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板谷楓のスイートメイプルタイム 2023年4月21日

 山奥にたたずむちっちゃな村、このはな村のコミュニティラジオ、このはなFM。金曜夜のDJは板谷楓さん。彼女のトークと素敵な音楽で綴る番組の様子を、小説スタイルでお楽しみください。

(もちろんフィクションなので番組も放送局も実在しません)

 みなさんこんばんは、板谷楓です。

 週末の夜、このはな村役場分署一階のスタジオからお送りします板谷楓のスイートメイプルタイム。一週間の疲れを癒やされる方も、週末の稼ぎ時に備えて英気を養いたい方も、どちらでもない方も、お聴きいただければ幸いです。


 先週、このはな村ではメイプルシロップを作っているというお話をしたんですが、他にもヤマモミジという、日本では一二を争うくらい庭木などで人気のあるモミジからもシロップを作っていることを付け加えておきます。

 つまり、秋になるとモミジやカエデの葉が色づいて、とってもキレイな景色になるということです。今から楽しみにしていてくださいね。


 そして、今日は早速、食レポ行きまーす。せっかくメイプルシロップの話が出たので、それにピッタリなものを食べまーす。

 今日はスタジオに小型のホットプレートを持ってきましたて、番組の開始時刻に合わせて仕込んでいます。そろそろ、食べ頃だと思いますので、フタを開けると?


 じゃーん! 出来ましたー! あったかふんわりのパンケーキ!


 というわけで、お皿に乗せました。わたしはバターをパンケーキの上と、あと重ねたパンケーキの間に入れるのが好きでーす。

 う〜ん、パンケーキとバターの香りが合体して、美味しそうです。もちろんバターも、メイドインこのはな村ですよ。というかこのはな村では、乳製品とか、牛乳使った食べ物、例えばチョコレートも加工用のを溶かして牛乳を足してミルクチョコレートにしたりしてます。

 で、いよいよメイプルシロップを投入しまーす! 今日は我が家特製の! シロップを使いまーす。


 んー! 美味しい〜!


 メイプルシロップって元は樹液だから、いろんな成分が混じってるんです。ただ甘いだけじゃない複雑な味わいなのはそのためなんですね。

 あ、自家製のシロップが作れるのは、ウチにもメイプルの木がいるからなんです。二月ごろに幹に傷をつけて下にバケツを置いて樹液を受けます。これを何度も繰り返します。ちゃんとシロップとして使えるには、大量の樹液が必要なんです。

 で、樹液はズン胴鍋に集めて、貯まったら火にかけて煮詰めます。薪を使うのが一番安上がりです。弱火でコトコト、焦げないように注意しながら何日もかけて出来上がりです。

 村の古くからあるおうちには、だいたいどこでもメイプルかカエデかモミジの木があって、シロップを作っています。

 んぐんぐ。


 あと、このパンケーキがもう一つ美味しい理由は、粉ですね。もちろんこのはな村産を使っています。小麦の全粒粉がたくさん入ってるので、香りが、くんくん、んー、香ばしいんです。あとライ麦、村ではラエとも呼びますけど、これも香りがいいんですよ。

 なんで全粒粉やライ麦を使うかというと、このはな村は夏でも涼しくて米が取れないのはもちろん、それ以外の作物も収穫が難しかったからです。小麦粉の白いところだけじゃなくて、皮や芽も全部すりつぶして食べないともったいない、でも牛のえさに混ぜると良い牛乳が取れるから最小限残そう、そして外国から入ってきたライ麦は寒さに強いからたくさん育てよう、という感じで、香りの良いパンケーキが食べられて結果オーライ、なんです。

 もぐもぐ。


 村でとれた麦は、村で粉にします。とくに全粒粉は日持ちがしないので村でついた方が断然いい香りの状態で料理できます。

 だからこのはな村は、かなり自給自足できちゃう村なんです。日本は食料の自給率が低いですが、都道府県や市町村で見るとプラスのところもあって、このはな村は断然食料自給率プラスです。

 このはな村の材料で作られたスイーツを、是非皆様、ご賞味ください。

 

 板谷楓のスイートメイプルタイム、そろそろお時間です。今週は食レポだけだ終わっちゃいましたが、たまにはこんな回もいいですよね? ってまだ三回目ですけどねっ。


 それでは、また次回まで、ごきげんよう。


 早くも第三回にして食レポだけが残るという、作者の大喰らいを反映した展開になっております。ま、たまにはこういうこともあります。

 都道府県別の食料自給率って、実際ありますし、資料を揃えれば市町村についても算出できます。生産量をカロリーに置き換えたり、売り上げ金額を元にしたりして、それぞれの人口で割れば計算できます。

 よって、人口に比して食料の生産が多いところ、例えば北海道などは自給率が高くて、東京都など人口が多いところは不利です。人口が多いということは農地が少ないのですから、自給率はなおさら低くなりがちです。

 国の食料自給率を上げようというのは、作者が子どもの頃は当たり前の世論だったと思うのですが、いつのまにか金で外国から食べ物を買えるならいいじゃない、的なほうに国が動いているようですが。

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