ファーストコンタクト??
本日3話目の投稿です
プロローグ、前話を読んでいない方は、まずそちらからどうぞ
血を求め、彷徨いながら森の中を進んでいくと、森の入り口付近の開けた場所で、人間を発見した。
三人組の冒険者パーティーだ。
剣を持った男、杖を持った女、軽装の斥候っぽい男。
いかにも異世界ファンタジーものらしい出で立ちである。
「おお……! 人だ! 人間だ!」
俺は興奮して近づこうとしたが、
――ブゥゥン!
近づいた瞬間、女の冒険者がピクリと反応した。
「ん? 蚊?」
即座に杖を振り回される。
風圧だけで俺の体が吹き飛ばされ、地面に激突。
「うわあああ! 待て待て、俺は敵じゃない! 前世は日本人だぞ!」
もちろん声は出ない。
ただの羽音にしか聞こえない。
さらに、男が何かを取り出しかけたので、俺は全力で逃走。
スピード5は伊達じゃない!と言いながら、なんとか茂みに隠れた。
「あー、蚊がいるなんてサイアク」
女冒険者がそんな事を言っている。
「……サイアクなのはコッチだよ 、蚊に対してマジで容赦ないな。 前世の俺も蚊叩き全力だったけど……因果応報かよ」
しばらく様子を伺っていると、冒険者たちは何やら戦いを始める……と思ったら、あっという間に戦闘終了。
冒険者たちは、そのまま森の奥へと進んでいく。
その後ろ姿を見送っていると、再び腹がキリキリと痛み始めた。
冒険者たちが去った後、俺はへろへろになりながらその場を確認する。
そこに残っていたのは、倒されたばかりのスライムの残骸だった。
半透明の体が地面にべちゃっと広がり、まだ少しプルプルと動いている。
「……これ、吸えるんじゃね? 体液っぽいし、血じゃないけど……」
空腹に耐えきれず、俺はスライムの残骸に針を刺した。
ちゅ……ちゅるる……
「うわ、味が……なんかゼリー飲料みたい。 不味いわけじゃないけど、期待してた血の味じゃねえ!」
その瞬間——
【捕食スキルを得ました】
「……は?」
俺はスライムの残骸の上で小さく舞いながら、ステータス画面を再び開いた。
【獲得スキル】
・捕食 Lv1
・形状変化 Lv1
「おおっ!?スキルが増えたぞ! これで少しは蚊脱却の道が……!?」
まずは「捕食」を試してみる。……が、どうすりゃいいんだ?
スライムって確か、相手を取り込んで消化するんだよな?つまり、捕食するには対象を取り込んで……
試しに近くの落ち葉に近づき、スキルを発動しようとして……。
針でチクッと刺した程度では、落ち葉を「取り込む」なんて到底無理だった。
せいぜい表面を少し溶かしただけで、葉っぱはビクともしない。
「……は? 取り込めねえじゃん。俺みたいな蚊サイズの体でどうやって対象を取り込むんだよ! 蚊の口(針)でどうやれってんだよ!無理ゲーだろこれ! スライムの能力をコピーしたけど、使えねぇ! 」
俺は複眼をぐるぐる回しながら全力でツッコミを入れた。
「はぁ……もう一つのスキルは……」
形状変化……名前からすれば、別んアニカに姿を変えることが出来るスキルなんだろうけど……
「ダメだ、わからん。」
どうすればいいのか皆目見当もつかなかった。
そして再び襲ってくる飢餓感。
「……やっぱり血が欲しいんだな、これ」
俺は覚悟を決めた。
先ほどの冒険者パーティーから血を吸う……そう、あの女冒険者の血を吸えれば、一気に満足できそうな気がした。
「よし、追うぞ!」
スピードをフルに発揮して低空飛行を開始。
木の枝にぶつかり、蜘蛛の巣に引っかかりそうになりながら、なんとか冒険者たちの気配を追う。
しばらく飛んでいると、遠くに足音と話し声が聞こえてきた。
「……いた!」
三人組が森の道を歩いている。
女の冒険者が汗を拭いているのが見える。
甘い匂いが風に乗って漂ってくる。
「今度こそ近づく……! 一刺しだけでいい。ちょっとだけ吸わせてくれよな……」
俺は意気込んで接近を開始した。
しかし——
ブゥゥゥン!
近づいた瞬間に、斥候の男がピクリと反応。
「また蚊か。鬱陶しいな」
即座に手が振り上げられる。
「うわあああ! 待て待て待て! 俺はただの血を少しだけ——!」
結果、俺は全力で逃走。 木の陰に隠れるのが精一杯だった。
「……近づけねえ。 人間の反応速度が高すぎる。 蚊相手に本気出しすぎだろお前ら!」
それでも俺は諦めなかった。
空腹と生存本能が、俺を再び冒険者たちの方へ突き動かしていく。
しかし……何度かの接近失敗で、俺は木の葉の裏に隠れて息を潜めた。
「……くそっ、果敢に攻めすぎた。 近づくたびに手が飛んでくる。」
何度も何度もトライした結果、全部失敗。 急接近しても、奴らの反応が速すぎる。
一度なんか、剣士のオッサンが何かの魔道具で俺を叩き落としそうになった。
俺は諦めて、遠くの茂みから様子を見ることにした。
冒険者たちはちょうど野営の準備を始めていた。
剣士の男が薪を集め、斥候の男が周囲に警戒を張る。
女冒険者——20代後半くらいの赤毛でスタイル抜群の美女——は魔法で火を起こし、鍋をかけている。三人で談笑しながら飯を食い、酒を回し、今日の戦利品を分け合っていた。
「……いいなあ、冒険者生活。俺もあんな風に人間としてワイワイしたかったわ……」
やがて夜が深くなり、焚き火の明かりだけが、その場を照らす。
夜の森は静かだった。焚き火の周りで男冒険者たちが酒を酌み交わし、大声で笑っている中、女冒険がそっと立ち上がった。
「ちょっと疲れたから、先に休むわ」
艶やかな黒髪を揺らし、彼女は一人で自分のテントへと向かう。
腰のくびれと、歩くたびに柔らかく揺れるヒップのラインが、焚き火の橙色に照らされて妖しく輝いていた。
テントの 入り口を閉めると、彼女は深く息を吐いた。
「ふぅ……今日は本当に疲れた……」
まず、重厚な胸当てを外す。
ぎゅっと締め付けられていた豊満な乳房が、解放されてぷるんと弾むように露わになる。
淡い月明かりがテントの隙間から差し込み、白く滑らかな肌を優しく照らした。
次に腰のベルトを解き、革のズボンをゆっくりと下ろしていく。
引き締まった太もも、形の良い臀部、そして滑らかな脚線美が、次々と夜の空気に晒されていく。
やがて彼女は完全に裸になった。
完璧なプロポーション。
張りのある大きな胸、細くくびれた腰、柔らかく丸みを帯びたヒップ。
そして、ほのかに汗ばんだ肌が薄く光っている。
彼女は両手を上げて大きく伸びをした。その瞬間、胸が強調され、優美な曲線がくっきりと浮かび上がる。
「はぁ……今日は本当に汗だく……」
彼女は小さな桶に水を汲み、白い布を浸した。
軽く絞ると、水滴がぽたぽたと落ちる。
彼女はまず首筋からゆっくりと拭き始めた。
冷たい布が熱くなった肌に触れるたび、彼女は小さく息を漏らす。
汗でしっとりと濡れた白い喉、鎖骨のくぼみ、そして肩のラインを丁寧に滑らせる。
布が胸の谷間に近づくと、豊満で張りのある乳房が柔らかく揺れた。
水を含んだ布が乳房の曲線をなぞるように動くたび、淡い水滴が肌を伝い、月明かりにきらめく。
「ん……冷たい……」
彼女は目を細め、布を胸の下から腹部へ滑らせた。
引き締まった腰、汗で光るお腹の柔らかな曲線、へそのくぼみまで丁寧に拭いていく。
布が太ももに移動すると、彼女は片足を軽く上げ、むっちりとした内ももをゆっくりと撫でるように拭いた。水滴が内腿を伝い落ち、完璧な脚線美をより艶やかに見せつける。
後ろを向いた彼女は、背中から腰、丸みを帯びたヒップの谷間までを丁寧に拭いていく。
しっとりとした肌が布の動きに合わせて微かに震え、火照った体から立ち上る甘い汗と女性の匂いが、テントの中に薄く広がった。
——最高にエロい。
俺はテントの天井近くで羽を止め、呆然とその一部始終を見つめていた。
完全に拭き終わった彼女は、軽く伸びをしてから薄い毛布に潜り込んだ。
寝姿もまた、たまらなく扇情的だった。毛布が胸の谷間を半分だけ隠し、片方の肩と滑らかな背中が露わになっている。軽く曲げられた腰のラインが、テントの薄暗がりにエロティックな影を落としていた。寝息が規則正しく、柔らかい唇がわずかに開き、艶やかな黒髪が枕に乱れ散っている。
——最高のシチュエーションだ。
かつての俺なら、鼻血を吹き出して卒倒するレベルだった。
しかし……。
『………………は?』
俺はテントの天井近くで羽を止めたまま、呆然と彼女の裸体を見つめていた。
美しい。客観的に見て、めちゃくちゃ美しい。エロい。エロすぎる。
なのに——
『……な、なんで……? 全然……こない……!』
蚊の体は、興奮というものを一切感じなかった。
心臓がどきどきしない。股間が熱くならない。というか、そもそも股間という器官が存在しない。
血を吸いたいという本能はわずかに刺激されるが、それは「食事」の欲求であって、性的興奮とは全く別物だった。
『うわあああああ! 嘘だろおおお!? こんな極上裸身を前にして、俺は無反応だと!? 女神様、これはあんまりだ!残酷すぎるだろ!!』
俺はテントの中を狂ったように飛び回った。
美少女冒険者のむっちりした胸の谷間を横切り、汗ばんだ太ももの間をすり抜け、完璧なヒップの曲線を何度も往復する。
どれだけ近くで、どれだけエロい角度から見ても……。
全然興奮しない。
『俺は……もう、男として死んだんだ……いや、人間として死んだのは確かだけど……。それでもっ!………はぁ……蚊として生まれ変わった時点で、性的な悦びとは永遠に無縁の存在ってか?なんだ、このクソゲーぇぇぇ!』
女冒険者が寝返りを打ち、毛布がずれてもう片方の胸がほぼ露わになった瞬間、俺は絶望の底に叩き落とされた。
「くそっ……これは反則だろ。裸の美女が目の前に無防備で……、最高のエロ展開じゃねえか!なのにっ……」
俺は震える羽を必死に抑え、ゆっくりと彼女の肩に接近した。
そっと、優しく、針を立てる。
ちゅる……ちゅるるるる……
温かく、濃厚で、甘い血が体内に流れ込んでくる。
まるで最高級の赤ワインを直接血管から吸っているような味わい。
体が熱くなり、力が湧いてくる。
「……エロくねえ。一ミリもエロくねえ。肌の感触とか、吐息とか、全部無視。悲しすぎる……」
それでも、美女の血に酔いしれ、吸い続けていると——
パチッ!
女冒険者の手が、ものすごい速度で自分の肩を叩いた。
「うわあああああ!?」
俺は間一髪、針を抜いて後ろに飛び退いていた。
あと数ミリずれていたら、俺の体は完全にペシャンコになっていただろう。
複眼の前で、彼女の指の腹が風を切る音が聞こえた気がした。
女冒険者が寝ぼけ眼でむくりと起き上がり、
「……また蚊か。うざっ」
と呟きながら、もう一度周囲を手で払う。
俺はほうほうの体でテントの外へ逃げ出した。
スピード全開で夜の森を暴走飛行しながら、心の中で絶叫した。
「危ねええええ! 死ぬかと思った! 血は美味かったけど……命には代えられねえよ!!」
だけど、とりあえず飢餓感は去った。
色々思うことはあるが……それだけが救いだった。
まぁ……色々ありますが、これはただの蚊が魔王に至るまでのお話です
ある意味下克上?
ってか、寿命短いんだけどなぁ?
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