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日向の道を歩けない少年  作者: 霜月龍太郎
最終章 僕は日向の道を歩けない
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神夜月影、死す⁉

  僕は奴に言われた場所に来た。どうやら、このビルは廃墟みたいな見た目だったのに中は普通のビルと変わらなかった。

「どこだ!!」

  僕がそう言うと、奴の声が聞こえた。

「どうやら約束通り来たようだな、月影」

「どこにいる!!答えろ!!」

「残念だけど、ここにはいないんだよね」

「だったらどこにいる!!」

「さようなら、月影くん」

  奴はそう言って電話が切れた。その瞬間だった。


  「まさかあの野郎に女がいたとわな」

  私は手足と腕を縄で縛られて、柱に括り付けられていた。

「離してください!!」

  私がそう叫ぶと、お腹を殴られた。

「そういえばお前、名前を名乗っていなかったな。教えろ」

「嫌です!!」

  そう言うと、私は体のあちこちを蹴られた。

「福島光。これがお前の名前か」

  すると、死刑囚は私のスマホをカバンから取り出して、月影に電話をした。

「もしもし。今忙しいんだけど」

「よう、憎き月影くん」

「なんのようだ。なぜ光のスマホから電話をしている」

「この娘を助けたければ今から言う場所に一人で来い。もし警察などを連れてきたら」

  その瞬間、柱から縄をほどき、私を踏んだ。私は痛すぎるあまり、悲鳴をあげた。

「光!!」

「こいつの命はないぞ。タイムリミットは今から30分後、場所はこの街で唯一の廃棄ビルの5階だ」

  そう言って、死刑囚は電話を切った。

「やっとこれであいつを()()()

  そう言いながら、笑って立ち去った。


  しばらくして、死刑囚はここに戻ってきた。

「これで奴は死ぬ。最高だぜ!!女1人守れず、俺は人質を失わず、逃走できる。最高すぎるぜ」

  死刑囚はそう言って、魔王の様な笑い声で笑っていた。

「おい女、お前も見とけ。俺に殺されるあいつの姿を」

  そう言って、パソコンで私に映像を見せた。

「月影、逃げて!!」

「無駄だ。お前の声は奴には届かない。せいぜいあいつの死を見て悲しんでろ」

  そう言って、死刑囚はトランシーバーで、月影と会話していた。私の声を入れない様、私から離れた場所で話していた。

「どこだ!!」

「どうやら約束通り来たようだな、月影」

「どこにいる!!答えろ!!」

「残念だけど、ここにはいないんだよね」

「だったらどこにいる!!」

「さようなら、月影くん」

  そう言った死刑囚はトランシーバーを踏み潰し、謎のスイッチを押した。


  通話が終わった瞬間、僕のいたビルは大爆発した。僕は逃げることはできず、崩れていくビルの瓦礫に埋まってしまい、

 ()()()()


  「フハハハハ。下の階の部屋にはガソリンをまいておいて、今にも倒れそうなビルで爆弾を仕掛ける。最高の殺し方だぜ」

  パソコンの画面では瓦礫が落ちていくのが写っていた。

「そんな。 嫌だ。 月影、月影!!」

  そう言いながら、私は泣いた。ずっと月影、月影と連呼していた。何度も呼んだけど、月影が返事するどころか、画面に映ることもなかった。


  月影が殺されたことはニュースになっていた。どうやらこの死刑囚は百五十人、連続殺人事件を起こしたヤクザのリーダーだった。私はヤクザの基地にある檻に入れられた。1日3食もらえるけど、それは味のない餅とコップ2杯の水だけだった。

「頭はなぜあの女を殺さないんですか?」

「こいつを殺したら人質がいなくなるだろ。だから苦しんでるところを俺たちが笑ってやるんだよ」

「最高ですね、頭」

「だろ」

  月影。私は死んだら、月影と一緒の場所に行けるかな?私、こんな生活嫌だよ。


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