表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アーセナル 〜God’s gate〜  作者: 大質量黒穴
第一章 勇者と闘志の烈炎/勇者と静かなる清流
10/12

第一章 第十話 魔術の力

「あのー そろそろ俺を襲ったやつについて話したいんですけど…」

俺は本題に入りたいので、他の人の話を遮れるぐらいの大きさの声でそう言うと、勇者達4人が「そうだったそうだった」と言うような顔をして本題に入る準備をした。そして、俺はことが起きた経緯について詳しく解説する必要があると思ったが、リオンハルトの方が先に口を開いた。

「俺は元々この世界の人間だったのですが、ある理由で異世界の方に転移させられたのです。そして、満を辞してこの世界に帰ってこようとしたら、ゲートの先で人が倒れているのをみて助けに行ったんです。それが、ライトさんだったと言うわけです。」

「その通り。そしてそのライトこと俺はこのルーエさんの回復魔術のおかげで一命を取り留めたと言うわけだ。」

俺も会話のペースに話のペースにおいてかれないように発言を展開した。あの回復魔術は非常に高度だった。一見シンプルに見える魔術の移動も、それぞれが細胞を生成あるいは分裂促進の役割をするために、極めて緻密な魔力の操作が必要なのだが、それをこの女性。ルーエさんはある程度の集中はしていたものの、他の人々よりも実に簡単そうにこなしていたし、回復魔術の展開中も他の人と話せるほどまでの余裕があったように見える。

「ありがとうございます。石動さん。」

レクスがそう言った。レクスは元々礼儀を重んじる人ではないが、自分の家族とも言える人の命を助けてくれた人間に唾を吐きかけたりするほどくだらない人間でもない。それゆえ、先ほどまでよりは改まって丁寧な言葉遣いを選び始めた。

「そもそも、ライトが襲われたのってどこなの?」

今度はエリスがそう疑問を呈す。場所というのは大事なポイントだ。犯人は現場に戻ってくるというし、何かあいつが目的を持って俺を殺害しようとしたのであれば、いずれかのタイミングであの場所に戻ってくるかもしれないのだから。そう思考を巡らせた上で、襲われた場所について具体的に説明を始める。

「襲われた場所はここだ。学校の最寄りのバス停の場所だ。」

俺は地図を指差してそう返答した。良く考えると、こんな場所でこんなライトという非力な高校生を始末しようと理由がわからなくなった。あそこは特別人気が少ないというわけでもなく、むしろ駅からもそれなりに近いため人通りはそれなりにはいる。ならばなぜ、人の目が届くような場所で人の目が届いたら困るようなことをするのだろうか。そして、先ほどから何かが不思議なのか、リオンハルトがエリスの方をじっと見つめている。あとでその理由を聞いておこう。

「え!?こんなに近かったの?それならもしかしたら助けに行けたかもしれないのに…..」

エリスが俺を助けに行けなかったことに不甲斐なさを感じたのか、すこし下を向いて声のボリュームもかなり落ちて、顔は明らかに落ち込んだ表情に変わった。が、流石にそこら辺は女神の力の一端を取り戻した者というべきだろうか、すぐに気持ちを切り替えて話の続きを聞く姿勢を取り戻した。

「それで?」

「その俺を襲った刺客は、俺が最初に見た時は道路の向こう側にいたんだ。」

そうだ。俺を襲ったあの謎の人型のなにかは、俺が目撃した時は道路の向こう側にいたのだが、目撃されたことに気づくと悪いことを隠すかの如く凄まじいスピードで俺のそばに近寄り、俺を攻撃しにきたのだ。今振り返ってみてもそれは悪夢のような出来事だった。

「そして、そいつの攻撃は俺には見えなかった。」

あいつの攻撃は残像しか残らない程度のスピードだった。あの時、あのスピードの蹴りを避けれたのは個人的には成長を感じもしたし、普通に肝が冷えるような心地もした。しかし、揺るがない事実としてあの謎の人型は確かに一般人の反射速度を凌駕するスピードの攻撃を極めて容易く、しかも連続で繰り出すことができるという点だ。

「ライトには見えない攻撃….か。」

レクスが何かその攻撃に穴はないか、特殊な方法で見えなくなっているだけではないのかと思案を続けている。

「見た目はどうだったの?」

今度もエリスが質問する。この会話は序盤以降エリスベースで進んでいるも同然だ。俺はその質問に答えるため紙と筆記用具を取り出し、紙の方に具体的なイメージをアウトプットしていった。全身黒い影のような者で覆われていてはっきりと見えないが、黒い衣装で、マントとフードを被っていたような記憶がある。そして、何より遠隔で誰かと会話しているような感じでぶつぶつと何かを言っていた。

「なるほど….あとで対策を練る。そいつともう一度鉢合わせする前に、魔力の扱い方を習得しろ。じゃないと、そいつらには対抗出来なさそうだからな。」

レクス、やっとその気になったかと思った俺であった。だが、魔力の扱い方、すなわち魔力操作を短期間でどのように学習するのだろうか?俺には幼少期ほどではないがわずかながら魔力がある。However,その魔力は決して自分に操作できるようなものではないし、操作方法を会得したところで魔力量が少なすぎて大して意味がないのではないだろうか。そもそも、その魔力操作とやらの方法は誰が教えてくれるのだろうか。

「そもそも誰が教えてくれるんだ?」

レクスに問う。するとレクスは少しだけアイリスの方を見て、また俺の方に目線を向け直した。アイリスは向けられた目線に対してどう振る舞えばいいのかわからず困惑していた。そして、返ってきた回答は

「アイリスさんだ」

意外だった。てっきり、レクスが直々に教えてくれるものだとばかり思っていたので、ここにきてこの家のメンバーではない人から魔術を教わるのかと思った。しかし、意外だと思ったのはアイリスの方も同じであり、少し眉を顰めていた。

「はぁ?そんな話聞いてないんですけど?」

アイリスは不満を口にした。当たり前だ。この世界に来て最初にやることが、知らない瀕死の人の救助でその次にやることがその知らない人に対して魔術を教えることなのだから。俺だって、そんな状況になったら断りたくなるだろう。しかし、リオンハルトの考えは違ったようだ。リオンハルトはこのように言う。

「せっかくの機会だ。人に教えれば自分の技術の理解もさらに深まる。違うかい?」

リオンハルトはアイリスにそう問い、思考を促す。そして、リオンハルトのその声色と表情は、実際にそれを経験し続けてきた人のする、根拠に富んだ理論を展開するときの表情だった。そして、リオンハルトにそう問われたアイリスは否定したいのに実際その通りだから否定できんから困ると言うような表情をした。

「仕方ないわねぇ…..少しだけよ!別にあんたのためじゃないんだから。」

これは典型的なツンデレ構文だなぁ….だけどこの声のトーンにデレは入ってない気がするな。むしろ不満などによって攻撃的な姿勢が強まっている感じだな。俺としては、教えてくれる気になったのならそれでいい。その姿勢を維持してくれるための努力を俺は最大限尽くす必要があるだろうが、これまでもそう言うことは二度か三度かあった気がするから、特に問題なくできるだろう。

「じゃあ、今日からよろしくお願いします。」

そういってアイリスに一礼した。が、アイリスの反応はあまり良いものではなかった。どう言うことだろう?挨拶されるのがあまり好きではないのだろうか。

「じゃあ、まずは外に行くわよ。」

なるほど。魔術を使うにはスペースが必要ということだろうか。そういうことならと思いアイリスと一緒に庭の方へ出た。しかし、庭へ出たはいいものの、この後はどうするんだ?

「レクスさーん!イーグルさんでもいいけど、魔力を測定できる機械とかあったりするー?」

アイリスはレクスを呼んだ。するとしばらく間が空いた後、レクスが出てきて不思議な機械を持ってきた。こんなものあったのかよ!? 魔力を測定できる機械?何に使うんだろう。その名の通り魔力を測定するために使うのだろうが、魔力量を測って何をしたいんだろうか?

「まず、魔術を使うには一定以上の魔力が必要よ。それを測るためにこの機械を使うの。」

アイリスのいうその一定以上の魔力量に、俺の魔力量が達しているかどうかを測りたいということだろう。その機械は、金属探知機のように手に持って、対象の体にかざすことによっておおよその魔力量がわかるらしい。どういう原理かはわからないが、その数値はホログラムの画面上に現れるような仕様になっている。

「その一定以上っていうのは、この機械で言うと…5以上のようね。」

アイリスがそういうと、続いてそばで見ていたレクスが補足を入れる。

「因みに、上限は1万な。今のエリスは3000ぐらいだったはずだよ。」

「でも、魔力量数値は実際に使える魔術の威力とか持久力には直結しないから、気にしないでいいわ。あくまで指標の一つと捉えて。で…あんたの魔力量は…3ぐらいかな…..あれ?1じゃん。」

1!?俺はそんなに魔力が少なかったのか。そうすると、あの時使えた技たちは一体なんだったんだろうか….

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ