンド、サード、の3つに分ける。実力は均等になるよう調整する、学校は戦場だと思え」
まじか。クラス変えるのかよ。
これイロイダと別になる可能性あるよな? いや、ヒロインが別クラスになるわけないか。
「まずはファーストーー」
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「よろしく…」
思いっきり別になった。
嘘だろ!? なんでイロイダと別クラスなんだよ!
しかも隣の席がヒュブリスだよ。
「ふん」
ヒュブリスは僕と目が合うと、慌てて照れを隠すようにそっぽを向いた。
前のクラスでいる人は、僕、ヒュブリス、フェアロにミュトだ。
「はいはい、みんな席に着こうね。
ってもう着いてるか!」
突然教室に入ってきた茶髪の男、少し小柄でおそらく成人しているだろう。
「早速だけど、皆さん残念。担任は私です。この世界最強の私が担任になっちゃった訳です。教師を殺すことによるメリットは大きい、そして殺しやすいのが担任です。でもでもぉ! 私は最強すぎて死にませぇーん! 実に不運なことです」
きっも!
なにこいつ。ナルシストか? 動作もやかましいし、世界最強とか言っちゃってるし、イタいイタい。
「あ、そういえば、これを配らないといけないんだった」
男は少し真剣な顔をすると、カード束のようなを持つと、上にばら撒いた。
だが、カードは重力に逆らうようにバラバラに飛んでゆき、それぞれの机に1枚ずつ配られた。
「生徒手帳?」
知らない女子生徒が呟く。
「ああ、それは絶対になくさないように! あとあと、そのカード星が書いてあるでしょ? それが今の自分の評価さ」
僕のカードにある星の数は3つ。
それプラス、成績向上のためのアドバイスまで書いてある。一人ひとりの生徒に目を向けているようだ。
僕のは「ある程度のリーダーシップに、今回の活躍。それは評価に値する。が、まるで戦闘をしない。それは何よりの問題であると自覚せよ」
と、書いてあった。
確かに学校の方針とは、戦略が合わなかったか。
だが、これで良い。いいやこれが良い。
僕はこれからもこの成績キープするぜ!
「はあ? なんで私が星3つなわけ!?」
ヒュブリスは目を丸くした。
自己評価が高いんだね。
「君は協調性のなさが目立つ。例えば今とかね」
先生は冷静に子供の指導をするように言った。的確だ。会って初日でそこまで理解しているとは……。
男は楽しげにニヤリと笑って言った。
「みんな、私を殺せるよう、頑張りたまえ」
この学校、底の知れない奴が多いな。
もしかしするとこれは、ただただ無双ってわけにはいかないかもしれないぞ。




