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アーセナル 〜God’s gate〜  作者: 大質量黒穴
第一章 勇者と闘志の烈炎/勇者と静かなる清流
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第一章 第二話 異界の一行

俺の命を何故かはわからないが、狙いにきたと思われる刺客。抵抗はしてみるものの、大して有効打もなくもう少しで屍になってしまいそうだった。しかし、その絶体絶命の状況の中突如として空間に虹色の穴が開き、その中から、虹色の斬撃がその謎の刺客を消し飛ばした。

「あっ.....しまった」

虹色の穴から、そんな声が聞こえてきた。そして、斬撃が飛んできた虹色の穴から出てきたのは、豪華かつ重そうな鎧を着て、片手には長剣を持った1人の男だった。しかし、その穴にいたのはその男だけではなかったらしく、男が自分の周りをある程度見回して、自分がどこにいるのか確認していると

「ちょっと!少しは手加減しなさいよ?」

穴の中から今度はツンツンした喋り方の女の子の声が聞こえてきた。声的に俺よりもすこし年下ぐらいの感じなのだろうか?

「いや….逃げられた」

「は?それはもっと腹の立つ報告ね」

喧嘩しているのか?いや、違う。そうではなさそうだ。むしろ、あの刺客を取り逃すのが1番良くなかったが、消しとばしてしまったのではないかと思ったから、予想してたのとは別方向のことになっていたので、彼女は腹を立てているのだろう。というか….あのスピードと範囲の斬撃が避けられた?そうなると自分が勝てなかったのも納得、あんなのに挑んだ俺がバカだった…

「あ!倒れている人が!」

「また話を逸らすつもりじゃ….居た!? (しかもだいぶ重症…)」

なぜ驚くんだ?というか、またということはこんなことを言ってミスを見逃してもらう…もとい、ターゲットを強制的に変更させることをいよくやっているのか。でも、ここに俺という人間が倒れていることは事実だし、その俺は今にも死にそうなのだ。誰か助けてくれるものはいないのだろうか….

「おーい!頼む!ここに治療が必要な人が居るんだ!」

「了解です。」

「やったー!出番だー!」

今度は落ち着いていて礼儀正しそうな女の人の声ともう1人、cheerfulかつ、俺の心臓をギュッと握ってくるような、そんな声が聞こえた。ん?心臓を握ってくる?それは物理的に?いや、精神的にだろうな。俺だって思春期の男の子なんだ。女の子の声を聞けばドキッとする時もあるだろう。そう思っていると、男が強めの咳をして

「ちょっと…悩殺モードを解除しておけ…お前のそれは人の体力を削るんだ…」

「え〜めんどくさいな〜….でも嫌われるの嫌だから解除しておく…..」

悩殺モード?俺はその影響を喰らっていたのか。どうりで物理的にも精神的にも心臓に衝撃が走ったような感じがしたんだ…..しかも、それは随分と強力なのか、俺はそもそも意識が朦朧としていたから魔術などによる精神干渉が健全な人ほど通じなかったが、半径30mあたりまで近づいた人は彼女をみるだけですごく苦しそうにしていた。だが、あの男は咳き込みはしたもののそのあとは案外平気そうにしていた。

「で、この人が…だいぶ重症ですね。」

「でもヒーリングマジックでなんとかなるよね!」

ヒーリングマジック…?このあたりで言う、リカバリースキルのことか?それともただの医療システム?どのことかはわからないが、治療してくれるならそれに越したことはないから、雑談など後回しにしてさっさと助けていただきたいものだ…

「今すぐに」

丁寧語の方の人がそう言って俺が怪我した場所を中心に、手をかざしながら自らの魔力を俺の傷を修復するために回し、治癒魔術をかけた。すると、少しずつ傷が塞がっていっているのがわかった。しかも、そのスピードは最初の方はゆっくりだったものの、俺にあまり魔力がないことに気付いたのか自分の魔力を使う量を多くすると、治癒スピードは飛躍的に向上したようだ。おかげで、俺は一命を取り留めたのだが、痛みに対する気力の方はというと、治癒が終わろうというところまではもったのだが、あと一歩というところで俺は眠ってしまった。

※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※


っ….ここは..どこだ….あ いや自分の家、しかも寝室か…でも誰がここまで運んでくれたんだろうか?自分が今寝ているのは、普通に布団の上か?それにしては硬いというか、妙に人の肌のような感触がする….まさかエリスの膝枕とかじゃないよな?

「目が覚めましたか。」

「おぉ〜 良かった~」

この2人は….誰だったっけ?…あーそうだったそうだった 思い出した。俺は学校から帰っている途中で変なやつに襲われて、殺されそうだったところをこの人たちが助けてくれたんだったか。感謝しなければ。しかも、自分たちのやることがあるだろうに、俺を家まで運んでくれたのに何もなしなんて、そんなことは許されるはずもなかろう。この人たちが構わないと言っても、俺が嫌だ。俺は体がしっかりと動かせることを確認して、そこから起き上がった。

「ありがとうございます。ところで、御四方のお名前は…いや みんながいる時にしましょう。」

俺はこの人たちの名前を聞こうとしたが、いちいち一人一人に自己紹介させるのも良くないというか、手間をとらせてしまうだろうと思ったので、どうせならイーグルとエリス、それとこの家の主でもあるレクス全員で話をして、その中で自己紹介をすればいいと思ったので、聞くのをとりあえずやめた。

「それにしても…この家…私たちの拠点より広いのでは?」

「やかましいな!あれでも頑張って金作って買った方なんだぞ!」

自分で買って、この家に近いレベルの広さの家を作れてるなら、十分金持ちだと思うが、そもそもこの家が譲ってもらったものだということは、この人たちは知らないだろうから、そのリアクションも当然かもしれない。そして、この人たちは同居しているということなのだろうか?とても家族のようには見えないし、どちらかというと仲間のような関係性に見える。

「とりあえず応接間へ行きましょう。」

俺は先ほどまで瀕死だった人間とは思えないぐらい、平常時レベルの動きに戻って、彼らを応接間の方へ案内した。そこはすでに話をするための用意が整えられているようで、レクスとエリスが待っていた。しかし、驚くべきことはこれではない。イーグルが、服を汚した状態でなぜか床に突っ伏していたのだ。

「おい…イーグル… そこで何やっとるんや?」

「武器制作に疲れました。休ませてくださi」

イーグルは工学部で学んだことを使って、最近、俺のために魔力を使えなくてもある程度効果を発揮できる武器を作ってくれているようだが、その開発が難航しているようで、そのせいでこのようにたまに床に突っ伏している状態で見つかったりするのだが、その時は基本最初にそれを見つけた人がイーグルの部屋に持っていくようにしている。

「疲れてるところ申し訳ないねんけど、この人たちと俺たちで話をしたいから、一緒に卓についてもらえへん?」

「仕方がありませんね…」

床に突っ伏しているイーグルも起きて、席の方につき、そのあと順番に1人ずつ席の方へと移動していった。みんなが席に着くひと足さきに俺は、この4人にお茶を用意するために茶葉が収納されている引き出しの方へ向かい、それを開けた。今回はなんの茶がいいだろうか考えた。しかし悩ましい。この人たちにはどの茶が合うのだろうか。無難に煎茶か….いや 玄米茶あたりにしておくか。

「茶入ったぞー」

「ありがと〜」

さて、本題に入ろうか。この4人でわかっていることといえば、まず最初に虹色の斬撃を繰り出して俺の前の敵を追い払ってくれたのが、この赤い短髪で、紺碧の爽やかな目をした男だ。

「まずは俺から自己紹介を。おれは石動ハルト。今は色々あってリオンハルトと名乗っている。この世界に帰ってきたのも4、5年ぶりだ。5年前に異世界に転生したんだが、やっとのことでこの国に帰って来れた。」

今さらっとすごいことを言ったような気がしたが、その質問はまず後回しにしよう。

そしてその次に謎の空間から現れたのが、この赤色の長くも短くもない、いわゆるミディアムでかつ三つ編みを右にだけしている女だ。それが着ていたのは制服のようだが、なんというか、少し魔術師のような服だった。でも、へそのあたりが生地が薄くなってたりと、制服じゃないだろうなとすぐに確信した。

「わたしはアイリス・マギア あの門も私が展開したわ。これでも向こうじゃ最強の魔術師と呼ばれてるんだから!」

得意げな笑みを浮かべるアイリスであった。あの虹の斬撃もアイリスが付与した術式なのだろうか。リオンハルトの体からはフィジカルパワーがありそうな感じはすごく漂っているし、物理攻撃を強化するタイプの魔術ならかけ続けていると外から見て分かったが、虹の斬撃から主に感じられた魔力のそれとは全く性質が違う。完全にリオンハルトは無属性の魔力を宿しているのだ。

そして、俺に治癒魔法をかけてくれたり、俺が目覚めた時になんの理由があってかは分からないが膝枕をしていた人は、抹茶のような暗い緑色をベースに、ところどころ黄緑のメッシュが入った髪色で、目は薄い緑色、服はというと、あまり俺は服の種類には疎いので種類はわからないが、丈の長い伝統的なメイド服….かと思ったがどうやらメイド服にドイツの伝統衣装であるディアンドルの要素を少し取り入れたような、そんなデザインだった。

「初めまして。私は、ハイデル王朝に勤めていました、ルーエ・ベルクと申します。」

そして最後に、あの悩殺モードとかいう変な形態がある元気いっぱいの少女だ。これが1番注目すべき見た目をしているのだが、まずは魔族の尻尾のようなものが生えていたり、目には星のような柄があったり、そもそも魔力量が異常だったり、服に関しては背中はガッツリ開いていて、白色の服に金色に輝く装飾が施されていたり、水色の

天使の輪っかみたいなのを被っていたり、スカートは短いしガーターベルト着けてるし…色々見どころのある服装だ…

「私はルーモス・トゥルーク!雪国の妖精だヨ♪よろしくねー!」

クセの強いメンバーもいたもんだなー….まあいいかそれより名前はそれぞれ言い終わったから、そろそろ俺を襲った敵について話していきたい。




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