7.不敵な黒い笑み
「ねぇ、ルナ。『ブラック・モア』って一体どんなお店なの?」
ウェールズ市内の中でも一番大きい、このベレスフォード家の屋敷の一室では、リアとルナの2人でこっそりと作戦会議が行われていた。
ちなみにこの屋敷は大きいだけで全く華やかさがない、というのが悲しいところだ。
「はい。急いでいたので細かくは調べられませんでしたが、どうやら情報交換を目的とした人達の集まりの場所らしいですよ。『裏社会』の密会場所とかでもあるらしいです。『表』の人間が行くことはほとんどないとか・・・」
まさにリア達には縁のない場所だ。
「他には?」
「この『ブラック・モア』という店は1ヶ月前ぐらいにできたばかりらしくて、素姓のつかめない怪しい店だと、そう聞きました」
そして、とルナが話を続ける。
「情報を持っている人間はいかにも危ない、というオーラがでていて、もし何か失礼なことを1回でもしたら命はない、と」
それを聞いたリアはふうっと軽く息を吐く。
リアは『表』の人間だが、『裏』の世界について何も知らないわけではない。
一時期リアは父を陥れた男を探すために、ルナと姉と3人で「情報屋」や「情報交換場所」を訪ねたことが何回かある。
しかし危険だったかというとそうでもなかった。
相手は危ない、というオーラよりいかにも貴族らしい偉そうなオーラだった。
どうやらリアの知っているものとは全く違うようだ。
「そういうお店って・・・簡単に入れるものかしら?」
「いいえ。噂では紹介状みたいなものがないと入れないらしいんです」
「ええ!じゃあ私たち入れないじゃない!」
『ブラック・モア』に通っている人なんて、リアの周りにはもちろんいない。
このままではたとえそこに行ったとしても、追い出されるだけではないか。
「じゃあどうするの?」
ふふふ、と不敵な笑みを浮かべ、ルナがポケットから手紙らしきものを取りだす。
「ちゃんと用意してありますよ。招待状」
真っ黒な手紙の表には赤い字で「Dear Lia Beresford」と書いてあった。
そして裏には「Black More」と店の名前が入っていた。
「これ、本物・・・・?」
ちらり、とルナの顔を見るとそこには黒い笑顔があった。
「どうやって手に入れたかは秘密ですよ」
―――にこり。
それ以上は何も言えなかった。
次の話からブラック・モアに潜入するので、
そのつなぎの話です。
かなり短いのでさくっと読めます。
次は黒髪の男がでてきます!
やっとですね。




