激戦
「聖氷の縛鎖」
「断罪の業火」
ポルカがヨムサメの足を縛り付け、そこにヒロが聖なる白炎を浴びせるが
シン
いとも簡単に鎖と炎が断ち切られ、次の瞬間には空間を切り取ったかのような踏み込みで僕の懐に侵入している。
「くっ!」
(また入られた!奇妙な感覚だ、いつの間にか潜られてる。慣れに時間がかかるな)
即座に僕は奴の唐竹を刃で受けて止める。その瞬間にはルーシルが奴の後に張り付いている。無音の鋒が奴に迫るが
「この前見た、同じ動きをするな」
顔を傾げて躱し、更に後蹴りをルーシルに繰り出す。
「くっ!」
ルーシルが奴の制空圏からバックステップで飛び退くと入れ違いに、ヒロが聖剣を上段に掲げ振り下ろす。
「はっ!」
「……」
(まだ見れる……ここッ!?)
バシュ!
咄嗟に奴が強烈なバックステップを踏むが、それより早く眼球を切った。こので奴は暫く片眼が使えない。
「ぐっ!」
(剣を伸ばしたのか、それによって某の見切りが狂った)
無理矢理なバックステップを踏んで体勢が崩れている。その隙を逃すほど僕達はぬるくない。
ルーシルが印を組み結界で拘束し、そこに僕が斬りかかる。
「ふむ」
カァン
だが奴は背後からの唐竹に反応、拘束を切り払いながら受ける。刀を押し込んでいく。
ギリギリ
「押してダメなら引いてみな!」
僕は突如として後退する。それによりヨムサメの刀が僕の刀の勢いに引っ張られ少し体勢を崩した。そこを狙ったポルカが魔法を叩き込む。
「天罰」
ブン!ババババ!!
聖なる極光が辺りを激しく照らすが、直後に赤黒い不気味な剣閃がそれを食い破る。なんと奴はあの魔法を無傷で突破してみせた。
「今度は某から行こう」
またゆらりと奴が動いた時にはポルカの懐に入り込んでる。
「不味い!」
(近距離型じゃないポルカは認識出来ずに死ぬ!)
ルーシルが苦無を投げるが、不可解な《《白い剣閃》》に弾かれてしまう。
「まずは1人」
奴が最速の突きを放ちポルカの喉を突きにかかるが、ヨムサメの後にピッタリと引っ付く影が出来る。
そしてその影が豪快にヨムサメの背中を叩き斬る。
「ぐおっ!!」
ギリギリで反応し半歩前に出て身を捻る事によって致命傷は回避したもののかなりの深手だ。奴は即座にバックステップを踏み離脱する。
「おっしゃ!やってみたら出来たぜ!」
なんとあの暗殺者のような動きはヒロがやったのだ。まるでルーシルのような本物の暗殺者の動きだ。
「何だよ、その動き」
俺がヨムサメから気を逸らさないように話しかける。
「ルーシルの動き、真似たら出来たわ」
「成る程な、相変わらずだな」
(流石は主人公。化けもんか)
そして暫く膠着状態が続き僕達が痺れを切らし飛び出そうと構えたその瞬間、奴がスルッと動き懐に侵入してきた。
「またか!」
(上手いな!でも、もう反応できる!)
タイミングにもう慣れた。すぐさま迎撃の袈裟を落とす。だが奴は防御の姿勢を取らない。
(は?阿呆なんか?そんなんしたら斬れるぞ)
だが刀が奴の身を食む《はむ》寸前で刃が何かに止められる。
「は??」
そして奴が下から刃を跳ね上げる。
(不味い!回避できない!)
「どらぁぁ!!」
だが突然横を蹴られた感触の後、僕は地面を転がる。
(うおっ!ヒロか。助かった……)
だが完全には回避出来ていなく僕の胸には刀傷が出来てた。その数瞬後、赤黒い瘴気が立ち上り徐々に傷口が大きくなっていく。それに傷口からは僅かに腐敗臭がする。早いとこリンナに見てもらわないと死ぬな。
「痛えな……」
ヒロの方を見ると僕を蹴って庇ったため脛の浅い傷口から瘴気が立ち上っている。
僕は立ち上がってヒロの元に向かう。
「すまん」
「いいぜ別に、助け合いだ」
(でも僕も何の収穫も無くやられてはない!)
そして僕は皆に聞こえる声で話す。
「あいつまだ刀持ってる、正確に言うとあいつの周りに剣が浮いてる。それで防いだり斬ったりしているんだ」
「ほう、よく分かったな。そうだ、某の固有能力〈剣舞〉によるものだ」
奴の背後に色の付いた大小様々な剣が此方を向いて並ぶ。
「では第2回戦と行こう」




