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神代兵器の自由意志  作者: ぶくっと醤油
1章
30/32

30 蹂躙の血濡れ姫...?

確か...3時間前ぐらい

先輩冒険者にオススメされた闘武聖祭というに祭りに参加するため最先端の武術と魔法が集まるシャリデスト帝国に入国し帝都にて闘武聖祭の出場登録のついでに冒険者ギルドの依頼を張り出してある掲示板を見てる時でしたっけ...


「おい大変だ!竜が帝都に接近中 大きさからして竜王クラスだ!」


ギルドの扉を蹴飛ばす勢い...と言うか蹴飛ばして開け滑り込んできた男

質素な身なりからしてDランク冒険者 依頼の中にある外壁での監視依頼に参加していたのか

それにしても竜王とな


「落ち着いてください 今ギルドマスターを呼んできます!」

「おいあんちゃん 水飲んで落ち着け」

「そうだぞ 取り乱してたら説明が上手く出来ないからな」

「あぁ...ありがとう 頂くぜ」


竜王クラスと聞いた途端受付の人がギルドの最高責任者であるギルドマスターを呼びに

周りの冒険者達が事態を1番把握しているであろう慌てている男を落ち着かせている

自分のやる事を皆理解している証拠だ 手際がいい

ぼへぇっと見てると誰かが肩をつついてきた この空気の中でナンパか?


「ちょいちょい」

「あら?誰かと思えばバグルスじゃないですか」

「久しぶりって程じゃないかな それでどうして帝国いるの?」

「闘武聖祭で名を広めるためです バグルスは?」

「勇者一行が帝都に来てるんだよ それで3人が祭りに参加するみたいでね ほらあそこ」

「あぁ...」


バグルスが指さす先には受け付けの反対側にある酒場のテーブルで事の成行きを見守ってる3人組

勇者一行の中では主力だったとリーリエに聞いていた気がする

まぁそれは一旦置いておいて


「竜王が来たとは本当ですか?」

「正確には竜王クラスだけど確かに来てるよ 到着まであと18分だよ」

「そうですか...」


竜王 竜人族と同等の力を持つ魔物として進化を続けた竜

走攻守全てに長けていて生半可な攻撃は効かず高い防御力を持つ防具を装備していても油断すれば一瞬で殺られる

高高度から高速高射程高火力の攻撃を一方的にぶちかましてくるし高い機動力のせいで全く攻撃が当たらない厄介な魔物だ

高い戦闘力を有する魔人族が数百人相手でも余裕綽々としているのが竜王 その高すぎる火力は余波で周りの地形を変化させ不毛の地へと変える 正に災害


が神代の竜王で...


戦闘の質が落ちすぎたせいか竜王[クラス]なんて物になってしまった竜王と呼ばれている竜は昔の面影なんて無いでしょうに

龍の1歩手前である竜王が[クラス]なんていう人間の強さの枠組みに入れられるなんて悲しい事もあったもんですね

特に神代にて数々の竜王が夢見た理想の竜王を形にしたバグルスにとっては侮辱に等しいはず

彼の部下には神代では名を馳せていた数々の竜王なる存在がいるからなおのこと


「竜の能力は?」

「防御特化型の魔術応用だ」

「典型的な爆撃タイプですか...」


竜にはいくつか戦闘体系がある

攻撃特化型 魔法応用の戦闘タイプ

防御特化型 魔術応用の爆撃タイプ

速度特化型 魔術応用の遊撃タイプ

これ以外にも竜の戦闘体系は存在する

攻防特化型 魔法応用の近接タイプ

攻速特化型 魔術応用の遠距離タイプ

防速特化型 魔法応用の指揮タイプ

などなど

この中でも走攻守全てが高水準な竜王は安定性を求めるがために爆撃タイプが多い

高高度から火力増し増しの一撃を一方的に撃ってくるのだから面倒なこと極まりない

対処法はたった二つ

撃ち落とすか飛んで叩くか

後者は動きに制限がかかるため竜相手にはオススメできない

よって安全に倒すには遠距離攻撃での撃ち落としなのだがこれは遥上空の敵を撃ち上げ状態で狙撃することになるので威力がまったくない

正直言うと詰みだ


「どうする?僕は別の3人を監視するけど」

「どうもこうもありません 踏み台になってもらいます」

「オッケ じゃ闘武聖祭頑張ってね 見に行くから」


自由奔放に見えて案外しっかり者のバグルスに今の私から言えることはこれだけ


「しっかり働いてください」






「いいかお前ら 目的はあくまで竜王の撃退だ 深追いはすんなよ絶対にな これから作戦内容を話す」


東門と南門の間ぐらいの場所で冒険者達が集まっている

総数はなんと54人 今どきの人族が相手するには少々不足では?

しかもしれっと勇者3人までいるではないですか

勇者と聖女の格を持つ2人はいるが賢者の格を持つもう1人はいない 別の3人の中か...

実は前々から隊長が呟いたとある事柄を確認したかったが仕方ない

仮説と言うのは簡単 格を持つ3人は''魔物''に対しては強いのではないかという仮説

魔人族はある意味魔物だ 故に対人ではなく魔物に対しては強くなるのではないかという仮説にも満たない安直な考え

それを確認したい


「いいな?アタッカーはディフェンダーが作った隙を全力で突いて後退の一撃離脱だ」


おっと 作戦内容を全く聞いていなかったが今ので把握した

なら当然私はアタッカー なら勇者達もアタッカーに違いない

後ろからじっくり観察させてもらいますよ


「準備はいいな?では行くぞ!」

「「「「おォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」」」」






一振り 翼が飛ぶ

二振り 四肢が飛ぶ

三振り 首が飛ぶ

遅れて降り注ぐ血の雨

無惨にもバラバラになった竜の死体


「「「ウオォォォォォォォ!!!」」」


たった3回の攻撃で骸と化した竜を見て男達が野太い雄叫びを上げる


「よっしゃぁ!」

「やったね!」

「危なかったぜ...」


死体の周りで安堵のためか腰を抜かしている男2人と女1人の3人組

阿賀野 幽砕這率いる勇者一行の3人


「今や竜王ですらこの程度ですか...」


竜の頭の上で落胆するバラバラにした張本人

まぁ私ですよ

落胆する理由は二つ

勇者が弱過ぎること

竜王が弱過ぎること

勇者が弱いのは知っていた 魔人族よりも弱いから

それにしても弱い 3回に渡る突撃で見た勇者の攻撃は確かに火力はあった

大段上からの大振りに魔法による強化を得た高火力の攻撃

なのに出ている火力と言えば私が最低出力で同じ攻撃をした場合の10分の3でしかない

神代では魔法の補助無しに大剣を振った一般兵と同じぐらい

元暗殺者とはいえ召喚によって何かしらの加護を得ているのだからもう少し火力があってもいいのではないでしょうか...

それと竜王

これでは神代のワイバーン(下位竜)と変わらない

様子見で半分の出力を出して切ってみれば竜は驚いて転んで翼が切れた

次に最低出力を出して切ってみれば竜は慌てて躱そうとして足が切れた

私はそれで飽きたので脱力して叩きつけた竜の首がチーズのようにスっと切れた

落胆だ 落胆でいっぱいです

出発から接敵で5分 戦闘開始から私が参加した突撃四回目までで7分 私が竜を叩き切ったのがおよそ8秒

たった12分の出来事の中で皆決死の覚悟だった

私は思う


「これぐらいで大袈裟では...?」


私は神代を知るから彼らとは基準が違うのは自覚している

それでも考えなくてはいけないのだ

ここまで衰退してしまった人間達のことを


「あの お見事な剣術でした!」

「カッコよかったぜ姉ちゃん!」

「ゆーくん!?」


ぼへぇっと竜の亡骸を眺めていたら勇者3人組が声をかけてきた 正確には2名だが...


「いえ これでも冒険者の端くれですから」

「おぉ...」

「カッケェ...」


やれやれ 彼らも勇者一行とはいえやはり少年 剣技や武器といった危ない物に興味を示した様子

それにしても聖女の格を持つ連れの少女の眼力が凄い 嫉妬の感情が多分に含まれている

その眼力だけで低ランクの魔物を殺せるかもしれない


「お名前はなんと言うんですか?自分はユサハ・アガノと言います」

「俺はマサル・オオツバだ」

「私はアリサ・ヴォルデモリッション Aランク冒険者です」


アリサ・ヴォルデモリッション この名前を出した瞬間2人は目を剥いた

もう1人はさっきの嫉妬たっぷりの眼力は何処えやら目を見開いている


「Aランクのアリサさん...ってことはあの''蹂躙の血濡れ姫''ですか!?」

「じゅ...蹂躙の血濡れ姫...?」


えっなにその蹂躙の血濡れ姫って いつの間にそんなに物が?


「はい!敵を一切寄せ付けず一方的に切り捨てる姿は正に蹂躙 返り血を浴びたその姿は神をも魅了するってフレーズで冒険者の間で有名なんですよ!」

「すっげ モノホン!モノホンだ!」


敵を一切寄せ付けず一方的に切り捨てる姿は正に蹂躙?返り血を浴びたその姿は神をも魅了する?フレーズ...?そんな話一度も聞いたことないのに有名...?いったい何が...?

いけない...思考回路が混乱してる...1回落ち着かないと...


「人族史上最速でのSランク昇格は確実ともっぱら噂でして...前々からどうしてそんな強さを身に付けたのかとかどうしたらそんなに強くなれるのか...会って聞いてみたかったんです!」

「は...はぁ...取り敢えず落ち着いたら聞きますので」

「本当ですか!?ありがとうございます!」


蹂躙の血濡れ姫...もしかしてバグルスは知っていたの...?

それよりもこの異名はまずい

リーリエから笑い物にされてしまう...!

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