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~記録2~


 大まかな事件概要は以上の通りである。

 指の全てが見つかっているにも関わらず、人間の本体とでも呼ぶべき胴体や頭部が出て来ないとは珍しい事件である。獣だって骨くらい残すというのに。

 人体の一部だけでは、血液検査とでも呼ぶべき夢のような代物がないためにエカテリゼ本人であるかどうかの判断が難しい。早く、化学が進歩しないものだろうか。

 現場に指紋があれば、まだ何とかなったかもしれない。指紋での捜査は難しいが、そこら中に血があったのなら、犯人にも血が付いていて、うっかりその手で物を触って、そのサイズから犯人が子供か大人か、その数から単独犯か複数犯かくらいは判別を……なんてことがあったかもしれないのに、現場は外であり、辺りは一面雪なのだ。残念だが雪に指紋は残せない。

 当時の捜査官の苦悩は想像に難くない。

 あと数世紀でも経てばこの事件は簡単なものに変貌出来るのかもしれないが、現状では猟奇さを極めるばかりである。

 それゆえに十四年半の年月を犯人は逃げ伸び、私の元へ事件は転がって来たのだ。


 さて、ここからは私の捜査パートとなる。書き落とすことがないように、記憶を辿りながらしっかりと述べて行こうと思う。筆の遅さは……待って欲しい、警察官、そして裁判所。


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