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問題

ということで第二部です

 まあ当たり前と言っては当たり前ではあるんだけれども、誰かに不審がられて声をかけられたり、もしくは警察官らしき人に職質されるだとかそういうことはなかった。


「さて、イノリのことだけれども……」


 なにから質問すればいいだろう。どんな聞き方をすればいいのだろう。そして、俺はどんな解答を望んでいるのだろうか。


「本来は探索や警戒を担当する式神だったというのが理由ですね。護衛、というのは後から与えた指令、命令ですから。正直なところ、護衛をさせるのは不向きも不向きなんですよね。とはいえ、その得意不得意を変更することは出来ません。イノリは最早ただの式神という装置ではなく、1つの人格であり、私と同様にご主人の血肉を受け取っていますから」


 マツリはイノリに布団をかけてから、大きく息を吐き洗濯の準備を始める。そして説明を再開する。


「イノリの得意を変えるためには、式神から術式に直さないといけません。ですがそれをやると、イノリの記憶は消えてなくなり、私もご主人も血肉を大きく削られるでしょう。正直おすすめしません」


「小さい状態で警戒だけしているのと、大きな姿になって今までのとおりに遊んだり、あるいは護衛してもらったり……その場合の、イノリのエネルギー消費はどのくらい差がある?」


「だいたい4.2倍ですね。エネルギー……魔力だったり妖力だったり生命力だったり、いろいろ言い方はあるんですけれども。エネルギーを使い込んでしまうと、小さい状態になって省エネ状態になることも難しくなってしまいます。眠っている間に私やご主人がいろいろしてあげれば、問題はないんですが」


 マツリは早々に洗濯機に準備を終え、稼働させ……るまえに、俺の服を脱がそうとしてくる。いや、一緒にやったほうが効率が良いのはわかるのだけれども、せめて一声かけてくれ。


「食事とかでは回復は間に合わない……のか?」


「うーん、私たちが普段食べている量だったら、大きい状態で1時間過ごすくらいでしょうか。そのくらいは回復します。あとは夜間に眠れば朝に動けるようになるくらいには回復します」


「うん、なんというか……エネルギーがなくなった場合には?」


「日中の場合は第1段階として、そのまま眠くなります。眠って低消費モード、というやつでしょうか。機械とかと似たような感じですね。そのままエネルギーが切れてしまうと、結構危険です。ご主人や私の身体に触れていれば、ある程度は補充出来ます」


 体液など取り込ませれば多少は充電出来ますね、という。キスはそういうコトだったのだろう。


「なあ、イノリって今現在結構綱渡り状態を強いているんじゃないか?」


「イノリも私も、ある程度は覚悟してはいます。とはいえ大事な『妹』ですから、そういう危機はできる限り減らしておきたいんですよね」


 マツリはそう言いながら、俺の背中を軽く叩く。いつのまにか下着だけという、プールにいた時よりも布が少ない状態にされてしまっていた。


「とりあえずは、そうですね……イノリの性質の方はいずれ治して……直してやらないといけません。とはいえ、それには時間がかかるでしょうし、方法もいくつかを模索する必要があります。どれもすぐにとはいかないでしょう。とはいえ、今日の問題は充電してしまえば良いわけで、それはどうすればいいかわかりますよね?」


 マツリはそのまま俺の背中を押し、シャワーすら浴びていない俺を布団の中に押し込んだ。


「ということでご主人、イノリのことを抱きしめてやってくださいね」

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