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空腹は人を変える

 魔物肉は受け付けないとほざいていた奴らも、その美味しそうなビジュアルに負けて、みんな仲良く肉を貪り食った。

 僕たちは満腹になり、みんなの表情に余裕が戻った。


「なんだかんだで、これからもやっていけそうね!」


 ヒュブリスも珍しく暴言を吐かず、満足げな顔をしていた。

 

 やっぱり空腹は人を変えてしまうんだね。


「ここでの課題は生き残ること。みんなはこれからどうする?」


「どうするって?」


「僕たちは死にかけるような経験をさせられた。いやさせられている。この学校、僕たちが思ってた以上に、かなりやばいと思う」


 あ、そういうことか。

 

 確かに、この学校はあくまで個人の意思で来ている。こんなことがあればやめる、と言う選択肢もあるわけだ。


「正直言って、辞めたいわ」


 ヒュブリスは珍しく真面目な顔をしていた。

 

 えぇ? ヒュブリスやめちゃうの? まずいぞこれ。


「でもやめないわ」


「それはなんで?」


「私、昔からすごく甘えて生きてきたの。何の不自由もなく、欲しいものがあれば買ってもらえたし、やりたいこともやらせてもらえた。だから次は私の番、親に恩を返して今まで甘えてきた分、努力しなきゃいけない」


 意外だ。意外すぎる。

 

 あのヒュブリスがそんな美しい信念を持っていたとは……。

 

 いやにしてはめっちゃ甘えてなかった?


「すごいんだね。それに比べて僕は……」


 セリウスは悔しそうに下を向いた。

 

 誰しも隠し事の一つや二つあるものだ。多分セリウスも何かの思いがあって、この学校に入学したのだろう。


「いや、なんでもない」


「そういえば、あんたはなんでここ入ったのよ?」


 突然ヒュブリスから視線を向けられた。


「え? ま、まあ、なんとなく?」


「なんとなくって……少なくともゼウスのやつが、嫌いなのは一緒よね?」


「え? ま、まあ」


 その時、イロイダからの鋭い視線が刺さった。


「嫌いではないかな。別に」


 僕はあらゆる人間から視線を逸らし、その結果上を向いた。

 

 まあ自分だしね。


「何上向いてカッコつけてんのよ」


「いや違うから!」


「夜空を眺めて黄昏たくなる、お年頃なのはわかるけど。人と話す時は目を見なさい」


「だから違うって!」


 そんなこんなで僕はヒュブリスにいじられ、その夜はみんな笑顔で終わった。

 

 まあこういう夜があってもいいよね。ヒュブリスにいじられるのは癪だけど……。

書き直そうと思ってたんですが、さすがにめんどくさいし、そう思ってから八ヶ月くらい経って結局行動に移せがなかったので、またこの作品の更新始めます。そのかわり全エピソードに少し修正を加えようと思ってます。

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