魔騎士の正体
「あっ、そ、それではヴァンさんの初期ランクはCですね。初期ランクで最大なのがCというだけなので、ヴァンさんならすぐにBランクになれますよ」
「ありがとうございます」
『ヴァン』はラヴァンダが城を抜け出した時に使っている偽名。なんなら、今の姿も魔騎士と言われる時と同じだ。
だから、魔騎士を見たものにはすぐにバレる。
「あ!あんた、魔騎士だろ!姿がそっくりだ!」
「え……?魔騎士というのは?」
1人の冒険者の声に驚いたラヴァンダは、先ほどから気になっていた魔騎士について聞いてみる。
「魔騎士ってのは強力な魔物も魔術では瞬殺するほどの実力を持ってんだよ。俺は昔、助けられたことがあるんだ」
(ほぉ……。それはぜひ会ってみたい)
ラヴァンダは気づいていないが魔騎士はラヴァンダ、いやヴァンのことを指している。ラヴァンダは魔騎士に会ってみたいと思っているが、本人なのですでに会っているのだ。
「ヴァンさん。最初の依頼はどうしますか?」
(どうせならダンジョンに行きたいが、今はダンジョン依頼がないな……。しょうがない。今日は一旦帰るか)
「すみません。今日のところは帰らせていただきます」
ラヴァンダの声にまたもや受付嬢と冒険者達は顔を真っ赤にして悶えた。
ラヴァンダはそれには気づかずにギルドを出ていく。
「ヴァンさん!私、受付嬢兼冒険者のルカと言います!いつかパーティー依頼一緒に受けましょう!」
受付嬢、もといルカはすでに遠くにいるラヴァンダに向かって叫んでいた。それは聞こえていないと思えたが、ラヴァンダにはしっかりと聞こえている。
「ヴァンさんなら、私と同じSSランクの冒険者になれます……!」




