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女性を助けるため、暴漢を殺めてしまい全てを失ったが、助けた女性が「今度は私が…」と手を差し伸べてくれた。  作者: nayaminotake


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第4話

拘留から2週間……


「あぁ、弁護士とかお願いするかもしれないからその時は頼むよ」


「えぇ任せて、調べておくから」


本日も妻である春香が面会にきてくれている


「ところで、春香最近すこし元気になって来たんじゃないか?」


「え?あぁそうかも、最近貴方の元後輩の池月さんと荒田さんが、休日になると実家の方へ麻由里と遊びに来てくれてね、麻由里も大喜びなの」


「あぁ荒田さん、ウチの会社に入る前は保母さんになりたかったって言ってたからな、まぁ池月の方は意外だったが?」


「フフフ、もしかしたら荒田さんへのアピールかもよ?」


「なるほど、確かに荒田さんは家庭的な雰囲気あるし、池月の好みかもな」


「―――!?あっ御免なさい、貴方。私いま麻由里のこと池月さんに預かってもらってて、迎えに行かなきゃ」


春香はスマホを確認して慌てた様子でそう口にした


「アハハ、それは池月が麻由里に振り回されてないことを祈るよ」


「まぁ!麻由里に貴方がそんな事を言っていたって告げ口しちゃうわよ?」


「降参だ降参……、それじゃ春香。俺も自分の無罪を掴むために頑張るからお前は麻由里のこと……」


「えぇわかってる、心配しないで!」


そしていつも通り名残を惜しみながら透明な壁を隔て笑顔で手を振って別れた。


「……まて、鳥居、このあともう一人面会だ」


席を立ち後ろで議事をとっていた警察官が俺の方へ視線をむけることなくそう口にする


「?…はぁわかりました」


両親は昨日に面会したし、会社関係か?


――いや無いな……まだ罪も確定してない俺を解雇するような会社だ


そう、俺は1週間前に会社から解雇を言い渡されたのだ、大学を卒業し入社した大手商社


数億円規模の契約を成功させ一気に出世街道に乗った俺は34歳の若さで異例の大出世……


それなりに会社に貢献してきたはずだった…が、切り捨てられる時はあっさりしたものだ


その為にも早く裁判で俺の無実を証明し、こんな場所から出ないと


ガチャ


そんな事を考えてると目の前のドアが開き、一人の若くあどけなさが残る茶髪のセミロングが特徴の美しい女性と俺より少し年上だろうか?知的な眼鏡が印象的なショートヘアの美女が席に着く


俺はマイクのボタンを押し


「えっと…失礼ですがどなたですか?」


「鳥居様、その前に……大変申し訳ございません私はこういう者です」


≪滝川弁護士事務所 所長兼弁護士:滝川花音≫


名刺と共に弁護士バッジを警官に見せる


「この通り、これより弁護士と弁護人による接見を行います、防音壁を解除し速やかに立会人は御退席下さいますよう」


警官は忌々しそうにノートの上にペンを置くと


「時間は守れよ」


「あいにくですが、刑事訴訟法39条1項で弁護士と弁護人との接見は時間の制限を設けることは出来ませんよ」


「ちっ……好きにしろ、ただ時間に遅れたら飯抜きだからな!」


バタン!


立会人の警官が部屋を出てった瞬間、目の前のアクリル少しずれ、丁度顔の前になる位置に穴が現れた


「べ、弁護士!?」


「ご挨拶が前後してしまい申し訳ございません、私、滝川弁護士事務所で代表と努めてます」


滝川花音たきがわかのんと申します、この度、鳥居様の弁護を仰せつかりましたのでどうか宜しくお願いします」


妻が……春香が手配してくれたのだろうか?


いや、弁護士の話をしたのは今さっきだ、いくらなんでも手際が良すぎる


「その節は、危ないところを助けて頂いてありがとうございました」


茶色く美しい髪をサラッと流しながら丁寧に頭を下げた


「えっと、君はもしかして……」


「はい!以前公園で暴漢に襲われてた所を鳥居様に助けていただいた……」


角田真理すみだまりと申します」


「あぁ、やはりあの時の!」


夜の公園でよく顔は見えなかったが、俺が手を差し出したときのあの恐怖に満ちた茶色い瞳を俺は忘れる事は出来ない


「あ、あの時は…その、混乱してる上、怖くて…その、鳥居様に失礼な態度を」


どうやら俺の表情からあの時、拒絶されたときの事の状況を思い出したようだ


「いえ、あんな事があった訳ですから、仕方ないことです」


コホン


隣で滝川さんが咳払いをして会話を遮る


「角田様、ようやく叶った面会の場ですが、本来の目的は私が弁護に必要な情報のすり合わせです」


「あっ!ご、御免なさい花音さん」


慌てて肩を丸め反省する角田さん、その仕草にはやはり少しあどけなさを感じる


――それから俺はあの晩に起った事の事実のみを弁護士の滝川さんに包み無くつたえ、今拘留中に警官から向けられてる間違った疑念についても同様に相談した。


「あの晩鳥居様の身に起った事については、概ね理解したしました。こちらの角田様の証言ともほぼ一致します。」


「――とくに、助けてという叫び声を聞きつけて…という、点は御本人である角田様に証言してもらえればかなり有利になるでしょう」


「よかったぁ――」


俺よりも隣の角田さんの方が安心したように胸をなでおろしている


「留置所内の鳥居様の扱いについては、私どもの事務所から抗議という形で抑制するようにします」


「是非よろしくお願いします。――ところで、滝川先生は誰からの依頼で…」


そこまで口にした所で隣の角田さんが小さく手を上げる


「隠す事でも無いので、お伝えしますと私は角田フーズの顧問弁護士という立場で、彼女はその角田フーズの社長のお嬢さんで、会長の御孫さんにあたる方です」


「す、角田フーズの社長令嬢!?」





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