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1ー1ー5一階層目ボス、ネクロマンサー

 なぜ俺の足が吹き飛んだか。


 それは不明だが足だけだ。爆散でもなくただ切れて飛んだだけ。


 それを瞬時に拾い回復魔法をかける。


 くっついた。これで戦えるだろう。


 足が吹き飛んだということは、地雷に近いのかもしれない。


 まず足の周りには結界を張っていた。つまり切り飛ばすことは不可能だ。結界も壊されていないし。


 地からの攻撃。それがわかれば対処は容易い。


 用心に足の裏に結界を張り、靴が壊れていないことに感謝する。素足に直かがけは少し、な。


 そしてそれに重ねて周りの空に結界の足場を作った。


 これを踏んで跳んでいけば、女の所まですぐに行けるだろう。


 だがそれは誤りだった。


「ガアッ」


 目の前に現れたゾンビに進路を阻まれる。


 だからこそ墓を戦いの場としたのだろう。ようやく鑑定眼を発動して、正体を暴いた。


 ネクロマンサー、死霊術師だ。まだステータスの全てを見ることはできないが。


 と、考えれば足の件もいくらか説明がつく。


 俺は目の前に現れたゾンビの首を叩ききり、高度を上げる。


 ゾンビ自体は苦ではない。ステータスは同じくらいであり、装備がないので回復魔法をかけたダーインスレイヴで一撃だ。


 高度を上げてみてわかるが、俺が向かっていた一直線にゾンビが多数現れる。


 ひい、ふう、みい……総数二十ほどか。

 ここぞとばかりに元いた場所のゾンビも現れる。


 やはり足への攻撃はゾンビか。


 スキルがなければ一発で終わってた。

 いや結界で足の代替は作れたかもしれないな。視野に入れておこう。


「グアアアアアアア」


 ゾンビの咆哮。

 二十もの咆哮が重なればその重量感はとてつもない。


 だが俺ほどではないな。


「ウアアアァァァ!」


 威圧をかけながらの咆哮。


 威圧はとても使えるな。ゾンビはほとんど怯んだ。

 それでもう十分。


範囲回復エリアヒール


 魔力を使っての回復の光。

 だがまだだ。


「収束、回復のヒールブレイド


 回復の白い光が何個も玉のように収束させる。そしてゾンビの横に刃のみを作成させた。


 簡易的であり今の俺には練度なんてものはない。でもゾンビ相手なら倒すのは楽だ。


 回復の光を当てるだけでは、良くて倒れるだけだ。死にはしないだろう。


 ゾンビの弱点は回復や光魔法、そして首を切られること。


 ここに回復を当てるだけでは腐敗した肉体が蘇生するだけ。それはキメラで実践済みだ。


 なら今、必要なのはゾンビを切り殺すための刃。


 それは今、成功した。


 現れたゾンビの全てが刃に切られ絶命。


 だが安心はしない。


 俺はネクロマンサーの真上から下に向かって攻撃をする。


 最初は突撃だ。


 ネクロマンサーは何も言わずに片手を俺に向けてくる。


 威圧自体は効いてないことはこれでわかった。それなら次は回復だ。予想としては効かないだろう。


 当たりだ、ノーダメージ。


 物理か魔法しかないか。


 精神魔法……はゾンビを操るようなやつに効かなそうだな。


 まあ、最初は物理だ。


 殴って殺す。いな、斬り殺す。


「るァッ!」


 ダーインスレイヴで一撃を入れる。


 だがノーダメージ。


 となれば勝てるかどうかも謎だな。


 逃げるのも手の内か。


 ……いや、よく考えればおかしいな。


 鑑定眼が効くのは魔物も変わらない。

 でも、もし、これが間違ってないなら。


「ビンゴ!」


 鑑定眼のステータスには、とある言葉が表示されていた。


『ネクロマンサー偽物』という言葉。


 これは文字通りだと考えよう。そうならば今、俺の前に立つこいつは、ただの骸。回復魔法が効かない理由はよくわからんが。


 いや幻像に近いのか。


「じゃあどこにいる。……いや、よく考えろ」


 足の攻撃は見えない速度で地の中から攻撃を仕掛けられ……地の中!


 でも攻撃方法がない。……そうか。

 俺は地に手をつき言葉を呟いた。


「錬金術!」


 人の体には鉄分が含まれている。


 錬金術ではそれを利用することができるかもしれない。


 というかゾンビにも効くみたいで、地から何体ものゾンビが現れる。


 そして最後に現れた一体のフードの存在。


 俺と同じ黒ローブを纏った顔色の悪い存在だ。


 一目見ただけでは死んでいるとはわからないだろう。ただ顔色の悪い狂人、そんなイメージだ。


 目は虚ろながらに俺を捉えている。


「ウアアアァァァ」


 俺の真似をしたのか咆哮をあげたネクロマンサー。


 それを合図に向かってくる数十体のゾンビたち。だがそれは無意味だ。


 鉄分を集めた、それで鉄の武器は作れる。

 つまりはあいつはもう詰んでいる。


「うるせえよ」


 ネクロマンサーの足元から数十本の鉄の刃が飛ぶ。もちろん、ネクロマンサーには回復魔法は効かないだろうから、ただの鉄の刃の攻撃だ。


「回復の刃」


 二度目の回復の光での攻撃。


 それでゾンビはなんとかなるだろう。


 さあ、虐殺だ。


「切り裂け、空剣」


 空剣術で遠距離で剣を操ることは可能だ。


 好きなように、いかように扱える。


 まずは足の恨み。


 ネクロマンサーの足を吹き飛ばし、指を、そして腕を切り落とした。


 最後だ。


 そのままの流れで首を切り落とす。


 そしてネクロマンサーは光に変わり、ドロップアイテムを残した。


 その頃にはゾンビの呻き声は全て消え、静かな空間だけがそこには残っていた。

少しダンジョン編が長引きそうです。

少しずつ書いていきます。後、なぜ内装が変わったのかは今後書いていく予定です。

ちなみにデフォというか、本当のイズのダンジョンは最初の三つの試練からなるダンジョンです。


これからもよろしくお願いします。出来ればブックマークや評価等もよろしくお願いします。

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