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▼雷撃都市  作者: 亜久津カナ
▼雷撃都市 ー第壱章ー
23/32

1-23:▼エルの杞憂

ーVの整備庫ー


足に力の入らないQに肩を貸し支えながらVが整備庫へと入ってくる。


「散歩して帰ってくるだけが、変な荷物が増えちまったな…」


側にあるソファへとQを手荒に下ろし、腕を組みながらその様子を見下ろす。


虚ろな涙目のまま力なく横たわるQ。

心配そうにエルとMONOが覗き込む。


「Q…大丈…夫… じゃ無さそうだね…」


「こうなるとこいつぁポンコツもいい所だからな。上手く切り替わらねぇと、しばらくスタンガンは開かねえぞ…」


「えーっ、ウソーーーっ!?」


Vの方を見上げ嘆くエルの声に反応するQ。


「み…店は… 開けます…仕込みは済ませてあるんで…

スタンガンは救世主だか…ら…(ガクッ)」


「ちょーっとぉ!Qぅーーーっ!」


「ダメか…こりゃいよいよKEIに連絡してサポート頼むしかねぇかな…」


「あっ、そういえばKEIさんが連絡よこせって言ってたよ。会ったら伝えてくれって。」


「このタイミングで伝えるのかよ… ホント図太てぇわ、お前は!コイツもこれくらい図太きゃなぁw」


その横で嬉しそうに振っていたMONOの尻尾がピタリと止まる。

同時にVが呟く。


「お、そろそろ戻ってくるな。。。」


耳を真っ直ぐに伸ばし入口の方へ向かっていくMONO。


「ん?MONOどうしたの?」


しばらくすると遠くの方から甲高いエキゾーストノートが聞こえてくる。

ブリッピングを入れてからのシフトダウン。

そこからの加速音が異常な速度で移動していく。

その尋常ではないスピードが空気を通して伝わってくる。


徐々にその轟音が整備庫へと近づいてくる。


「うっわ、凄い音… まさかAさん?」


「おう、帰ってきたな。ったく、近所迷惑なやつだ… 2ブロック先から押して来いってんだ…」


その音を聞きQの耳がピクリと反応する。

むくりと起き上がるQ。


「あ!Q!良かったーっ、Aさんが…もどっ…て…って、あれ?!」


先ほどまで涙でぐちゃぐちゃだったその顔が一転して精悍な表情に激変しているQ。

そのまま颯爽とMONOの後を追い入り口へと向かう。


呆気に取られその様子を目で追うエル。


「えぇ!?何??どうなってんの?!」


「上手く切り替わりやがった…」


頭を人差し指で掻きながら入り口へ向かうVが、その指でエルを呼ぶ。


「説明してやる。行くぞ。」


Vの後を急いで追いかけるエルの後ろ姿が見える。



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