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5.必然な発見と再会

「お嬢様!お嬢様!」

(誰か・・・私を、呼んでいる・・・?)

重たい瞼をゆっくり開けると、心配そうな顔をしたルナの姿が見えた。

「ル、ナ?」

「よかった・・・、お嬢様が無事で・・・」

「ええ、とりあえず、大丈夫みたい」

朝になったのだろう。

薄い窓から、太陽がさしこんでいて、部屋の中は明るかった。

ゆっくり体をおこし辺りを改めてみると、すごい荒らされていることがはっきり分かる。

そのとき、ふと首に痛みを感じた。

思わず、首に手をあてる。

すると、その動作に気付いたルナがハッとした顔で、リアの手をゆっくりどかす。

「美しいお嬢様の体に傷が・・・!なんということ・・・・・」

軽くめまいをおこしそうになったルナを慌てて支える。

「大丈夫よ、ほら見て。血が止まってるわ。浅い傷だし、何日かすれば傷跡もなくなると思うから、そんなに心配しないで」

「大丈夫じゃないです!お可愛らしいお嬢様を切りつけるなんて、一体どこの男ですか!必ず見つけだしてぼっこぼこにしてやります!」

「いや、別にいいのよ・・・」

安心させるつもりが、逆に火をつけてしまったようだ。

確かにあの男には腹が立つが、自分たちは彼にとって「怪しい人物」だったのだ。

いきなり切りつけられるのも仕方のないことだったのかもしれない。

と、思いつつもやっぱり腹立たしい、ような気がする。

失神するぐらい思いいっきり殴ることないのに、とリアは呟く。

「今すぐ探しだしたいところですが、そんなことよりもまずお嬢様です!今すぐ屋敷に帰ってキズの手当てをしましょう。きちんと手当てしないと、傷跡が残ってしまいます」

「まって!私は大丈夫。それよりもエルマーよ。あそこにある血痕はきっと彼のよ。彼の方がいま、危ない事件とかに巻き込まれているのかもしれないわ。店長である私がゆっくりしている暇なんてないのよ」

「ですが」

「情報収集しましょう。幸いここに人はいないわ」

「お嬢様もしかして・・・」

「そうよ、アレをやるわ」

部屋には1匹のねずみが可愛らしい声をだして、リアたちを遠くから見つめていた。



グレイス共和国の首都・フェリックスの隣、ウェールズにはベレスフォード家の屋敷がある。

首都から1時間でつく、この町には首都同様のにぎわいがあるのと同時に、自然豊かなところでもある。

「お嬢様、本当に行くんですか?」

「当たり前じゃない。私が行かなくて誰が行くっていうのよ」

「私が1人で行きます」

「駄目よ。ルナ1人だけに危ないことはさせられないわ。私の大事な家族でもあるルナを、危険そうな男のところに1人で行くことを許すわけにはいかないの」

「お嬢様・・・」

あの男はどうやら首都フェリックスにある「ブラックモア」というお店に行くらしい。

名前だけではどこにあるのか分からなかったが、優秀なメイドであるルナがさくっと簡単に場所を調べ上げてしまった。

場所が分かったので、リアはすぐさま血で汚れた服を脱いで、なるべく質素な服に着替える。

「ブラックモア」というお店は、貴族が行くような華やかな場所ではないらしい。

ならば、庶民らしく質素な服装で行くのが目立たなくていいだろう。

「私はやっぱり反対です。そう言っていただけるのは嬉しいことですが、何もお嬢様が行くことないです。他にも、このお屋敷には使用人が何人かいるじゃないですか」

「他の人にこの事は内緒よ。お父様やお母様に余計な心配はかけれないわ。使用人に言ったら、お父様たちにすぐ知られちゃうもの」

「でも・・・」

「私の性格はルナが一番よく知っているはずよ。一度やると決めたら、絶対にやるの」

碧く澄んだ瞳がルナを静かに見つめる。

それから長い沈黙のあと、短いはぁ、というため息がルナの口からもれる。

「負けました、お嬢様」

降参、とでも言うように手をひらひらと振る。

深黄色の目はリアを真っ直ぐな視線で、優しく包んでいた。

それは主に対する行為ではなく、まるで昔のように、友人に対するものである。

(本当にお嬢様は言いだしたら聞かないんだから・・・。昔からそうだった・・・)

リアより3つ上だったルナは5歳のときからずっとリアに仕えている。

―――幼いころから優秀だったリア。

教えられたことは何でも吸収していった。

それは生まれながら天才だったとか、そういうわけではない。

侯爵という地位をもつ父・ウォーレンの娘として恥ずかしくないよう、常日ごろから努力していたのだ。

ほんの2、3歳の小さな子どもが家のことを思い、どうあるべきか考えていたのである。

そんなリアをルナは誇らしく思っている。

そしてリアのすごいところはそれだけではない。

人一倍優しいリアは、父の領地の民のために、自ら率先して動いていた。

暴力沙汰の事件でも起こればまっさきに領地に駆け込み、解決へと導く。

そのためにも、リアは貴族の令嬢としてはありえない、きびしい鍛錬をつんでいた。

毎日剣の素振りをしたり、ランニングしたりと・・・。

―――剣術の方はなぜか全く上達しなかったが。

しかしそれでも、体力はあるし、力はあるし、なんともたくましいお嬢様に育ってしまった。

今では剣術ではなく、体術に優れた女性、ということで領地の民からは認識されている。

「ありがとう、リア。分かってもらえて嬉しいわ」

優しく強くたくましい、私のお嬢様。

お嬢様は絶対・・・

「私が守ってみせます!」

それを聞いたリアは、とても嬉しそうにそっとうなずいた。

お久しぶりです、杏樹です。

新しい生活にも少しずつ慣れてきたので、

そろそろ更新を、と(笑

そしてここまで読んで下さったみなさんに

感謝の気持ちを込めて。

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