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▼雷撃都市  作者: 亜久津カナ
▼雷撃都市 ー第壱章ー
13/32

1-13:▼二面のQ

ー飯屋スタンガンー


空のどんぶりに投げ込まれるレンゲ。

同時にバシッと置かれる箸。


「食ったーっ!美味かったーっ!ごちそうさまでした!」


「ちっ、悔しいがやっぱり美味えよ… 」


「オカイケイは イカガサレマスか?」


1人の男がエルとVの間から顔を覗かせロボットの声真似をしながら現れる。


ピンクの瞳にブルー髪で前髪は横一文字。

黒の避帯電Tシャツとエプロンに焼けた肌。

一見すると華奢に見えるが、その腕は意外にも筋肉質な男が笑顔でそこにいる。


挿絵(By みてみん)


驚くエルといつものことだと呆れ顔のV。


「ギャーーーー!ビックリしたー!!!もーやめてよ(キュー)ーっ!」


「キッシッシッシッw 今日も完食ありがとなエル!Vさんもありがとう!」


「おう、ごちそうさん。しかしオメェ…とうとう極まったか…」


「わかりますぅ?!バーナー変えたんで更に強火でガっと行ける様になったんすよー!あとは秘伝の味噌ダレにですね、今日は檸檬チップを軽く炙って入れて、未だ誰もが見果てぬ初夏ってのを演出したんす!」


「そっちもだが、そっちじゃねえよ。あのドロイドの動き…何した…?」


妙に真剣な表情のVにエルがたじろぐ中でQが表情を一変させ少し声を落として答える。


「Vさん、さすがっすね。実は例のルートからようやく入ったんすよアレが。今、リプログラムしたやつを流し込んでDDで試験運用中ですが、数値は許容範囲です、、、 もう少し詰めたいんですが、このままでも行けます、、、結果はまた改めて連絡します。」


「そうか… ありがとうな。」


「ちょっ、2人とも…??」


状況が飲み込めないエルが不安そうな面持ちで2人のことを見ている。

顔を見合わせるVとQ。

同時にブッ!と吹き出す。


「悪りぃ悪りぃ!『例のブツ』みたいな言い方して不安にさせたな!w 実はずっと探してたアナログ基板とかICチップとかがあってよ、それがなかなか見つからないからQにも探すの手伝ってもらってたんだ。」


「そ、そうなの…か…?異様な感じがしてなんかビビったよ俺w」


「キシシッ!ごめんな、エル!『例のブツ』を親分がご所望で、俺が闇のルートで仕入れた…ってわけよ〜、怖ぇ〜っw」


「バカ言ってねぇで厨房戻れ!オーダー溜まってんぞ!」


「あっ!やべ!戻ります!ご来店ありがとうございました!また来てください!1ヶ月後に!w」


「いやいや、明日もまた来るよ!ここら辺じゃスタンガンが一番だもん!」


「キシシッ!ありがとな!Vさんも是非また!」


「…おうよ、1ヵ月後にまた来るわ。」


エルがVを指さし何かを言っている様子が窓の外から見える。

席を立ち、店を出る2人。


EVCで帰路に就くエルを見送るV。

空を見上げて舌打ち一つ。

身をひるがえしネオンが灯る夜の街へと消えて行く。


この時期には珍しく雨が止んでいる。


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