見合い相手の視点
「今度見合いをすることになったんだ。」
にしきの見合い相手の人魚マニアの男が言い、それが写っている冊子を友人に渡す。
「どの子だよ」
友人は、人魚のコスプレ姿の女子校生が写った冊子をめくると、10年前の写真とはいえ、かわいらしい少女達の写真が1ページに1人ずつ写っていた。学年と組、名前も印刷されてあった。
「見合い相手が高校三年生の時の写真みたいなんだ。名前は柚子野にしきというんだ」
友人は、3年3組、柚子野にしきという名前を探し、写真を見た。
「!?」
人魚ではなく半魚人っぽい装いだった。
全身緑と青の中間みたいな色の布をまとい、両腕の所以外にはすべて、魚のうろこのような物をイメージして作った物体を隙間なく貼り付けていた。
顔は普通の高校生女子の顔で、髪型は黒いボブカット、そのままだった。
首と手首に貝殻で作ったアクセサリーがつけられていて(おそらく海へ行って拾ってきた貝殻で作ったのであろう)頭には自作のヘアバンドがつけられていた。ヘアバンドには青の羽をイメージしたような模様の物が右と左につけられていた。手と尾びれは同じ色や材質からできている物を使っているらしく、水かきが出来る手、今にも泳ぎ出しそうな尾びれ、これらを作るのにかなり時間を要したであろうと予想できた。
友人は、人魚といえば、ちょっともう少し、かわいらしく色っぽいイメージを想像していたため、少しがっかりしたようだった。
柚子野にしきは『ざ・おたく』という感じで、色気ゼロだった。むしろ少し薄気味悪さも感じたほどだった。




