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女性を助けるため、暴漢を殺めてしまい全てを失ったが、助けた女性が「今度は私が…」と手を差し伸べてくれた。  作者: nayaminotake


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第1話

「ひっ!」


人気のない夜の公園に女性の引き攣った悲鳴が聞こえる...


ピンクのスーツを着た女性...上着のボタンは千切れ薄いピンクのシャツはビリビリに割かれ、その下にはふくよかな乳房が半分見えてしまっていた。


そんな女性と俺の間には仰向けに倒れ高等部から血を流し白目を剥いて倒れてる男が…


「はぁはぁ……だ、大丈夫ですか?」


自分自身で何が起ったのか分からない俺は、無意識に地面に尻もちをついている女性へと手を差し出す。


「ひっ!こ、来ないで!」


「え?」


しかし女性は俺の差し出した手からその身を遠ざけるように、後ずさり俺の方へ恐怖に歪んだ美しい顔を向けた


俺は女性が拒否した自分の手を見つめる


「あ、あれ?何で俺震えて……」


「動くな!!!」


!?


急に視界が真っ白になり目が眩む


目の前を手で覆い隠し、光源の方へ視線をむけると薄っすらと人の姿が……


「おまわり……さん?」


シルエットから警察帽が確認出来たので咄嗟に警察官だと認識した


「動くなと言っている!!逃亡しようとしたり変な動きを見せたら警告なしで発砲するぞ!!」


どうやら警官は左手でライトを右手で拳銃を握り俺の方へ銃口を向けているぽい


………!?


頭の中が混乱していて状況がうまくのみ込めていなかったが、今ようやく理解出来た


「ちょっ!?待って下さい!俺は襲われていた女性を助けただけで!」


「事情は署の方で聞く」


ガチャ


金具が擦れる音と共に俺の両腕に冷たい金属の感覚と重量感がのしかかる


「!?せ、先輩!?」


「池月……」


警官の背後には、驚いた顔をした茶髪の青年が俺の方を呆然と見つめており


その視線がゆっくりと下がり俺の両腕に付けられた手錠へ


「大丈夫だ、池月……ちょっと警察署に行って事情を説明すれば分かってもらえるから」


後輩を安心させようと無理やり笑顔でそう答えてる間に、警官は救急へと連絡を入れていた


――俺は、手錠をされたままパトカーの後部座席へと押し込められ窓から呆然と夜の公園へ眺める


奥の方では警官が池月に何やら事情を聞いてるみたいで、ボイスレコーダーを片手にしきりにメモを書いている


いっぽう女性の方はベンチに座ってずっと俯いたままだ


…しばらくして、サイレンと赤色灯の明かりと共にストレッチャーを押しながら数名の救急隊が公園へとなだれ込んできた。


救急隊らはまず頭から血を流し倒れてる男性をストレッチャーに乗せ、続けて救急車に乗せると再びサイレンを鳴らし走り去った


女性の方には、同じく女性の救急隊員が付き添い暫く話をしていたが背中を支えられ別の救急車へと乗り込んでいった


(はぁ――後輩と飲みに来てとんでもないことに巻き込まれたな...)


手錠に繋がられた腕に巻かれた時計を確認すると、時刻は既に23時を回ろうとしている。


(春香も麻由里も、もう寝ちゃったかな……)


まだアルコールでフワフワしている頭の中で、愛する妻と小学4年になる娘の笑顔が浮かんでくる


「早く顔を見たいな―――」


そんなことを呟いていると


バタン!


運転席のドアと俺が座ってる反対側のドアが開き先ほどの警官ともう一人別の警官が乗り込んで来た


「では署の方で詳しい事情を聞かせてもらいます」


「はい」


短くそう答えると、警官同士示し合わせたように頷きパトカーはサイレンと赤色灯を回しながら公園を後にした……


「あ、あの一緒に来ていた会社の同僚……彼は?」


「黙って!」


池月の事を尋ねようとしたが隣の警官に一蹴され口をつぐむ


(だ、大丈夫だよな……女性が襲われていたから助けただけだし……)


徐々に酔いが醒め始めた頭の中では、先ほどまでの余裕と自信がなりを潜め、今の自分の置かれてる状況を冷静に把握し頭のてっぺんから背筋にかけて冷たい何かが蠢くような感覚に震えが止まらない




―――そして、これがこれから始まる地獄の日々へと幕開けになることを今の俺は知らない






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