桁外れ
「中々剛気な男じゃの、ここは我等の本拠地。それに加え勇者パーティーとカンジ殿も居られる、お主と言えど死しかあるまいて」
「その油断が命取りである事を証明しよう……」
すると奴がふらりと動いた気がした時には、もう既にヒロの首に赤黒い刀が飛んでいる。
ガキィン
甲高い金切り音が鳴りカンジ先生が刀を抜いて間に割って入っている。
「くっ!」
(かなり重い、防げないでござる)
するとカンジ先生が刀を横に倒して斬撃を流し直ぐ様斬り返す。
「ふむ」
それを奴はゆるりと躱してカウンターでカンジ先生の腹を斬った。
(上手いでござる)
先生の腹から血が滴り落ちたその時、我に返った俺とヒロは前後て挟んで即座に斬り切る。
((取った!!))
2人で必殺の刃を振り下ろすが
「「なっ!」」
突然ヨムサメが視界から消える。
気づいた時には俺達の脇を潜り抜けリンナに向かって突進している。
「行かせないわ!」
「通させん」
進路に立ち塞がったガルド隊長の大剣の唐竹割りとララのストレート
「ストレ〜トッ!あれ?」
(あれ?消えた?)
「ぬうっ」
(何だ、突然すり抜けた!)
2人は突然煙になり避けられたような不可解な感覚に陥る。そして最短距離でリンナに接近するが
「そうはさせないでござるよ」
横からカンジ先生の袈裟が落ち奴が止まる、そして奴の背後にはルーシルが影のように張り付き忍者刀による無音の刺突。
「ふむ、やるな」
それは奴の頬を斬り裂き一旦奴が離脱した。
「今日は挨拶である、ここいらで御暇させてもらおう」
そして数瞬静かなそよ風が吹き、それが止まった頃には奴は来て去っていた。
すると後でゴホッと吐いたような音がするとカンジ先生が床に手をつき血を吐いていて、傷口からは不気味な赤黒い瘴気が溢れ出していた。
「なっ!先生!!」
急いでリンナとポルカが治癒に取り掛かる。
(あんなに強いとは……これは『爆弾魔アグニ』を抑えてなかったらこの章で死んでたな)
僕は背筋を伝う冷や汗を感じ、第3章が変わり果てた難易度であり原作は完全に崩れ去っている事に恐怖した。




