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13.男には気をつけろ

「はぁ・・・」

リアは思わずため息をつく。

ラディスはすぐ戻ってくると言っていたが、10分たっても戻ってこない。

ホールの端の方で、リアはぽつん、と1人で立っていた。

ルーモアに言われた「パーティーを満喫」はできそうにない。

そもそも知らない男になんか話しかける勇気はないし、女性に至っては、リアと同じ年代の人があまり見当たらない。どれも20歳は超えていそうな人ばかりだ。

顔が見えないので、ただの推測でしかないのだが―――たとえ見えなくても分かるものは分かるのだ。

(早く帰ってこないかしら・・・)

最初は初めて見る華やかさに浮足立っていたが、今ではただの居心地の悪い場所でしかない。

それに、先ほどから若い男性がちらちらと何度もこちらを見ているのも、腹が立つのを通り越して気持ち悪い。

(けど、私だって情報集めしなくちゃ!!あの男に任せっきりはよくないわ)

心ではそう思いながらも、リアはなかなか勇気がですにいた。

それから5分後。

突然2人の男がリアに話しかけてきた。

「お嬢さん、お一人ですか? もし良かったら、私と一緒に踊りません?」

「では、その後に僕とどうですか?」

ずいずいと迫ってくる男2人にどう対処するべきか。ここは情報収集をした方がよいのだろうか?

しかし、どういう心変わりで自分に声をかけようと思ったのだろう。なんだか―――怪しい。

ぐるぐる頭の中で考えた結果、とりあえず丁重に断ることにした。

「あの、お気持ちは嬉しいのですが、すでに踊る約束をした人がいるので・・・すみません」

これで、ひいてくれるだろう、そう安心してその場を離れようとした瞬間。

片方の男が去っていくリアの肩を思いっきり引っ張った。

「いたっ・・・!」

「いいじゃないですか、1曲ぐらい。それに・・・彼はもう戻ってこないと思いますよ」

仮面の間から見える胡乱な瞳が、リアを怪しくとらえる。

「えっ・・・何故ですか!?」

「先ほど彼は、別の貴婦人とどこかに行ってしまったでしょう? 10分以上経っても戻ってこないということはあちらもお楽しみ中というわけですよ」

ラディスがルーモアと行ったこと、それから10分以上経っていること。やけに自分たちのことを詳しく知っている。ちらちらこちらを見ている視線の数々。

「―――ずっと見てたんですか? 私たちのことを」

「いいえ、違いますよ。ただあなたのように若くて美しいお嬢さんに、自然と目がいってしまっただけですよ」

―――つまりずっと見ていたのではないか。

のらりくらりとした態度で話しかけないで欲しい。無性に腹が立つ。

「彼は遊んでるわけではありません。勝手なことを言わないでください」

「・・・健気なお嬢さんだ。あなたは騙されているのですよ。こんな場所に連れてこられて・・・」

「私が、自分から来たんです!いいかげんにして下さい」

肩につかまれている手を、力づくで払いのけて、今度こそ逃げようとする。

すると、先ほどまで話していた男ではなく、一緒にいたもう1人の男が走り去るリアを強引につかまえて、壁に叩きつける。

「めんどくさいんだよ、お前のやり方は。相手の了承なんていらないだろう?」

口から吐かれた息から、くらっとするようなアルコールのにおいがする。

リアと先ほどの男が話している間に、ずっと飲んでいたのだろう。しゃべり方が粗雑になっている。

「やめてっ!!だれかっ、助けてっ」

こんなに叫んでいるのに、誰1人として見向きもしない。

「無駄だよ、お嬢さん。ここではこんなの当たり前なんだからよ。大人しくするんだな」

リアの両腕を片手でつかみ、もう1本の手をすっと腰にあてる。

その手はゆっくりと下がっていく。

―――男には気をつけるように。

やっとラディスが言ったこの言葉の意味が分かった。

(もう、ラディスっ!何してるのよ・・・!早く戻ってきて!!)

リアは心の中で叫んだ。

すると、今にもリアのそれにたどり着く男の手が、ふと止まった。

「お止めになったらどうですか、ノーリッシュ卿。こちらのレディはまだお若い。遊び相手を間違っていますよ」

凛とした声がリアの周りにできていた空間に響き渡る。

瞬間、つかまれていた手が振りほどかれる。自由になった体で振り返ると、そこには1人の男性が立っていた。

男性というにはまだ幼さが残る顔立ちと、綺麗な茶色の髪。体つきはすらっとしているが、だからといって軟弱には見えない。そして何より、彼は仮面をつけていなかった。

「あ、あなた様は・・・失礼します!」

顔を真っ青にした男2人はその場からすぐに立ち去った。

「大丈夫ですか? お若いレディ」

女性なら誰もがくらっとするだろう甘い笑顔を向けられて、内心王子様みたい、とリアは思った。

「あ、あのありがとうございます。助けてくださって・・・」

「いえ、助けた、というわけではありませんよ。ただ、僕もあなたに話があるのです」

「どういうことですか?」

また怪しい方向へと進みそうな中、彼は意外な言葉を発した。

「あなたのメイド・・・確かルナと言いましたね」

「ルナに何かあったのですか!?」

ルナはラディスに気絶させられていたので、あの場に残してきたのだ。目覚めたときのために、リアは置手紙を残していた。

その時、彼がリアにある物を見せる。

「これ・・・私がルナに残していった手紙・・・。何故、あなたが持っているのですか!?」

にこり、と彼は唇に優雅な笑みを浮かべる。


「あなたのメイドは僕が預からせていただきました。返して欲しければ、僕と一緒にきてください」

こんにちは、杏樹です!

なんと今日は―――私の誕生日!(笑

なのに!

友達から誕生日を忘れられている(おい!

家族は祝ってくれない(覚えてる?

あのでっかい誕生日用ケーキなし(食べたかった・・・

高校生だからなのでしょうか・・・?

少し寂しい杏樹でした(泣

だから今から、本屋に行ってきます!


今回もここまで読んで下さった皆様。

ありがとうございます!

段々盛り上げていきたいと思っていますので

これからもどうぞよろしくお願いします。

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