目覚め
柚子野にしき、27歳、独身!!
私は金魚が人魚になった平行世界にきていて、とまどいつつも、こちらの方が現実になりつつある今日…見合いをします!!!
といっても、まずは顔合わせということで、近くのスーパーのフードコートにきてもらうことにしました。(やっぱり知らない人に会うのはこわいし)
※このスーパーは私が勤めているスーパーではありません。
私はおはぎについてきてもらうことにしましたが、相手も誰か連れてくるようで、ダブルデートみたいで楽しみです。
「あれ、あの人達かね?」
素早くおはぎが男性2人の姿を見つけた。
彼らがこちらに向かって歩いてきた。
あれ?
私は目を覚ました。
目覚めたら自分の部屋のベッドの中だった。
今までのことは夢だったの!?
起き出して水槽へ向かうと水槽にはいつものように琉金がいた。
夢だったのか…?それにしてもずいぶんリアルな夢だったな…
おはぎと名付けたあの人魚との日々は夢だったとしても幸せだったな。
私はスマホの日付けを確認して、スーパーの品出しのパートの日だったので仕事へ行った。
家から少し歩くとスーパーに着いた。
「おはようございます!」
私は職場の人に元気よく朝の挨拶をする。
「おはようございます」
職場の上司の坂倉さん(男性、独身)は、にこやかに挨拶をしてくれる。彼は私より2歳年下だ。同期の2人の女性(私より5歳年上の既婚)の須藤さん、谷山さんも挨拶をしてくれた。
谷山さんは旦那さんがいるのにも関わらず上司の坂倉さんのことを好きになってしまったようだった。そして谷山さんは私もその上司が好きなのだと勘違いをし、仕事でもライバル視をしてくるようになったのだ。
しかし、それらをなるべく気にしないようにし、私はいつものように、品出しや、パンの発注などをして帰ってきた。
ちなみに、おはぎがいる人魚の世界では、須藤さんも谷山さんも独身で、名字も古家さんと千波さんという旧姓だった。上司のことが好きな千波さん(古家さん)は、アプローチをしたのだろうか、または告白されるように仕向けたのだろうかと思っていたのだが、上司の坂倉さんの方が千波さんを好きみたいで、こっそり付き合っているのだそうだ。と、古家さん(須藤さん)がそっと私に教えてくれたのだ。
帰りたい。あそこの世界へ行きたい。人魚がいる、おはぎのいる世界へ。私はそう思いながら家へ帰ってきた。
【今度変わったらもう2度と戻れない】
そんな意識が自分に流れてきた。
あれ?
また意識が変わった。
目の前に人間の姿に変身した50代位の女性、おはぎがいた。周りをみたら、そこは待ち合わせのスーパーのフードコートだった。
元の世界に戻ってきたのか。人魚の、おはぎのいる世界に。
私はほっとした。
「柚子野さんですか」そう話しかけた、爽やかな男性2人がそこに立っていた。




