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作戦会議

亡くなった方達を僕の展開した『亜空間』に収めてから僕達は作戦会議室に入った。


「今回の襲撃で人員と兵器が約半分になってしまったか。しかも城塞にもダメージが入ってしもうた、厳しいの」


すると作戦室の扉が開きリンナが入ってきた。


「カンジ殿はどうじゃ」


「呪いと傷どちらも治せは出来ましたが、2日は絶対安静ですね。呪いがかなり強いです、今はポルカさんに付いてもらってます」


「……そうなれば向こうは明日に短期決戦を仕掛けてくるじゃろうな、今日の夜には向こうの援軍が到着する予定じゃしの」


「あっ、それについて1つ報告が。援軍である『爆弾魔アグニ』はもう既に僕の手に墜ちています」


「何じゃと?嘘ではないな」


彼が内面を抉り取るような凄まじい眼力で僕を見つめてくるが、僕は目を一切逸らさずにこう答える。


「はい」


「ならば攻めるのは明日の方がいいかのぉ、裏工作をさせてからの方がいいじゃろう」


「そうですね、それに向こうは今日攻めてくると思っているでしょう。向こうには無駄に神経を使わせて、疲弊させることも出来ますし」


「でも彼奴あいつと正面は無理じゃないかしら、あのすり抜けるような回避の種が分からないと攻撃を当てれないわ」


ララが最もな指摘をするが僕は仕組みは分かってる。


「それなら問題ないよ」


「それなら問題ないぜ!」


「「うん?」」


僕とヒロの声が被った。


「えっ、分かったんですか?」


「ああ、あれ見切りだわ」


「僕も同じ意見だ、見切りと言ってもあれは究極形と言ってもいいほど磨かれている。皮に触れる刹那の瞬間に動き躱す事で、すり抜けたような回避を実現している」


僕達がルーシルの問いに答えると、それを聞いたガルド隊長が考え込む。


「成る程のぉ、ならば目を潰すか背後からいくか……」


「それとズレに弱いと思うぜ、見切りが狂うからな」


「そうじゃな……いやまさか、ここまで勇者パーティーが頼もしいとは思わんかったぞ」


その間僕は地図とにらめっこ、そして作戦を思いつく。


「隊長、作戦がございます」


「何じゃ、言うてみい」


僕は地図の中央を指さしながら話始める。


「丁度中央にあるスリフ山脈とそこを超えた先にあるレミオ渓谷、ここから行きましょう」


「だが渓谷は幅が100mはある、どうやって渡る」


「そこは僕とルーシルの力を使って、突破します」


「出来るのか?」


「ルーシルに結界で床を作ってもらい足りなければ、僕の魔法〈空間直板〉で繋げます」


「成る程のぉ、実現性はあるわけじゃな……」


「多分向こうは『アグニ班』と『ヨムサメ班』といった具合にバラけると思います。配置は『アグニ班』が要塞に、『ヨムサメ班』が本陣の防衛に当たると考えています」


「何故そう思う」


「『ヨムサメ』も本質は剣士、要塞を落とすのには相性は良くないです。その点『アグニ』は爆弾使い、破壊にうってつけです。だからこの配置でくると思っています」


「ではこちらも防衛班と攻撃班に分かれるとしよう、お主はどう考えている」


「その案でいいと思います。攻撃班は僕、ヒロ、ポルカ、ルーシル。防衛班はガルド隊長、リンナ、ララでどうでしょう」


すると横からララが声を上げた。


「何でよ!?私も攻撃班の方が」


彼女が言い切る前に僕は口を挟む。


「リンナとガルド隊長だけでは、魔族の大群相手には分が悪すぎる。そこでオールラウンダーのララが居ると安定する、だから頼む」


そして僕が必死にお願いすると、分かってくれたのか顔を背けこう問うてきた。


「頼りにされてるのよね」


「勿論、いつも頼りにしているよ」


感謝の念を込めて言うと彼女は顔を赤くしてこう言った。


「……、分かったわよ。ここは私が守りきってみせるわ」


「ありがとう!」


周りの視線が温かい中、リンナからは冷たい目で見られてる気がする……気のせいだろう。


「この予想が外れて『ヨムサメ班』が攻めてきた時は、僕が先に急いで戻るからヒロ達は『アグニ』と協力して『アグニ班』を壊滅させてからこっちに向かってくれ。そしたら『ヨムサメ班』を挟み撃ちに出来る」


「分かったぜ!」


「これにて解散じゃ、明日に備えて今日の所は休むといい」


ガルド隊長が皆にそう声をかけ全員が会議室から退出した時を見計らい

、僕はガルド隊長に話しかける。


「ガルド隊長、少しいいですか」


「何じゃ?」


「僕の思い過ごしならいいですが、もしかしたら今日の夕暮れあたりに『ヨムサメ』単独でここを攻めてくるかもしれません」


「それは儂も思っておった、奴らは儂らが今日夜になる前に決戦を仕掛けてくると考えておるじゃろうしな」


「とはいえ皆には休憩してもらいたい、ですので僕とガルド隊長で夕暮れ時に巡回しませんか」


「……ガハハハハ!素晴らしい心を持っておるの!!だが心配は無用じゃ!お主は明日に備えゆるりと休むが良い、巡回ぐらいなら儂の部下で十分じゃて」


「でもそれでは」


「確かに死ぬであろうな、じゃが儂も含め皆疾とうに覚悟は出来ておる。心配するでない」


(戦士として凄い覚悟を持っている、でも僕の眼の前の人くらいは助けたい!守りたい人を守れるようになる為にも僕は強くなった)


「……そう仰ると思っていました。ですので、僕とポルカで作った魔導具『聖界』を展開します。ただこれは試作品な為、100%の効力を発揮するには誰が襲撃を受ける必要があるのですが……それでも犠牲は減らせると思います。ですので部下達を集めてもらえませんか。味方として登録したいのです」


「……そいつはありがたい!招集しよう」


(これで全員は無理だろうけど、人死も減らせるはず)

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