奇襲
朝7時最終打ち合わせをして作戦会議で決めたグループに分かれる。
「頑張ってください」
「ぶちかましてきて来なさい!」
「ここは任せておくがいいぞ」
「はい、行ってきます」
「ああ、ぶっ飛ばしてるぜ!」
「微力ながら2人のお手伝いさせていただきます」
「行ってくるね〜」
(ここからが本番だ、気を引き締めていくぞ)
頭を冷やし逸る心を鎮め戦場へと身を投じる覚悟を固めた。
ーーー
そして山を生い茂った緑をかき分けて山の端へと出ると、そこには巨人が地面を踏み抜いて出来たかのような断崖絶壁の渓谷があった。
「ルーシル、頼む」
「はい」
彼女が目を閉じると、渓谷に透明な結界の橋が架かっていく。
「行くぞ」
「おう」
声を限りなく抑え橋を走り抜け向こう側へと到達、遅れてルーシルも渡る。
(『アグニ』の昨日の夜にあった最後の報告では僕の予想通り、攻撃班と防衛班に分かれて朝8時頃に侵攻してくるとの事。だから僕達は攻撃班が出発するところを見てから攻撃する)
そして木の上から奴らの本拠地を息を殺し気配を絶ってじっっと見つめること5分後、奴らに動きがあった。外に『アグニ』を始めとする攻撃班が出てきた。そして奴らが出発したのを確認してアイコンタクトを取り各配置に着く。
『3・2・1、今だ!』
合図と同時、ルーシルが奴等のアジトを丸ごと覆い尽くす巨大な三角柱の〈浄魔結界〉を展開
「圧縮」
そして結界が収縮し、中で聖なる魔力が荒れ狂い――爆ぜた。
ドゴーーン
奴等の拠点どころか周りの木々や地面を抉り消滅させ、地面には大きなクレーターができる。
「……これ、全滅したんじゃねえの」
「……ハハ、頼もしいな」
「私の出番無くなっちゃった……」
僕達は乾いた声しか出てこ無かったが気持ちを切り替え早急に要塞に戻ろうとした時、僕の背後から『死』の予感を気取り即座に本能で前方に弾け飛ぶ。
シン
そして後ろを振り返ると僕の元いた場所には赤黒い剣閃が奔っている。
「……生きてたのか」
「ギリギリだが貴様らの気配に気付いたから退避した。まさかこうなるとは思ってはいなかったであるが」
『ヨムサメ』が視線を僕達が跡形もなく壊滅させて出来たクレーターへと目をやる。
「いざ、参る」
こうして第3章のボス戦が火蓋を切った。




