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14.地下に潜む悪魔

ホールの周りには無数の個室がある。

どの部屋も一切声が漏れない防音。個室の扉には小窓などなく、完全な密室。

扉の鍵はホテルや旅館と似たしくみで、自動で鍵がかかるオートロックだ。

ラディスはそんな中でルーモアから情報を聞き出していた。

「エルマーは無関係、だと?」

「そうよ、彼は『あの力』をもってはいないわ」

「ならなぜ、エルマーは攫われたんだ」

「それはね・・・彼女が本当に『あの力』をもっているか、確かめたかったからよ」

「・・・どういうことだ?」

先ほどから、この女は自分で考えろと謎解きのように意味深なことばかり言ってくる。

エルマーは無関係。

攫われた理由は―――『彼女』が力をもっているか確かめるため・・・。

では『彼女』とは一体?

エルマーが攫われたことから、彼に近い人物だろう。

ルーモアの言葉を1つ1つ組み立てて考え、そこでハッとする。

「まさか―――!」



***



リアは男に連れられて、ある部屋の中に入っていた。すると、その部屋の中にはもう1つ扉があり、「この中ですよ」と男は言った。

扉を開けると、それまでの華やかな雰囲気は一気に消え去り、不気味な長い廊下がつづいていた。

廊下に沿って蝋燭が並べられ、それ以外に光はなく相当暗い。

一言で言うと「悪趣味」な造りである。

その「悪趣味」な廊下を通りぬけると、大きな扉に辿り着いた。

男が扉の横にある機械にパスワードらしきものを打ち込むと、昔風の扉がゴォッという音を立てて開く。

薄暗い部屋の奥には1人の男の子(・・・)がその身体には合わない大きなイスに鎮座していた。

「ご主人様、リア・ベレスフォード様をお連れしました」

「お疲れ、フラン。キミはあっちの方の処理を頼むよ」

「かしこまりました」

そう言って一礼すると、男――フランはリアが入ってきた所とは別の扉からと出て行く。

リアはフランの言う《ご主人様》と2人きりになってしまった。

ルナの件はどうするのだとフランに言いたかったのだが、この部屋の威圧感に気圧けおされ口に出すことは叶わなかった。

遠目から見た《ご主人様》はまだ成長期がきてない、男の子だった。

「キミがリアかぁ・・・。ボクすっごくキミに会いたかったんだよね。もっとこっちに来て顔を見せて」

声変わりをしてない、女の子のような可愛らしい声音だった。

しかしそこに無邪気さはない。

リアの足が男の子に従うように、無意識に前へ前へと動かされる。

「はじめまして、リア」

ハッとすると、目の前にはニコニコ笑っている《ご主人様》がいた。

身長はやはりリアより低く、体格は7~8歳の少年ぐらいだ。

真っ白で綺麗な肌が金髪をより引き立たせ、その金髪の間からのぞく瞳は碧色で見たものを一瞬で魅了してしまうような力がある。

そんな《ご主人様》は一言で表すと美少年だった。

「やっとキミに会えて、ボクすっごく嬉しいなぁ。それに思った通り―――とっても美人だ」

すっと手をのばし、リアの金髪をすくうと優しくキスをする。口調は幼い子どもだが、彼の態度や雰囲気は、自分より年上の紳士のようである。

口を開かず、ただ一心に《ご主人様》を見ていたリアは、ここでふと当初の目的を思い出す。

――――自分はルナを返してもらうためにここに来たのだ。このままこの少年に流されては駄目だ。

「そういえば自己紹介がまだだったよね。ボクの名前は」

「ルナを返して」

終わりそうにない彼の話に割り込み、強気な瞳で彼を見据える。

「・・・ボクは無条件でキミのメイドを返すなんて言ってないよ、リア。ちゃあんと話を聞いてくれないと困るんだけどなぁ」

ぴょんっとイスから飛び降り、彼が何か機械のようなものを操作し始める。

すると、暗がりな部屋の中にぽわっと『光』が浮かび上がり、何かを映し出していた。

「これは誰でしょーか?」

リアはとっさに『光』へ駆け寄り、映し出されているものを見つめる。

「エルマー・・・」

そこにはリアが探していたエルマーが、鎖に巻かれて力なく倒れていた。



開かれた彼の瞳は、もう何も映していなかった。






お久しぶりです、杏樹です。

なかなか書くタイミングがなく、

かなり間が空いてしまったと思います(^^;

今回はかなり短いです・・・。

明日書けたら、続きを投稿したいです(笑


ここまで読んで下さった皆様。

本当にありがとうございます!

これからもどうぞよろしくお願いします。

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