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水着回

水着回パート2です。

「あ、こっちですよこっちこっち!」


 マツリが呼びかけ、イノリがこちらに手を振っているのが見える。2人の肌が眩しくて直視できないような感覚になるが、しっかりと見る。


 マツリの水着はパレオ付きのビキニ。肌に当たる部分はシンプルに黒一色、スカートのようになっている部分は黒字に白いハイビスカスが描かれている。胸元の方は布地が胸元に食い込んでいて、なんだかそこを隠しておきたい気分になってしまう。他の人に見せたくないという意味で。


 イノリの水着は片方の肩を出すような形の、明るい乳白色のワンピース水着。首周りにはひらひらとしたフリルがついていて、それがアクセントになっている。片方の胸をかくすようなそのフリルは、逆に視線を寄せてしまうんではないかと勘ぐってしまう。


「まったく、待ってたんだからね?」


 イノリが腕を組み、頬を膨らませながらこちらに告げる。


「いや、ごめんごめん。……2人とも、なかなか良いな。なんとか気が利いたセリフを言えれば良いんだけれども。なんというか、素敵だよ」


 今ほど自身の語彙が貧困であることを恨んだことはないだろう。好きな女の子たちの格好を褒めるための言葉が浮かんでこないのだから。あとは単純に、女の子の外見を褒めるような機会に恵まれるほど女性関係の交流がなかったというのもあるけれど。


「うん、2人に逢えて良かったよ」


「それはこの流れで言われるとなんだかちょっと違うような気がするのだけれど」


「あら、ご主人がちゃんと選んでくれた言葉ですもの、私は嬉しいわ?」


「嬉しくないとは言っていないじゃない!」


 2人は俺の言葉を基本的に全部肯定してくれるので、俺の言葉選びが下手でも許してくれる。ありがたい反面、2人のことをもっと喜ばせられるようにならないと、と思ってしまう。


 ちなみに俺の水着は、黒灰色のパーカーになっている水着……いや、だれも興味ないよな。


「さ、ご主人。せっかくレジャープールに来たんです。しっかり遊んでいきましょう?」


「ん、そうだな。浮き輪やらのレンタルは無料だし、食べ物の方は……あとからになるけれど、そっちの方のお金は持ってきてるし」


「水分補給はちゃんとしないと……まあ、ご主人はこっちでもいいかもしれませんけれど、ね?」


「マツリ、フリであっても出そうとするのはやめてください。ここだともしかしたら捕まってしまうかもだから」


「大丈夫ですよ、だれかに見つかるなんてことはないですから、ね? 周りには人もいないし、こっちを見ているのはせいぜい監視員さんくらいです」


「正直なところ、マツリとイノリの肌を他の人に見せるのは少し嫌だな?」


「ご主人ったら、欲張りなんですから」


「ご主人てば、結構強欲よね?」


 2人に左右から挟むように、囁くように同時に言われた。2人はわかっていると言わんばかりにニヤニヤ笑いを浮かべ、身体もぐい、と押し付けてくれる。左右から柔らかい感触を押し付けられ、身動きを取れない状態にさせられてしまった。もし不良とかがいたら、そのまま嫌な感じの絡まれ方をしてしまうかもしれない。まあそうなったとしたら、2人が相手をどうにかして……いや、それはそれでトラブルになってしまいそうだ。


 これはもしかしたら、泳がせてもらえないのかもしれない。いや、まあ2人が水着を見せたくて、あるいは2人の水着が見たくて来たのだから。それ以外のことに関してはおまけみたいなものだと考えておいて良いんじゃないだろうか。……いいよね?

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