布石
「「「は?」」」
全員が口を揃えてこう言った。カンジ先生なんか驚きすぎて目をカッ開らいて茶色い瞳が見えてる。
(まあそりゃそっか、敵の次期幹部を堕としたなんて信じられないよな)
「証拠はこれです」
僕は机の上に資料を並べる。それは定期的にアグニから中抜してもらった資料のコピー。
「……本当でごさる、でもあの『アグニ』を……」
カンジ先生がその資料を読み進めていく。隣でヒロが驚いた様子で口を開く。
「いつの間にやってたんだよ……」
「廃教会で会っただろ、あの時だ」
「廃教会? ……あっ! あれライアだったのか!! 」
ヒロが更に驚愕する(目飛び出そう)。するとララが合点がいった言う顔をして質問を投げかけてきた。
「……もしかして、あの夜中抜け出した日にやった?」
「ピンポーン、正解」
「アグニを今呼ぶ事は出来るでごさる? 」
「確認します」
主従の繋がりを辿って彼の視界を乗っ取る。
(ふむふむ、丁度会議が終わった頃か)
記憶を読んでこの後の予定がない事を確認して召喚する。
「第5節派生 隷属召喚」
魔法陣から目が虚なアグニが現れる。
(一応支配していると分かるように態と目を虚にしてみたけど、やる必要なかったかも)
「……人を見てもすぐに襲ってこない、見事でござるな」
「努力したので」
「……、頼もしいでごさるよ」
カンジ先生が感嘆の感情を混ぜた言葉を漏らす。
(これ程の才がありながら努力を怠らなず最早人外の域に到達しようとしてるでござる。……これは拙者などあと1・2年くらいで抜かされるでござる)
するとルーシルがカンジ先生に質問を投げる。
「向こうでは何をすればいいのですか?」
「そうでござるな……防衛に関しては彼らにリンナと拙者が居れば問題ないでごさる、よってリンナ以外は全員前線になるであろうか」
「……そうですか」
リンナが少し俯く。
(まあ1人だけ後方支援ってのも気が引けるよな、その気持ちはわかるけど)
僕が声を掛けようとするとその前にリンナが口を開く。
「分かりました、私も前線に出れないのは悔しいですがその分要塞を鉄壁の守りにし皆んなが攻撃に専念できるように頑張ります」
(おぉッ!!成長したなぁ〜)
親のような温かい目でリンナを見てると目があった。ちょっとジト目で見てくる、気まずい……
「では攻撃部門でござるが、今要塞の西と東側でかなり戦闘が激化してるでござる。であるから2グループに分かれてもらいたい。ヒロ・ポルカ・ララ殿は西、ライア・ルーシル殿は東をお願いしたいでござる」
「「「分かりました」」」
「それと『アグニ』の事は現地のガルド・ブロレス隊長と話すことにするでござる、それと持ち物リストを渡すので各自持ち物を用意してくだされ」




