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1ー2ー4 初依頼

 朝起きてから俺は朝食などを済ませていた。朝六時ぐらいだというのにリーナもリコも起きている。ユラは先に出ているようだ。寝てしまうまでにユラは帰ってきていなかったので宿に来ていたことも知らなかったのだが。


「お気をつけてくださいね」

「お兄さん、早く帰ってくるですよ?」


 二人の声を聞いてから冒険者ギルドに向かう。ちなみにだがリーナからはスキルは得ていないが、白虎が働いているのでステータスが上昇していた。冒険者ギルドで高ランクの人と握手をするのも手かな。


『汚い手ですけど効果的ですね』


 シャノンからお墨付きを得ている。とりあえずは人族やエルフ、つまり魔物以外なら白虎は働くのでステータスを上げやすい環境だろう。


 昨日は配下を働かせて自分は働いていない。そんなことを思われているのか、リーシャからあまりいい目では見られない。俺は目立つつもりもないため簡単な討伐依頼を受けられるだけ、冒険者は最高三つまで受けれるからその数だけ受けておいた。一番繁殖していたりするので数を稼ぎやすい、とシャノンから教えてもらった。


 具体的な名前はゴブリン、スライム、コボルトだ。ゲームの設定でよくあるゴブリンは人族の女性を襲うというのは異世界でも起こることらしい。そしてゴブリンは繁殖を、コボルトは一回に産む数が多く、スライムは分裂をして数を増やすらしい。シャノンいわく魔力から産まれる時も多いため全滅に持っていくのは不可能のようだけど。


 とりあえずは一番狩りやすい魔物三種類だ。そしてスライムに関しては物理攻撃が効かないらしい。防弾チョッキ代わりになりそうだから契約する気でもある。


 森に足を踏み入れて深部には行かないようにする。ユラから定時連絡として深部でCランクの魔物と戦っているらしい。昨日、Dランクの上級魔物を倒してランクをEに上げたようだ。頑張っているな、と送ると普通に喜んでいて驚いた。


「おっ、出たな」


 何度もゴブリンは倒していたのでそこまで苦戦はしない。というかその三種類は素材を手に入れても価値がないので捨てていた。残しておけば簡単に依頼完了だっただろう。ダンジョンで手に入れた時のコボルトの素材はまだ有るけど。


 ダンジョン産と地上産では質も違う。一応、イズの下層の素材は価値が高い、というか魔力を含んでいるのだ。シャノンから教えてもらえなかったら多分捨てていた。


 一応、俺が使う武器はナイフだけだ。ナイフを短剣代わりにして首を落とすだけ。ゴブリン程度なら一体も百体もさほど関係がない。


 どれほどの時間が経ったか。多分、太陽が真上に来ているから三時間くらいか。その間にスライム以外は百近く倒している。


『十一時五十三分なので三時間と二十二分経過していますね。ゴブリンは百十二体で討伐依頼数を九十二体オーバーし、コボルトは百七体で八十七体オーバーです』


 だそうだ。ちなみにスライムはまだ出会えていない。これは異変とかそういうことなのだろうか。


『いえ、水源近くにスライムは群生するために場所が悪いだけです。脳内マップに池の場所を二箇所、ピンを打ったのでそこに向かってください』


 シャノンが有能すぎて俺がかすみ始めている。仲間が有能なのはありがたいのでシャノンの指示に従い池に着いた。


 確かに半径十五メートル程の池に三十近くのスライムがいる、けど。


『一体だけ大きいのがいるな』

『あれはビックスライムですね。スライムを増やすために分裂せずに、逆に吸収して進化した存在です。打撃完全無効を持っているので仲間にする方がいいのでは』


 分かっているな。スライムは仲間にすることを決めていたから丁度いい。もしかしたら俺の幸運の高さが影響を与えているのかもしれないな。


『何かいい手はないか? 多分突いたり打撃は意味ないから斬撃主体になるだろ。でもステータス的に一撃の可能性が高いし』

『火魔法を使えばいいのではないでしょうか。ある程度、そうですね、少しサイズが小さくなった時にユラにしたようにすれば成功すると思います。イメージは私がするので体から魔力を放出してください』


 シャノンに想像は任せ指定された量の魔力を放出する。すると薄く伸ばされた炎がスライムたちを襲い一体、二体と数を減らしていった。そんなに経たずに残るはビックスライムだけになったが、どうも様子がおかしい。光り輝いているのだ。こんな状況、体験したことがない。


『大丈夫です。契約をするならば契約とお唱えになれば従魔にすることが出来ます』

『ユラの時にはなかったけどこれが普通の契約交渉の合図なのか?』


 シャノンから『そうです』と返ってきた。ユラの場合は知能があったためにそのようなことをせずとも会話でカバーできるらしい。輝いて教えるのは知能のない魔物達。うん、覚えたぞ。


「契約」


 これに関しては召喚の付属としての能力だからな。スキル『契約』よりも『召喚』の方が成功確率が高いらしい。最も光り輝けば確実に成功だし、そのような状況は召喚士か調教師、下位ジョブの魔物使いがいる時しか発生しないみたいだけど。


 ビックスライムが従魔になったのを教えるかのように俺の頭によじ登ろうとする。だが大きすぎて乗ることが出来ないようだ。悲しい顔をしないでくれ。


 従魔だからか会話が出来ずとも考えてる事はある程度理解出来ている。ただ絶対当たっているとは限らないけど、簡単なものなら当てることが出来るみたいだ。


『私が翻訳しますか?』

『……そうだな。頼むよ』

『分かりました。ビックスライムであれば進化させるか、念話というスキルがあれば話をすることが出来ると思います。進化までは四十ほどレベルを上げなければいけませんね』


 ということはビックスライムを進化させるにはレベル五十まで上げる必要があるのか。それにしても進化か。


『人族でも進化って出来るのか?』

『出来ますよ。ただし条件などは個人個人で違いますから、主の進化条件を聞かれても答えることが出来ません。魔物ならば共通なので教えることが出来ますが』


 どうやら万能ではないようだ。条件か……。


『レベルを最高値まで上げるではないみたいだな』

『そのようですね。となればステータスやスキル、召喚士ですので従魔が関係してくる可能性はあります』


 俺は知らなかったけど進化という過程が人間でもあるようだ。ただしよくあるレベル上限とかは玄武で攻略してしまったのでそれ以外か。シャノンがいて考えを深められるのはとてもありがたい。俺なら途中でめんどくさくて投げ出していたかもしれない。


 もしかして俺が欲していたものを獲得出来たのか。ダンジョンクリアによって得られるものはランダムらしいし、俺の幸運値から本心で欲しているものを手にしていてもおかしくはない。




 ____________________

 カナクラヨウヘイ

 職業 召喚士

 レベル 54

 体力 1330

 物攻 1330

 物防 1330

 魔攻 1430

 魔防 1430

 俊敏 1330

 幸運 400

 固有スキル 召喚、四聖獣の加護(白虎、朱雀、青龍、玄武)、聖剣術、空歩、鑑定眼、心理眼、魔剣術、空剣術、奴隷術、付与術、気配遮断、空間魔法、精神魔法、経験値上昇、幸運、剣術、槍術、賢者の書、経験値共有

 スキル 錬金術、回復魔法、異空間倉庫、偽造、威圧、房中術、料理、裁縫、火魔法

 称号 異世界人、四聖獣の加護、イズ踏破

 ____________________




 ____________________

 名無し

 ビックスライム

 レベル 10

 体力 68

 物攻 59

 物防 62

 魔攻 57

 魔防 66

 俊敏 85

 幸運 25

 固有スキル 打撃無効、吸収、消化、経験値共有

 スキル 水魔法

 称号 従魔

 ____________________




 ベルフェゴール戦、つまりはユラとエヴァの連戦の時にレベルがかなり上がった。その他の戦いは微妙だな。帰り道のブラッドウルフでさえ、レベル上げには貢献出来なかったし。


 ちなみにこれくらいのステータスが普通だ。ランクでいえばE程の強さか。それでも戦いにおいては面倒なことこの上ない。


 いっそジョブを二つ付けられるようになれば楽になるがそれは無理だろう。いないわけではないらしいけど生まれた時からそうであることを自覚出来るのは本人だけだ。鑑定眼でも見ることは出来ない。


 目の前でぴょこぴょこと動き俺に戦えることを教えてくれているみたいだな。そういえばスライムってどうやって戦うんだろうか。伸びてその反動で突撃とかか?


『スラ』

「っておい……うっわ……」


 液体状の体を池に指していたのでそちらを向くと新しくスライムが現れていた。逆か、池がスライムを作っていたんじゃなくて、スライムが池を作っていたんだ。それだけの数がそこにいたと思うと少しだけ怖い。


 そして何より怖かったのは配下であるビックスライムの行動だった。そのままそちらを向いていると任されたと感じたのか、ビックスライムがのそりのそりと向かっていき吸収を始める。


 通常サイズのスライムは二十センチくらいの液状のものだ。よくある固まったスライムではない。対してビックスライムは一メートルほどあったのだが、全てのスライムを吸収したのか、行動を止めた時には二メートルほどになっていた。


 その頃には池の大きさは半分ほどになっており、中に動植物などはいなかった。スライムに狩りつくされたのかもしれない。


「……よくやったな」


 ビックスライムを撫でてそんなことを言ったが内心複雑な気持ちであった。あれだけの数であれば百はいただろうから、全てを倒せば三種類の魔物を百以上撃破した、そんな満足感を得られたのに。


 と思っていたらビックスライムが震え始めた。体から何かを出し小さくげふっと声を上げる。出したものはスライムの討伐依頼証明であるスライムスターチだった。


『気にしていたようですね。……あら、名前をつけてほしいようですよ?』

『……なんで俺の周りはこんなにも有能な奴ばっかりなのか。……名前かぁ』


 俺は名前をつけることが得意ではない。ユラはデュラハンから取ったし。……俺がつける理由がないような気がするけど。


『やっぱりスライムだからライム、とかかな。果物みたいだけど』


 女っぽい名前の次は果物か。内心自嘲しながらビックスライムを撫でてみるとブルプルと横に震えて喜んでいたので大丈夫なようだ。


 一応、ライムには二次元の大きさになってもらって誰にも見えないようにする。こういう奥の手になるものは見せないのが普通だろう。


 こうして俺は三つの討伐依頼を終了させた。

次回投稿予定日は9月1日です。


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