一方王城では
ラヴァンダが冒険者ギルドで冒険者たちを騒がせている中、王城では——
「ふむ、一刀両断しましたが、まさかくっついて再生するとは。どうしましょうか……」
「みたところ、会話はできなさそうだしなぁ」
木人形はメレナと出会った瞬間に真っ二つに斬られ、そしてその後駆けつけたライルによって拘束された。木人形は何とか体を動かし両断された体と体をくっつけた。が、それもすぐさま押さえつけられる。
「とりあえず、アルク殿下に報告しにいってきます」
「あぁ」
メレナは部屋を出て、アルクの元へと向かっていった。そしてライルは抑えている木人形に対して冷ややかな視線を送る。
「さて、お前魔術による人形か……。お前を作ったのは誰だ?ラヴァンダ様をどこにやった?」
ライルの問いに、心や意思はないはずの木人形でさえも震えている。ただ、この木人形を作ったのはラヴァンダ本人であり、城を抜け出したのも本人による意思。
「失礼する。ラヴァンダに化けている物は、これか……」
「はい。私たちどちらも魔術には疎いですが、《木属性魔術 木人形》による人形かと」
「そうだな。それで、ラヴァンダ本人は?」
「行方は知れません」
アルクが部屋に入って抑え付けられている木人形を睨む。国王である父親譲りの青色の瞳はいつもよりも黒みを帯びていた。
「アルク兄様〜!ラヴァンダが行方不明というのは本当ですか!?」
ラヴァンダの部屋に猛スピードで入ってきたのは第七王女である『ラノン・トレサー』。ラヴァンダの兄姉の中で、特にラヴァンダを溺愛している。
アルクは、ラノンの忙しなさに小さくため息をついた。
「なぜそのことを知っている」
「まぁ!私の実力を舐めないでください!」
「そうだな。すまない。では、ラヴァンダの——」
「ラヴァンダの行方は私にお任せください!」
アルクの言葉を遮って堂々と宣言する。
普通、王族が行方不明など秘密事項。今回のこともメレナとライル、アルクしか知らないことだった。だが、それをラノンはいち早く知っている。それは、ラノンの索敵能力の才能。
ラノンは魔術が得意というわけでもない。だが、魔力量は一般的な量よりも多く、とある一つの魔術に関してはスペシャリストとも言える。その魔術は——
《空間属性魔術 索敵・探知》




