表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/65

剣舞

「この質量に耐えきれるか」


ヨムサメが腕を下ろした瞬間、大小様々な剣が此方に豪族で飛来する。


「うおっ!?」


「くっ!これは」


「第4節派生〈結界防壁シールド〉」


ルーシルが両手を前に突き出し眼前に分厚い結界シールドを展開する。

だがしかし


ガン!ガン!ガシャン!!


ものの数秒で結界が破壊される。

数瞬の内にヒロが巨大化した聖剣を地面に突き立て即席の障壁バリアとするが、それも長くは持たないだろう。


(それにあの弾丸剣、それぞれに属性付与(エンチャント)されてる。だから結界シールドも簡単に破壊されている。防御は寿命を縮める行為だろう……ならこれしかない!)


僕は意識を鎮め頭に具体的なイメージを浮かべ、それが出来るという確信を得て魔法を唱える。


「第2節〈物体支配サブスタンス〉」


それと同時に全ての剣が停止、剣の雨が止んだ。


「今だ!」


僕は支配に意識を割かれているため、動けない。だから声を上げ合図を出す。

それの意図を察知した皆が一斉に畳み掛ける。


「聖天の豪雷ホワイト・サンダー


「聖炎の滅却ディストラクション


「第5節〈浄魔結界エクソサイス〉」


聖なる結界に閉じ込められ動きが鈍っている隙に、聖白炎と聖雷が奴に襲いかかる。

これは流石に無傷では済むまい。誰もがそう思ったが、信じられない現象が目の前で起こる。

奴が正眼に構えると、それに同調リンクしたかのように拾振りの刀も正眼になる。そしてヨムサメが弱体化デバフの影響を感じさせた無い凄まじい速度で剣を振るう。百花繚乱の剣閃吹雪が咲き乱れ、それが咲き終わると無傷の奴がそこに佇んでいた。


「「「は?」」」


まさに有り得ない光景に皆が目を疑った瞬間、奴はその隙を逃さず弾丸剣を飛ばす。


「同じ事!!」


ズシュ!!


僕が直ぐに支配にかかるが、突如僕の肩を何かが貫通した。


「ぐうっ!」


咄嗟とっさに肩を見ると、そこには視認しにくい透明な刀が突き刺さっていた。


(これ効果がない代わりに透明なのか!)


当たり前だが、その隙を突かれ容易に懐に侵略される。

急いでルーシルとヒロがカバーにくる。すると何と奴はそれを見越していたかのように急激に方向転換。ヒロを襲う。


「なっ!」


それに意表を突かれたヒロは迎撃の袈裟が遅れ、万全を期したヨムサメの防御に阻まれる。それはヒロの窮地、奴が片手で横薙ぎ。


「はっ!」


(これなら皮一枚斬らせるだけで済む)


ヒロが急いでバックステップ、だが予想と違うことが起きる。


「ガハッ!」


何とヒロの腹を深々と刀が抉っていた。


「何が……」


(ここまで深い傷にはならねえはずだ……)


深い刀傷それに加え呪いの蝕みによりヒロが膝を付く。


「終わりだ、勇者よ」


奴が脳天を狙ったコンパクトな一撃、だが眼の前でヒロは殺させない。

片腕だけで刺突を放つ。


「意味無し、哀れだ」


僕の両手でない突きでは威力が出ず、オートの剣閃にまで防がれる程に低下している。だがまだ見せてない手はある。


「第3節〈身体操作コントロール〉」


「むっ!」


奴の腕が機能を一時的に停止、ヨムサメの命令を受け付けない。


「くっ!」


とはいえ支配できる時間なんてコンマ数秒、だがその時間さえあればルーシルとポルカの攻撃の時間には十分過ぎる。


「はっ!」


「……」


閃光のような忍者刀による喉への刺突と、僕に殆どの射線を隠されながらもルーシルは射線に入れずヨムサメだけを狙える死角からの完璧な軌道をなぞる神がかったポルカの頭部への弓矢での射撃。だが奴はルーシルの攻撃を極限の見切りで回避し、矢を手の平で受け止めた。手が聖火で炎上しかけるが、その前に魔力で無理矢理消火。しかも魔族にとっては猛毒であり激痛を伴う聖属性魔法を食らってなお痛みを無視し、即座にルーシルの背骨を断たんとする強烈な逆袈裟が跳ね上げる。


フッ……


だがルーシルはそれすら織り込み済み。逆の手に握られている苦無の刺突がヨムサメの腹を襲う。


「悪くない」


それを奴は半身になって回避、だが僕への意識が疎かだ。


「はっ!」


「終わりです」


僕の上段とルーシルによる横薙ぎが左右から襲う。逃げ場なんて、無い!

だが奴はこの窮地ですら冷静だった。


(彼等の速度は覚えた。なら片眼ても、某ならば出来る!)


フッ……


僕達の視界からヨムサメが消える。


「なっ!」


(馬鹿な!)


「……!?」


何と奴は深くしゃがみならが少しのバックステップを踏むという高度な体捌き(たいさばき)により、見切りによる安全地帯あんちへの移動を実現する。その位置はヨムサメの胴体を狙えるポルカの弓の射線を今度はヒロで隠せる絶好の位置でもある。


「「!?」」 


更には僕達の頭上には一面ぎっしり並んだ剣が此方を向いてもう落下している。これを防ぐには魔法か刀での迎撃しか無い。だがしかしそれはもう既に下からの切り上げに移行しているヨムサメから目を離すという愚行中の愚行になる。ポルカが急いで剣の塊を弾き飛ばす魔法を構築している気配がするが、間に合わない。


(不味い……詰んだ)


僕の脳が高速で回転するが、結果は「死」のみだった。だが


「俺を舐めんな!俺は勇者だ!」


何とヒロが頭上に向かって最大出力の聖炎を打ち出し、刀を全て燃やし尽くす。それと同時にヨムサメに向かって横薙ぎをしている。


「何!?」


(まさか、これ程までとは!?)


それは奴にとっても計算外、そりゃそうだ普通ならもう動けない。


(これを止めるには防御他ない!)


急いで奴がヒロの横薙ぎを止める。

だが 


「よそ見!!」


肩は出発前に掛けてもらったリンナの魔法によって全快している。

僕とルーシルは上段に振りかぶる。しかもヒロが動いた事で射撃がある。


「これ程までとは……見事だ」


そして奴の背目掛け決着の一撃を振り下ろした、だが


ガァン


ヨムサメを守るように展開された赤褐の刀に刀も矢も阻まれる。


(全力ならいける!このまま押し通す!)


僕とルーシルが前腕……いや全身に力を込め意地でもここを通すという気迫を持って振り切りにかかる。ポルカも刀と頭、胴を狙う3本の矢を構え……放った。だが矢が着弾する前に赤褐の刀が突然発光し、僕とルーシルの顔を白く照らし上げる。


(何だ!……まさか爆)


ドガァァン


辺りを震撼させる大爆発が僕達を飲み込んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ