更衣
水着回パート1です。
マツリとイノリのウェストは結構細めである。体格が小さいせいか、イノリのほうが少しばかり細く見える。身長はマツリの方がそれなりに高いので、そのぶん足が長く見える。が、それ以上に目を引くのは、2人の大きな胸であろう。頭ほどあると言われても信じてしまいそうなサイズのそれが、そこにはあった。
「マツリ、変なこと考えてない? 更衣室にご主人が入ってこれないから見せられなくてつまらない、とか考えてない?」
マツリもイノリも、基本的に思考回路はおおよそ一致であり、同時に意図的に遮断した場合以外考えていることは筒抜けである。なので、相手に対して考えを聞いているときはそう考えていることを知っているし、基本的に同じことを考えている。
「さぁて、どうでしょうね? 正直なところ逆です。ご主人以外に見せるのは少しもったいないなぁとか、ご主人が私たち以外の女体に目を奪われたりしないかとか。どちらかというと不安の方が大きいですよね?」
お互いに相手の考えていることを代わりに自分で口にする。不安とか、期待とか。思考も考えも筒抜けではあるが、ある程度の役割分担のような物はある。なのでお互い全てが全て予想通り、あるいは把握済みということはない。
「ま、この格好じゃあ仕方ないんじゃない?」
「水着ですからねぇ。とはいえ本当に、いつの間に購入してたんですか」
「んー、こっそりと? 妖精が見えてたからそのスキに適当に忍ばせたのは覚えているけれど。まあそんなに重要ではないでしょう?」
「まあ……あれね」
時期が時期だからか、3人の他に客はかなり少ない。とはいえ更衣室、スペースの中には少しばかり人が多くなる。その場にいる半数近くの人が、程度の差はあれマツリとイノリの様子を思わず伺ってしまう。
「さて、ご主人を待たせるわけにもいきませんから。なるべく早いうちに着替えて向かいましょう?」
「まあ確かに。あんまり待たせると寂しい思いさせちゃうかもね?」
2人はそんな冗談を言い合うと、メイド服を脱ぎ始める。ボタンやジッパーを外すために、布が擦れる音が聞こえる。布を身体から外す音が響く。ボタンがロッカーの金属と触れ合い甲高い音が聞こえたり、手がぶつかるような音が響く。
2人は少しばかり早い動きで着替え終えると、ようやくプールの方に向かった。
「さてさて、ご主人は……うーん、もしかしてまだ着替え終わっていない感じですかね?」
「うーん、そんなことはないとは思うけれども……もしかして迷子とか、それか誰かに絡まれてたりするとか? うん、着替えとはいえ離れるべきじゃなかったかもね」
「とはいえ、さすがにそれは杞憂では? なにかあるとしたら人間の客の方で、そういう不審人物はいなかったような気もしますし」
「一応そういうのは確認してたしね。……と、もしかしてトイレとか?」
「ふむむ……まあのんびり待ちましょうか」
こちらでもやはり人は疎らである。更衣室が狭いスペースに収まっている分、密度に関して言えば更に少ないだろう。
「あ、ご主人きたよ。んー、なんでか着替えに手間取っていたみたい」
「なんででしょーねー?」
「久々だったのと緊張していた……そういうことにしておきましょう」
「さて、ご主人は私たちの水着にどんな反応をしてくれるのかしら? 楽しみだわ」
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