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板谷楓のスイートメイプルタイム 2023年4月14日

 山奥にたたずむちっちゃな村、このはな村のコミュニティラジオ、このはなFM。金曜夜のDJは板谷楓さん。彼女のトークと素敵な音楽で綴る番組の様子を、小説スタイルでお楽しみください。

(もちろんフィクションなので番組も放送局も実在しません)

 みなさんこんばんは、板谷楓です。

 先週から始まりましたこの番組、週末の夜に落ち着いたひとときを過ごせるような落ち着いた音楽とおしゃべり……、おしゃべりは落ち着いてるからビミョウですけど……。

 週末の夜、このはな村役場分署一階のスタジオからお送りします板谷楓のスイートメイプルタイム。一週間の疲れを癒やされる方も、週末の稼ぎ時に備えて英気を養いたい方も、どちらでもない方も、お聴きいただければ幸いです。


 先週の放送のあと、たくさんお便りいただきました。ありがとうございます。特にテーマとかは無いんですが、このはなFMの公式サイトにあるメールアドレスか住所宛で送ってくだされは番組内で読むこともありますので、よろしければご意見ご要望含めてお送りください。

 また、スタジオの後ろに投稿ボックスもありますので、近くにお住まいの方はそちらもご利用ください。


 で、こんなお便りいただきました。質問のお便りですね、

「板谷楓さんはじめまして。失礼ながら、板谷楓さんというお名前は余りに出来すぎているように感じますが、芸名か何がですか? 少々気になりました。お気に障りましたら申し訳ありません。それでは番組頑張って下さい」

 ご丁寧にありがとうございます。全然気にしてませんから安心して下さいね。

 はい。芸名というか、ラジオDJ用の名義です。本名隠したいわけでもないんですが、下の名前が「楓」なんですよ。それで、イタヤカエデっていう種類のカエデの木が、このはな村でよく見られるんです。

 だからどうせなら、村のPRもできちゃう名前にしちゃおうってことでラジオではこう名乗っています。


 このはな村って、外国から移り住んだ人がたくさんいるんですよ。昔から、このはな村とか周りの町や村には別荘がたくさんあって、特に外国から日本にお仕事とかで移り住んだ人たちは、夏の暑さがガマンならなかったみたいなんです。蒸し暑いですもんね、日本の夏って。世界的にみても独特みたいですけと。

 だから夏の間は避暑のために別荘を建てた人が沢山いたんですけど、もっと涼しいところ、あと別荘が増えすぎると賑やかすぎるのは苦手って人が出てきて、そうすると夏でも涼しくて人もそんなに住んでいない、このはな村に別荘が集まったんです。


 で、それがカエデと何の関係があるかというと、カナダから来て特にこの村が気に入った人がいたんですね。

 だってカナダと日本じゃ気温が全然違うじゃないですか。それで夏でも涼しいこの村が気に入っちゃって家を建てて、カナダからメイプルの苗を持ち込んで育てて、家を建てるときお世話になった村人にも苗を分けてプレゼントしたんです。

 あ、お気づきの方はいるかもしれませんが、メイプルもカエデの仲間ですよね。そして大きく育うと甘いシロップが取れます。だから山奥の小さな村にとっては、とても貴重なカロリーの供給源になったんです。


 になみに、日本のモミジやカエデにもシロップが取れるのがあって、そのひとつがイタヤカエデといいます。このカエデは寒いところでもよく育つカエデです。ただ採れるシロップの量がカナダのメイプルよりちょっと減るみたいです。

 でも日本産のメイプルシロップを作ってるところは少しずつ増えてるみたいで、このイタヤカエデはそのときによく使われてるみたいです。このはな村のシロップ作りは歴史があるので、イタヤカエデでシロップを効率的で良質なのをつくるための試行錯誤をして他の産地とつながってく試みがあるんです。

 だから、いまイタヤカエデが熱いってことで、この名前を使ってます。では曲どうぞ。


 で、今日の食レポはメイプルシロップを使った逸品、となれば良い感じに話題がつながるんですが、残念、そういう仕込みとか段取りとかナシでやってるので、今日もこのはな村営牧場の牛乳百パーセントで作った乳製品から、チーズをいただきまーす。

 日本国産のチーズってホントに少ないんですが、このはな村はさっきも説明したように、外国人が避暑のため集まったことで発展した村ですからね。外国料理でも村で作れるものはどんどん作っていったんです。

 だって安いじゃないですか、その方が。昔は自分のふるさとの国から食べ物を取り寄せるなんて、高いし日にちも掛かるし。だったらこの村で作れるものは作った方がいいし、牧場があるんだからバターもチーズも出来るでしょ、っていうノリで作り始めたみたいなんです。


 このはな村の別荘地には、色んな国の人が集まってきてたので、それぞれの国のチーズを作り分けてるんです。だから色んな種類のチーズがあって、それをチーズ屋さんで少しずつ量り売りしてもらって、食べ比べするのがわたしのオススメです。

 まずはスタンダードなのからいきます。一般にはチェダーと呼んでるチーズですが、このはな村ではシロと呼びます。シンプルな作り方で味も万人受けするチーズですね、いただきます、んぐ、うん、何にでも合う味ですね。

 続いて、アカ行きます。こっちはゴーダチーズっていうやつですね。わたしの母くらいの歳の方はよく「タケシ」とか「ジャイ」とか呼びますけど、由来は不明です。

 う、うんうん、アカの方がちょっと味が濃いめかなって感じですけど、こちらもクセのない味で、おいしいです。


 ちょっと音楽をお聴きいただいている間に、アカとシロ、食べちゃいました。もうお気づきかもしれませんが、さまぞまなチーズの名前が日本に定着する前にどんどん種類が増えたものですから、独特の呼び名が付いちゃったんです。

 モッツァレラも昔からあったんですが、村では「もっちゃり」って言いますね。イタリア語をそのまま耳で聴いて真似したんでしょうけど、偶然なのか、本当にもっちゃりした触り心地と食べ心地で、昔の人も上手いこと訳したなーって思います。


 チーズは作り方と置き場所次第で、何年も保存できるんですよね。このはな村は涼しい気候だから、家の床下とかでも普通に熟成出来ますし。だから牧場の牛乳が余った時はチーズにして保存しておいて、捨てないようにするんです。

 パーミレって呼んでるチーズは、今ここにあるやつは、五年くらい寝かせてたんだそうです。イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノというチーズの作り方で、すっごく固いんですよ。だから村ではカンナで削って食べます。

 わたしが食べてるのも削ってもらいました。パスタにかけるパルメザンの粉チーズも同じような作り方みたいですけど、村だとカタマリで買ってきて、鰹節みたく削って食べたりします。

 これをちょっとずつかじってくのが、わたしは好きなんです。んぐんぐ、んー。固いんだけど、ちょっとずつ口の中で削るようになめるように、長いあいだ楽しめるのがお気に入りです。

 なので、このひとひら食べ終わるまで、ちょっとまた曲のほう聴いてください。


 板谷楓のスイートメイプルタイム、そろそろお時間です。えーっと、番組のSNSもあってそちらにもコメントいただいてます。

 「チーズだけじゃなくて、一緒に飲んでんじゃね?」

はい、飲んでますよ。チーズはどんなお酒にも合いますから。車とか運転しないし、大丈夫です。ワインといっても、度数の低い甘口ですけど。

 今日はメイプルとチーズのお話でしたが、どっちも村の特産品になっていますので、近くにお越しの際には手に取ってみてくださいね。

 それでは、また次回まで、ごきげんよう。



 

 


 相変わらずのダラダラ文章を垂れ流すスタイルですが、これまた事あるごとに言っていますが、定期的に書くことに意義があると思って続けております。

 もっとも、本来書きたい時間が、こちらを週一書くということによって削られることも考えられるので、こちらはゆるゆるっと、普段走ってないでいきなりマラソンしても走れないから毎日ちょっとずつ走っておくのと同じ感覚で、ムリなく継続していきたいです。

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