買い食い
水着回パート7です。
フードコートで少しばかり遅めの昼食である。このまま帰っても良いんじゃないかとは思ったが、せっかく遊びに来たのだから雰囲気を感じようということで出店? でいいのだろうか、とにかくそこで食べることになった。
「こういうところのは結構高いんですねぇ、まあ値段だけで食べるものではないんですが、じつはこれ3人分で食事4回分の値段になります」
「うわ、そう考えると自炊ってやっぱり必須なんだなぁ……うん、2人ともいつも作ってくれてありがとうな」
「いえいえ、どういたしましてっと。でもご主人、こういうのって雰囲気を大事にするという意味もあるし。まあお祭り価格ってやつよね」
「たまにはこういうのもいいよな。あんまり続くようなこともないし、大丈夫かな」
小さいときは気付かなかったが、こういった物の値段って結構するんだよな。両親や祖父母と一緒に縁日のものを買いに行ったり、あるいはレストランに食べに行ったり……今から考えると、結構甘やかされていたんだなぁと自覚する。今だって下宿先の家賃より少し多いくらいの金額は出してもらえているし、早いところ恩返しもしておきたいものである。
「せっかくだからある程度散財しちゃうのもありだとは思うけれど……んー、この前服も水着も買ってもらったばっかりだしねぇ」
「いや、バイト代を部長から結構貰ったから、少しくらいなら気にしなくてもいいよ。正直ちょっともらいすぎじゃないかって思ったし、あのひとのとこからバイト貰えたのは実際2人のおかげみたいなところもあるし」
怪しげな術やら呪いやらに関する仕事なんて、家業を継ぐのでもなければそうそうあることではないだろう。そういう意味では、2人と関わりが出来ていなければそもそも存在していない36時間の労働と20万円の追加報酬なのである。
「だから、もう少しくらいは2人と遊ぶために使ってもいいんじゃないかって思ってる。全部使うのは流石に無計画すぎるとしても、少なくとも服類の値段以上に貰ったわけだし」
計算はしていないんだけれども、およそ10倍程度だろうか。もう少しあるかもしれない……例えば、2人用にゲーム機を購入するとか、そのくらいの余裕はあるんじゃないだろうか。
「俺がいない間に仕事や作業が終わった時、なにかしら暇つぶしがあるならばいいとは思ってな」
「んと、そのあたりは大丈夫ですよ。一緒に遊ぶっていう目的があるならともかく、暇つぶしはもうすでにありますから」
「ん、そうか? なら、一緒に遊ぶための何かしらを買ったほうが良いか……ゲーム機本体じゃなくてコントローラーだとか、そのへんが良いかな」
俺がいない間の暇つぶしが何なのかは少し気になるが、あまり言及しないでおこう。乙女の秘密に踏み込むのはよろしくない。
「あれ、ご主人だったら聞いてくれると思ったんですけどね? 確かに乙女の秘密……といっていいのかもしれないんですけれども」
いや、なんだろう。聞いたら色々と落ち着かなくなりそうだ。
「まあ、ご主人を裏切るような行動ではないので安心してください。むしろ忠誠を誓っているような行動ですから」
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